第47話・順調順調?

 農作業だがのんびり経営している。


「種の販売はやはりランクの前倒しはダメですか」


「はい、新しい農作業は時間がかかりますし、低いランクの野菜も育てて欲しいですから」


「ジャガイモを使った料理も出すか」


 じゃがバターやポテトチップスなど作り、お店を出すことにする。料理店は人気があり、野菜をたくさん食べさせている。


「薬草の様子はどうですか?」


「あっ、はい。だいぶ数が揃えられてます」


「君は薬師と料理人希望だったね。薬草関係の素材も教えるから、いまのうち覚えて」


「はーい」


 犬か狼の獣人の女の子にそう言いながら教えてあげて、共に農作業する。若葉さんが時々この子を連れて料理をするから、料理スキルもあるらしい。


 神殿作りもしっかりやっている。羽根や翼を彫るのが大変だがこだわるところだろう。時間をかけてコツコツしているところだ。


 一部のプレイヤーは料理作りなどはせず、教えてもらった本殿の方へチャレンジしている。火の中、マグマの中のため、だいぶてこずっていて、一部の人しか来られないようだ。


「基本、私のところは炎に耐性のある者しか呼んで無いからな」


「朱雀は実力主義だね~まあ自分は適当にしてたら道ふさがってたけど」


「玄武は水晶の経営が大変だったんだろ?」


「んーまだ内緒だからノーコメント」


 二人は時々、野菜料理を食べにくる。様子見しながらお好み焼きを食べて満足するドワーフ達を見て、まあまあと判断した。


「この味噌とクキュウリを生で食べるだけでもいいな。汗をかきすぎた者に水分補給と塩分補給もできている」


「いまのところそれらメインに育てていますね」


「すまないな。神殿と畑作業で時間をかけさせていて」


「気にしないでください。妻も楽しそうなので」


「それはありがたい」


 朱雀様との会話も終えて、トマトでのサラダなど作り、ドワーフに食べさせている。厄介なのは子供ドワーフ達だ。


 肉がいいと言っている子が多いが、バーベキューやカレー、野菜シチューなどをがつがつ食べさせている。


 じゃがバターも食べさせているため、野菜問題は解決しただろう。


 それと共に、時々みんなを連れて鉱山へと向かう。個人の用事なのでお金を支払い、貴重な鉱石を確保しているところだ。


「ずばずばずばーん!」


「風を!」


「撃ちます!」


「氷!」


 ダイチも苦手なところだが頑張って進んでいる。溶岩が流れていたりするため、火属性のモンスターが溢れている。だが少し溢れすぎではないか? そう思いながら進んでいる。


 水系の魔法を使いながらスキル上げをしておこうと思った。


 ◇◆◇◆◇


 翌日、朱雀様が舞い降りて、王様と会話している。どうも、異変が起きたようだ。


 ガチ勢のプレイヤーの人達が選ばれて調べに行くクエストが発生。私達は念のため、避難などの方を優先する。


「イベントかな?」


「エルフ国でもありましたし、あり得るかもしれませんね」


 第二陣達に大型イベントがあるかもしれないと伝え、できる限り行動させている。


 物によっては物価が変わったり、NPCの対応が激変したりする。色々大変なのだが………


「コボルトおじいちゃん」


「はいはい。君は料理人の。どうしたんだい?」


「実は一部の子が、朱雀様の神殿見に行くって言って」


「確か立ち入り禁止区域だったはずだけど」


「他の人がいいんならいいとか言って、行ったようです」


 困ったことをするな。なにかあるかもしれないと思い、仕方なく私が様子を見に行くことにした。


 朱雀様のところは完全火属性と溶岩地帯のエリアであり、水魔法などが無いとスリップダメージで死に戻る羽目になるな。


 氷魔法の使い手であるユキのおかげで進めているが、第二陣はどうやって進めているんだろう?


 向こうから声が聞こえる。


「本当にこれを壊せばレアアイテムが手に入るんだろうな!」


「私は嘘は言いませんよ」


 なんかの台座を破壊しようとしている。おい待て!鑑定しなさい! それは封印石と書かれているぞ!


「やめなさい!」


「やべ、爺さん来たぞ」


「すぐに壊せ!」


 止める前に一個壊してしまった。すると地鳴りと共に溶岩があふれ出す。


「あっははははバカな精霊人だ!」


「おいなんだよ!」


「あつっ、たすけ」


「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!?」


 第二陣は倒されてしまったが、私達は無事だ。武器を構えて、人だった者を囲む。


 すでに悪魔のような姿に生り、ヒッヒヒと笑っている。


「目的は達した。ここで俺が死のうが封印は解かれた」


「なんの封印を解いたんだ?」


「朱雀がここに封印した火の魔獣さ! すぐに街を火の海にしてくれる!」


「悪いがそんなことはさせないよ」


 私達は戦闘態勢を取り、戦闘に入る。こいつに負けることは無いだろうが、封印されたモンスターか。


 また厄介なことになったと思いながら、まずは戦闘だ。


 こいつを倒して、さっさと町に帰還しようか!


 こうして私と悪魔の戦闘が始まった。

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