第40話・王国での仕事
久しぶりに探索、王国へと向かってみることにした。目的は畑拡大と、東エリアの開拓だ。
孫はどうも北スタートではなく、別の辺りで初めて、最初は自分だけで頑張るつもりらしい。なら施設を開拓しておこう。爺さんは孫に甘いのだ。
若葉さんと共に馬車に乗り、王都へと来る。王道的な街並みが広がり、私達は各ギルドに挨拶する。
服飾ギルドから、貴族から招待状があるというが、若葉さん?
「ああ、あの子だわ。王都に来たら挨拶してって言われてるの」
若葉さんのアリスモデルの子らしい。可愛らしいアリスにしてあげたそうだ。
とりあえずドレスコードは気にしなくていいらしいので、挨拶しに行こう。
場所が王城なのは驚いた。ほべーお姫様だったアリス。
「おば様こんにちは!」
「はいはい、こんにちは」
服飾の店を出すことを伝えるとスポンサーになってくれる話をもらう。これを受け入れて、王族御用達の証を付けていいとのこと。それとは別に頼みたいことがあるらしい。
「我が国の守り神、東の神の神殿を直していただきたい」
「神殿をですか?」
「かなり古くなり、所々修復しなければいけないと言われている。クラフト可能のあなたに頼みたかったところでした」
それを言われ、私は快く受け入れる。神殿が直れば、孫がアイテムと交換できるからね。
とりあえず様子を見に行こう。
◇◆◇◆◇
神殿は町の外れにあり、蒼い竜の像がある。他はだいぶ傷んでいた。
「こりゃ、一から行動した方が良いな」
「クエストを出しますか?」
司祭さんがそういって、お金は自分が出すことにした。お金はたくさんあるからね。有名どころクランが集まってくれて、工事が開始された。
「皆さん、ご飯の準備ができました」
「はーい」
「大変だがレベルも上がるし良いな。飯もうまいし」
「だな」
そうしてご飯を食べている。ダイチが嬉しそうだ。
握り飯を出していると、小さな少年がいた。
「お手て洗いましたか?」
「………食べていいの?」
「ええ良いですよ」
「……ありがと」
嬉しそうににっこりする少年。見た限り竜の角とかですね。青龍発見です。
時々現れて、ご飯を催促する。子供達と共に嬉しそうに食べている。
私は私で、神殿のクラフトを開始。青龍の像があるため、それを元に神殿を作るクラフトだ。
材料は良いのを集めてもらい、風関係の素材が良いらしい。青龍は風を司るからね。相性の問題だろう。
時間を見つけて、畑と店を見つけて解放しておく。畑はかなり必要になって来た。ジャガイモやサツマイモをたくさん作っている。
そろそろ秋だからか、寒空が近づく。サツマイモで石焼して、甘くしてから食べるのが最近のおやつだ。プレイヤーにも人気だ。
そうこうして神殿を整えていると、とあるプレイヤーと神様がやってきた。
「どうも掲示板で木材ブローカー名乗ってます。『カーロ』です」
「我が名は白虎!木材を提供しにきた!」
元気な女の子が現れ、青龍は苦手なのか若葉さんの後ろにいる。
「青龍は相変わらず無口だ! 我は久しく会っていなくてせっかく来たのに寂しいぞ」
「……どうしてここに?」
「神殿をクラフトできる者、麒麟から許可を得ているからな。この地に我が神殿を新しく作っていただきたくやってまいった」
「……エルフは良いの?」
「あれは痛い目を見ない限りダメだ!」
どうも王族には前々から精霊樹と妖精樹の間引きを頼んでいたらしい。多く居ればいるほど精霊や妖精はわがままになって、イタズラしたりするときがある。
守ってばかりだとサボりだす。だからほどほどにするはずが無意味に大事にして増やし過ぎた。
「今回の我が神意によってだいぶ間引きした!精霊と妖精は反省して新たな住処を探すだろう。ここもしっかり補強した方が良い!」
「それは……うん」
「材料を出すから東の!この地に我が神殿を作る許可をくれ!」
「わかった、許可を出すから、王家に話を通す」
「ありがたし!」
そういう話を聞き、カーロさんに話を聞く。
「一番貧乏で収益や収入のない集落に白虎の新たな神殿を作りました。他のところも新たな神殿をミニで作り、それを目的に人が来るようにしました」
「うむ!さらにはシルバ! お主が再現して旅人達に作り方を提供した味噌や畑作りで自給できるようになってきた! 礼を言うぞ!」
「はいはい、それはよかった」
「問題は豊かになったからと言って税を上げようとする愚か者だ!」
「エルフはどうしても潔癖と差別が目立つ……」
「ああ! 区別するのは良い! だが差別はダメだ! 王家の誇りがあるのなら、下々の者も飢えないように采配してもらわなければいけない!」
「有力な王族は?」
「いる! だが血筋の問題がある。奥方が愛人の貴族籍のメイドだった!」
細かく聞くと当時の王様が王族の世話係になっている爵位は低いが優秀な貴族の娘に手を出したらしい。ダメやん。
「むしろ手を出した王族が悪い気がするが」
「メイドと言っても貴族籍の者だ。ちゃんと段取りすれば問題なかったが、あ奴の所為で色々面倒なことになっている!」
近々、厄介なことになるため、エルフの国があほなことするかもしれないから、守りをしっかりしててほしいとのこと。
それを言い終えて、神殿のかなめになる像のもとを手渡された。金属だから、加工が大変だ。練習も大事!と言って練習用ももらったし、頑張ろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます