第7話・新しいなかま

 ログインして農作物を手に入れる。ゲームだとすぐに実になるな。


 玉ねぎなどを手に入れて、若葉さんは料理を作る。できたのはサンドイッチだ。玉ねぎがシャキシャキして美味しい。具になったサーモンも良い。


「ごちそうさまでした」


「はい、お粗末さまでした」


 クエストをやり終えるために若葉さんと別れ、私だけで鉱山の跡地を見に行く。


 さすがに死に戻るだろうなと思いながら、進んでいった。


 ◇◆◇◆◇


 しばらく山脈のあるエリアに出向くと洞窟があり、元炭鉱というのが分かるところであった。


 トロッコらしいものがあったりする中、ゴーレムがウロウロしている。


 ゴーレムは固く、攻撃力も高いモンスターだ。テイムもできないし、私は鑑定を使い続けながら、色々な物を鑑定し続けた。


 小柄なコボルトのおかげか、隙間隙間に隠れながらやり過ごし、発掘ポイントで採掘をすることができた。


 手に入る銅鉱石や鉄鉱石、中には無の精霊石と言うアイテムもあり、鑑定を続けた。鑑定に引っかかる物は、古いランタンやトロッコのレールなど、結構あるな。


 ゴーレムが引っ掛かり、すぐに身を隠す。


 しばらくすると、安全地帯か。モンスターの影が無くなった。


「ふう、そろそろ戻らないと。ここは、セーフエリアという奴かな?」


 ダンジョンの中にはセーフエリアと言う、ログアウト場所がある。セーフエリアは基本、ボスモンスターの前に置かれているため、いったん引き返すことにした。


 少しスキルの確認をしていると、鑑定スキルのレベルが5になり、新しいスキルを覚えられるようになっている。


 覚えられるのは【動物知識】、【植物知識】、【歴史知識】、【鉱物知識】、【魔法知識】というスキルだ。


 少し悩んだが、どれも5ポイントと高い。だが、高いだけの効果はあると思い、全て習得した。しばらくはスキルは覚えられないかもしれない。


 そして帰り道、スキルを習得した変化を感じた。


「? 鉄鉱石だ」


 鉄鉱石が落ちていた。鑑定で確認しながら進むと落ちてたりする。鉱物知識のおかげだろうか?


 そう思っていると、ゴーレムと戦闘になる。


 さすがに無理かと思いながら、魔法のスキル上げするため、がむしゃらに撃っていると、テイム可能状態であると分かった。


「? ゴーレムはテイム不可能じゃ」


 試しに何度かテイムの呪文を繰り返した。


 運が良かった。


 急に光に包まれたゴーレム。しばらくして現れたゴーレムは、私がテイムしたゴーレムであった。


「ごー」


 穏やかになったゴーレム。名前は『ダイチ』で良いだろう。ダイチが仲間になってくれたおかげで、ゴーレムとの戦闘は楽になった。


 戦えるようになったおかげで、死に戻り無く帰れた。今後は鉄鉱石など探しに出向けるな。


 そう思い、納屋へと戻る。


 後日私は冒険者ギルドに行き、従魔ギルドの代わりをしているため、そこで登録をするのであった。


 ◇◆◇◆◇


 ダイチが加わり、少しは戦えるようになった。


「はいダイチ、傷が治りましたわ」


「ご」


「よし、木材を手に入れたぞ」


 木材も『ホワイトオーク』や『モミジカエデ』という木材であり、細かくなっている。


 鑑定スキルのレベルを上げるため、フィールドでは鑑定を細かく使うことにした。


「これがあれば新しいアイテムを作れるぞ」


「なにができるんですか?」


「錬金道具と言うカテゴリーで、熟成箱と醸造樽というアイテムだ」


 精霊石と言うアイテムを消費して、無と水の石が必要。昨日の探索で手に入れた。


 とはいえかなり珍しい品物なのか、一つずつしか手に入らなかったから、成功しないとな。


 木材は、醸造樽はホワイトオークで作るか。


 できたのは『ホワイトオークの醸造樽』と『ホワイトオークの熟成箱』というアイテム。


「ふむふむ。熟成箱はお肉を入れておくと熟成されるらしい。ハムやベーコンにできそうだ」


「それは助かりますね」


「ん? 味噌ができるぞ。豆を使えば味噌ができる」


「あらー」


 嬉しそうに喜ぶ若葉さん。味噌があれば色々できるからね。


 醸造樽も塩水と豆があれば醤油が作れる。早速若葉さんに渡して仕込んでもらう。


「醸造樽は酢やお酒も造れるみたいだね」


「そうなると鉱山もですが、木材も必要ですね」


「森はダイチと私達がいれば問題ないな。鉱山はなるべく戦わないようにして進むか、森でレベルを上げてから進みたいね」


「ごー」


 ダイチは木製クワを持って土を耕す動作をしている。興味があるのかな? 今度させてみるのもありだな。


 作物は順調に育ち、増えている。これを納品してランクも上げている。


 イベントの内容が発表された。内容は南の島の探索らしい。


 参加プレイヤーは南の島に転送され、さまざまなことをするようだ。南の島をどうするかはプレイヤー次第とのこと。


 お金の代わりにイベントポイントと言うものが通貨になり、初期に3000ポイントもらえる。モンスターを倒したり、生産したアイテムと交換すると増えるようだ。


「クワとか集めた方が良いな」


「ですね。料理も集めておかないと」


「それなら品質の良い釣り竿とかも。やることはいっぱいあるな」


 そう話し合いながら、私達はログアウト。今回は畑を耕すダイチをスクショして、ログアウトした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る