第37話・レイド戦の流れ
レイド戦は開始された。左右にモンスターの大群が進軍して、中央に大きな塊で進軍するようだ。先に左右のフィールド。木々に囲まれた森のフィールドと、草原地帯であるフィールドでの戦闘。
軽いものらしく、まずは小手調べとしてプレイヤーが活躍する。
「広範囲魔法発射可能!」
「よし前線離れろ!」
「ヒートオブガトリング!」
弾幕のように放たれる炎の弾丸や、広範囲を焼き尽くす炎が放たれた後、風魔法の広範囲魔法が放たれる。火、風、水、雷の順番で交互に使い、モンスターを退治する。
「さてと、厄介なのは味方なのがな。森側はどうだ?」
「一応、各個撃破してるよ。まあレアモンスターが出たら取り合いになりそうだが、その辺りはうまくさばいてる」
「んーやっぱ味方が厄介だな。いっそのことまとめてやれないか?」
「それはやめておきましょう。すれば後々ギスギスするし、念のため瓦解したり、隙間ができることを意識しておくと良いよ。私がその辺りサポートする」
「すいませんシルバさん。シルバさんも前に出たいでしょうし」
「テイムモンスターであるソフィがね。私の場合はこっちでいいさ。若葉さんはそもそも前線に来ないし」
申し訳なさそうにする彼にそういって、私は森側の方で突破したモンスターを退治する。
「ズバーンッ!」
ソフィが一撃で倒して、ルビがホーミングタイプの魔法で撃ち抜き、ユキが凍らせ、マグマが倒す。ダイチは若葉さん側であり、カナリアは偵察している。
私もメイスで叩き、数を減らしているが………
「勝手に上がるな」
前線を前のめりで進むため、突破される回数が増えている。困ったものだ。
「とりあえずこれで問題ない。渡したアイテムを使って速やかに撃破お願いします」
「はーい」
生産職で手が余っている人達が集まり、渡したバーストオイル。爆裂する薬を使い、ゴブリン達を一撃で爆破する。
「ひぃぃぃ、威力範囲が広い。気を付けないと誤爆する」
「けどこのモンスターを一撃で倒すのは便利よね。今後こういうレイド戦じゃ重宝するね」
「俺らもレベル上げになるし、材料出さなくていいのか悩むな」
「仕方ない。材料のほとんどは北エリア産が無いんだ。なんか珍しいの見つけたら渡したりしようぜ」
「っていうか前線組どうした? 結構突破されてるぞ」
んーこの様子だと、後ろの方でモンスターが出ている可能性があるな。前線上げすぎだ。
ともかく、これでなんとかなるし、生産職もレベル上げになるから、調整するか。
「私は離れてバーストオイルの数を増やしますので、指揮お願いします」
「すいません。色々出してもらって、経験値やドロップ品渡せず」
「自分で少しもらったから良いよ。あとは頼むね」
結構のプレイヤーから、材料や料理、薬提供で戦闘の場を渡せないことに申し訳ないようだ。
まあ今回は縁が無かったということで、私はスポンサーのようにアイテムを提供、裏方で活動することにした。
◇◆◇◆◇
「ふう、じゃ前線に持って行ってください」
「任せてください」
バーストオイルを渡して一息つく。前線の管理をするプレイヤー達が戻ってきているから作戦会議。
「森側はもう勝手に動く奴らは勝手にやってる。無視しているのか雑魚系は流れているけど、シルバさんが提供してくれたバーストオイルをうまく使って、生産系統のプレイヤーのレベル上げに使えているから、もうこのままでいいんじゃない?」
「シルバさんには悪いが、勝手なことする奴らは森側に押しやって、草原と中央は連携取れる奴らで固めたいのが前線の本音だ」
「私は構わないです。まずはクリアを目指しましょう」
「そういっていただけるのなら、甘えさせていただきます。そろそろ数が減るから、連絡でそろそろボスモンスターが出てくると思うが」
「………出たよ。仲間からスクショ付き、名前はフォレストドラゴン。植物ドラゴンみたいなの」
大型のモンスターが映されて、大木が龍のように動いて突き進む。どうもゴブリン以外のモンスターはこれに追いやられているらしい。
「情報は?」
「はいです。NPCから太古の昔に封印された系の話で出てきます。性格は悪く、森の恵みを全て自分のものにするタイプですから討伐で問題ないかと」
「念のためにシルバさんは夜姫さんから情報を聞いてくれます?」
「分かりました」
「よし、あとは中央をなんとかするか。メンバーどうする?」
「火属性弱点なら、クラン赤魔導士に連絡しますね。残りはその護衛と、多くの火魔法使える子と、爆撃が欲しいかな?」
「ならシルバさんのバーストオイルを使おう。それならシルバさんを前衛で、ソフィちゃんとルビちゃんも役に立ちますし、カナリアちゃんは空から爆撃もしてもらうのは」
「いいですね。足りなくなったら守られながら作れますし」
「なら確定はシルバさんのパーティとクラン赤魔導士のプレイヤー、他は名前が売れているタンク、避けタンク、前衛で」
「異議なし、美味しいところいただけてラッキー」
「シルバさんはボスモンスの素材もらってもいい。それだけ貢献してくれた」
「問題ない」
というわけで、レイド戦決戦として、フォレストドラゴンに挑むことになった。
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