第36話・森の奥
森での戦闘でメンバーはダイチ、ユキ、ソフィ、ルビ、マグマで行こう。
火属性攻撃でガンガン奥へと進む。
マグマは空を飛び、火属性攻撃を得意として、スピードの乗った重い一撃を放つ。
負けずについていくが、かなり強い。
せっかくだから奥の探索をしよう。そうして奥へと進んでいくと、枯れかけた樹を見つけた。
「ん、これは?」
鑑定を使うと弱った妖精樹となっている。精霊樹とは違うのか、珍しい木材である。
場所によっては神聖視されているが、これはどうだろうと調べると、苗木として回収できた。これは庭で育てよう。
そうして奥へと進んでいくと、ゴブリンの大群を見つけた。
『ワールドアナウンス。ユニーククエスト、ゴブリン軍団が発生しました』
なんか北の町と東の王都を結ぶ最後のトリガーらしい。これはレイド戦だな。ここで私達が戦っても無理だ。
いったん引き返して、情報を持ち帰ろう。
遠巻きに軍隊の群れを確認してから帰り、北の町へと戻っていった。
◇◆◇◆◇
町では腕に覚えのあるプレイヤーを募っていて、戦闘準備に入る。最後のトリガーらしく、これをクリアすれば街道が出来上がる。
報酬の確認で町レベルが東と北が上がり、物流が良くなるとのこと。
レイド戦と思われるため、いろんな人から声をかけられた。偵察隊として私に協力して欲しいとのこと。嬉しい話だ。
若葉さんは空腹値を考え、料理提供で協力するらしい。料理人プレイヤーが腕を振るうため、私達のホームを利用させてほしいとのこと。
とりあえずレベルの確認だが、マグマ以外は大丈夫だろう。マグマもかなり強いので、若葉さんの傍で待機するか、私と共に前線に出るか決めさせた。前線でレベル上げしたいらしい。
ダイチを始め、多くの前線プレイヤーが集まる。いまのうちに装備も整えよう。あと妖精樹を植えておく。
イベントが本格的に始まる前に作戦会議が始まる。私も参加することになった。
「それでは、代表としてクラン『剣の集い』。私デュランが司会をします」
まずは規模だが、雑魚ゴブリンは1万以上いることが目視され、ホブゴブリン、ファイターゴブリン、ゴブリンマジシャンもかなりの数揃っている。
ゴブリンの軍隊だけでなく、イノシシ、狼に乗るライダーや、ゴーレム系統のモンスターもいるらしい。
トレント系のモンスターも土を這いながら進んでいて、基本広範囲魔法が効きそうであるとのこと。
「魔法攻撃は大好きさんとこと、赤魔術師の皆さんが担当。基本タンク職と前衛が護衛として就くのが最善かと」
「俺らのようにソロでやりたい奴は突撃していいか?」
「左側は草原地帯ですから、そこで魔法隊を配置。森川の右側で個人や非協力プレイヤーの狩場にしたいと思いますが、地元プレイヤーから見てどう思いますシルバさん?」
「んーできれば右と左で出てくるモンスターの質と量で決めたいねえ。非協力ってのは私に無茶ぶりする人達でしょ? ああいう人は経験値が高そうなモンスター倒したいだろうし、レアアイテムドロップも欲しいだろうから」
「ああ確かに。文句言いそうだ」
実は彼らが会議をする前でもいざござがあった。若者の言葉なので、まずは若者で片づけるよう静観したが、かなり無茶ぶりするプレイヤーが多数いた。
言いたいことは、経験値欲しい、レアドロップ欲しい、活躍したいだ。
「そうなると広範囲の方にも人を呼ぶか。間を取って中央も作ろう。狩場範囲を決めて、せめてそこのルールぐらいは守らせるか」
「その際は生産者プレイヤーは協力するよ。言う事聞かないのなら私達は今後協力しないと言ってくれ」
「シルバさんに同意します。私達生産職もできる限りの協力を」
「助かります」
後はバフだが、こちらは全体に使おう。料理バフは欲しいバフ料理をタダで試食して維持する。
クマ三さんが気合を入れている。彼の作るラーメンが基本、攻撃系統のバフでは高いからね。
若葉さんは空腹値の減少を抑える。長く戦いたいならこの二つのバフを受けての戦闘だろう。
他に町の協力者だが、こちらはすでに話を通している。
料理ギルドが一時的、野営場所として開放。料理人の料理生産場所として活動。
アイテムショップも冒険者ギルドが場所を解放。消耗品を集め、一部無料提供している。薬師ギルドも手を貸す。
大工、鍛冶ギルドは万が一を考え、土魔法使いを集め土壁を作って補強している。
レイド戦はちょうど休みの日、朝からスタートする。どんなふうに進むか、それはドワーフ王国の例を比較するらしい。
「朝はスロースタートで軍勢が来て、昼にモンスターが新たに増えます。夜は深夜には入らず、大型モンスターが出現して倒すという流れと思われます」
その大型モンスター、この群れのボスはどれほどか不明。
できれば火力が効くと良いなという話でまとまり、私達は準備に入る。
生産職は薬など消耗品を作らないと、クレアさんが指示を出して回している。私も頑張らないといけない。行くぞ、おーー。
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