第24話・地底湖で
鉱山、遺跡の次は水晶洞窟。キラキラ光る水晶が生えた洞窟が広がっていた。
「むしろ鉱山より明るいな」
「そうですね」
若葉さんと共に、みんなでやって来た探索。なかなか敵は強く、ダイチとソフィがいないと瓦解しそう。ソフィが前衛としてスキル獲得したおかげでだいぶ強い。
「パパどう?ボク強いでしょ!」
「うんうん。助かるよ」
「へっへーん♪」
みんな喜ぶ中、水晶飴というアイテムや、鉱石として宝石が出やすいな。
水晶も手に入るため、色々クラフトできそうだ。
出てくる敵は幽霊系、精霊系が多く。ここからは魔法を得意とするモンスターが混ざりだす。魔法のみ攻撃特化のパーティは足止めを食らっているとのこと。
こうして探索していると、地底湖らしい場所に出た。おおっ、広いね。
「綺麗な水だ」
「お魚がいるよお父さん」
カナリアがそういうと、確かに魚が跳ねている。
しばらく自由に探索する。ここで出てくるのはクリスタルシェルクラブ。水晶の殻を持つカニだ。
カニはVR内でも食べたいものランキングで上位を取るため、かなり身狙いで狩られている。私達もカニ料理の研究のため確保だ。
鍛冶の素材としてもかなり良いらしい。メイスと鎧の足しにしようか。
「水晶砂糖が手に入ったよ」
「ここで手に入る、ゲームならではの砂糖ですね。ありがとうございます」
「いいよ。お菓子は若い子たちかい?」
「この子たちも食べますし、お菓子はたくさん作りたいと思います」
ルビ達が嬉しそうにしている。ダイチは食べられないから興味なしだ。少し悲しいね。
しばらく探索後、草むらを見つけた。ん?
「どうしましたか?」
「あの草むら、よく見てみると」
「あら?」
よくみると、なんというか。ちゃんと育たなかった稲、育ちすぎたものに似ている。
よく調べて刈ってみると、稲と出ている。おおっ。
「米だ。お米が手に入ったぞ」
「やりましたねあなた!」
ここにプレイヤーがいれば歓喜するだろう。ゲーム内で食べたい物ランキングで上位のほとんどは炭水化物である米料理。
だがいまだ米が見つからず、米に近づいたものはいなかった。
「誰も気づかなかったのかな?」
「私達はお隣さんがお米農家ですから気づきましたが、普通の人は草木と思ったんでしょうね」
これは先行していたプレイヤーのミスだな。まあ我々が挽回しよう。
稲の元である素材を確保しつつ、家に帰る準備をする。
その間に釣りもしてみよう。
「水晶魚とカタナサンマが手に入った」
「サンマですか、海に繋がっててもおかしくありませんね」
「ああ。立派なサンマだ。大根が欲しくなる」
「パパ、大根ってなに?」
「そのうち育てる野菜さ」
そう言って我々は帰り、米作りを開始することにした。
◇◆◇◆◇
畑作りは簡単だった。
「ご!」
ダイチが頑張ってくれたおかげで、畑を米用に改造することはできた。とりあえず忙しい中手を貸し続けた私の勘では、これで問題はないはずだ。
問題があるとすればスキルだな。これで上位のスキルが無いと育たないとなると無理だ。私はまだ農業レベルは10になっていないから、中級スキルを獲得できない。
とりあえず試してみると、米作りは問題なさそうだ。あとは育つかどうかだ。
「手に入れた状態はどうだろうか?」
「お米にできない状態に似てますから、無理でしょうね」
「あっ、お米の殻を取るやつ。あれも作らないと」
「石工でしょうか?風車が欲しいですね」
「小麦を作っている人は風車小屋を持つ住人に頼めば小麦粉にしてくれるらしいけどね。ここじゃ自力で作るか」
木工と石工を持つ。仕組みはだいたい頭の中にあるし、少し調べるか。調子が良いことを話す為、お隣さんを訪ねることにした。
あっちは子だくさんだから、趣味する時間割いてるからな。カートゲームでランキング乗ってたし。
そんなことを考えながら、サンマを焼く。綺麗に焼けたサンマを子供達が美味しそうに食べていた。
「おいしいです」
「うまい」
「にゃー」
ダイチは静かに畑を見守り、シープ達は元気に草を食べている。
一突き兎も外側にいるな。彼奴らいつになったらここの作物狙うのやめるんだろう?
とりあえず今日はこの辺にして、お米のスクショは今度にしよう。この情報はかなりすごい情報だ。ちゃんと確定しないと拡散は危ないだろう。みんなに内緒にしないといけないと子供達に説明して。若葉さんも気を付けて。
とりあえずお米が育つかどうか、しばらく様子見だ。
カニも楽しみだし、素材を使い装備を作らないと。私達の工房もそれなりにいい防具を売らないとね。
こうして今日のブログはサンマ焼きを食べている様子にしてから、締めくくるのであった。
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