第10話・二日目と三日目

 ノットさんの空き部屋を借りて、醸造樽や熟成箱を置いておく。


 こうして味噌と醤油を確保しつつ、朝ごはん作りを手伝う若葉さん。私は海の方に釣りに出向き、そこそこ釣って戻ってきた。


「すいませんっ!その釣り竿どこにありますか?」


「はい?」


 釣り竿も無いようなので、予備を売ってあげた。一つ3000ポイントはなかなかだが、性能は良いんだ。


 初めは釣れないから、釣りスキルが生えることまで伝えて戻り、魚が食卓に上がる。


「おおっ、今日は豪勢だね」


「はい、人が来るなんて久しぶりですから」


「ここはどういった島なんですか?」


「なんてことはない、海路の途中の島だよ。嵐とかで進めなくなった船が来る程度のね。静かに暮らしたいという人が暮らしてるんだけど、まあ限度はあるね。いまは賑やかで助かるよ」


 そんな話を聞きながら、島の探索をする話をして農作業を手伝う。


「できれば人が来るなにかがあればいいんだけど、できることは限られてるからな」


「そうですか」


 農業スキルが高いと、苗木や種に変えるアーツも覚えるようで、ここでレベル上げを心掛けるつもりだ。


 ダイチがいるから、大量の野菜を運ぶのも助かる。野菜は町の中央に集められて販売された。


 私達も店を出す。釣り竿やクワとスコップ、料理。バターと油もある中、かなり売れている。


「他のところだと、こういったものは手に入らないのか」


「錬金術ぐらいは広まってそうなんだけどね」


 朝は販売でポイントを稼ぎ、昼は少し休んで、夕方に海などを探索した。


 貝のモンスターが現れるが、ダイチのパワーがあれば貝の守りを突破する。打撃武器であるメイスも役に立つ。


「これだけあれば明日はクラムチャウダーが作れそうです」


「おお、楽しみだ」


 ホタテのような貝を確保しつつ、釣りをして魚を集めたり、釣り竿用に木材を集めに行く。村人に話を聞き、木を切る場所を見つけて木を切る。


「あなた、私は明日はノットさんの奥さんと共に、古着を回収したりするので、お一人でお願いします」


「ああ分かった。私は島の探索をしよう」


 釣り竿は錬金術のスペースが無くても作れるから、釣り竿は作ることにした。、二日目はこれで終わり。次の日になる。


 ◇◆◇◆◇


 クラムチャウダーを作り、売ることにした若葉さん。まずは朝は市場でアイテムを売る。


 噂が呼んだのか、だいぶ人が来るようになったが、マナーが良い人ばかりだ。


 そういう人にはできる限り売ってあげたい。頑張って売ろう。


 こうしてその後は別れて、私とダイチ、カナリアは島の奥へと足を向けた。


 出てくる敵はダイチの防御力と攻撃力で突破できるし、低い敏捷はカナリアがサポートしてくれる。


「ありがとうカナリア、ダイチ」


「ごー」


「うん」


 こうして奥へと進むと、白いバナナを見つけることができた。苗木にできるか確認して苗木にした。


「スコップで回収できるのは小さな奴だけか」


 ホワイトバナナというのが手に入る。他にないか調べてみよう。


 極熟マンゴーと太陽オレンジというのが手に入る。極熟マンゴーは熟しすぎていて食べづらい。加工してみよう。


 しばらく進んでいると、時々プレイヤーと出会うから、話をしたりする。


「他のスタート地点で錬金術の使用が分からないんですか?」


「ああ、錬金術のレシピは一切」


「レシピの販売はマナー違反だけど、それは困ったな」


 売ってあげても良いけど、できないらしい。錬金術師の子がいて、レシピが欲しいそうだ。


「なら生産職のスレで公開しましょう」


「えっ、いいんですか?!」


「売るのとは少し違いますが、仕方ないです。それにすぐに使えるというわけではありませんし」


「ああ、レシピ無しだと何回か失敗は付くからな」


 それでも正解のルートが分かっているのとは少し話が違う。錬金術を広めるために、ここは公開することにした。


 やり方を聞きながら、レシピルートをスクショして、投稿すると喜ばれた。とりあえずロープ、スコップ、クワだ。


「けど本当にいいんですか?」


「実は自分、補正スキルを多く持っていて、そう簡単には性能を抜かれない自信がありますから」


「ああ」


 それで納得してもらい、ノットさんの家に帰る。


 作物のために働くのだが、ダイチはここでも活躍してくれた。カナリアはつまらなそうに空で踊っていて、作業を終えた。


 若葉さんが帰る時、カナリアにお土産を持って来た。


「白いゴスロリ服なの。作れたから作ってみたのよ」


「わーーーいーー♪♪」


 嬉しそうにそれに着替え、可愛らしいカナリアができた。ダイチにはスカーフを装備させる。


 付与術も付いていて、ステータスが上がってくれた。


「三日目も問題なく終わったな」


「そろそろモンスターが出てきそうだけど」


「なにも無ければ良いけどね」


 そう話しながらログアウトして、現実でブログを書き、情報を集めていると、ダンジョンが発見された。


 どうやらダンジョンの奥にはなにかがあるらしい。行ってみることにした。

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