神罰ーPunizione divina

神町恵

序章 神罰開始ー進化

プロローグ

 ジリリリリリリッ!


 寝床に置いていた目覚まし時計のアラームが部屋中に鳴り響く。

 早朝に鳴るその音に鬱陶しさを感じつつも、いつも通りアラーム音をオフにし、布団から起き上がる。

 念願の一人暮らしを始めてから二年近くになるが、長い間一人暮らしとなると実家が恋しくなる。

 冷蔵庫から昨日の残りと菓子パンを出してレンジで温め、テレビをつける。

 ニュース番組が映し出されたが政治や国際情勢に関することだけ、朝からネガティブな話題ばかり、良いニュースを聞くのはたまにくらいだ。

 

 チンッ!


 「温め終わったか」


 俺はレンジからおかずと菓子パンを取り出し、一人分サイズのテーブルの上に置く。

 菓子パンの袋を開け、おかずと菓子パンを交互に食べる。


 「今日ついに学祭だな」


 今日の土曜日、大学で開催される学祭一日目のイベントだ。

 友達との待ち合わせに遅れぬよう身支度を済ませていく。


 「持ってくもんは……こんなもんでいっか」


 財布とスマートフォン、小さいバックを持参して自宅を出た。

 一応待ち合わせ時間よりも早く着いておこうと歩を少し早めた。



 目の前の光景に俺は絶句した。

 現実とは思えないくらいだ。

 そりゃあそうだ、なにせよくわからぬ見た目をしたその”何か”が人を次々に殺しまくってるからだ。

 中には人を食っている奴もいた。

 人を殺したり食ったりする怪物たちに俺は一瞬脳裏に浮かんだ。


 ”死にたくない”と


 でも俺には一つ気懸かりがあった。


 友人は?指原さんたちは無事なのか?


 嫌な予感がしつつも俺は人を食う怪物たちがいるにもかかわらず、待ち合わせの場所まで走った。

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