第9話 カウントダウン②

 あの女性は一体何だったんだ。突然身に覚えのない僕に話しかけてきて何かの詐欺かなって思ったらそれも違うって。

 知らない女性に話しかけられたら気をつけろ、と母親が教え続けてくれてことに感謝したい。


 悪い人じゃなかったぽいし逆に僕の方が失礼だったかもしれないな。今度からはしっかりと相手を見るとしよう。

 だけど本当に彼女は何をしたかったのか分からない。僕の勘だが彼女の瞳は何らかの意思がこもっていた。


 同じ大学っていちいち言われなくても分かる。

 それにしてもとても可愛らしい人だったな。


 僕の周りってやけに美人な人多くないか?赤星さん、花澤三姉妹、さっきの和泉さんだったっけかな、もそうだ。

 僕がかっこよかったらハーレムなんて道もあったのかもしれないと思うとむなしくなってくる。

 異世界にでも行けば主人公適正でハーレム出来るんだろうけど。


 僕はため息を吐きながらそこから去るといつの間にか家庭教師の事務所に到着していた。

 僕が働いている事務所は特別大きい会社ではないが、優秀な生徒を多く輩出する名門としてよく知られていた。


 そんな事務所なのだからもちろん採用試験の難易度は相当なものだった。全国模試の偏差値はもちろんのこと、人間性は数日間にわたって見られたり、事務所に人に対して授業をしてみたりそれはもう散々だったのを覚えている。


 最初はお試し感覚で受けたのだがまさかの合格。こうして今事務所に一員になっている。あ、あくまでバイト換算だからね。


「お疲れ様です」


「ん」


 相変わらず今日も事務長はダルそうにしている。足を机の上にのせて煙草をくわえながら雑誌を読んでいる。


 これでも彼女の経歴はすさまじい。世界一の大学を卒業して一度国民栄誉賞を受賞しているのだ。

 だけど本性はこれ、知っているのは僕と同じ事務所所属の家庭教師だけだろう。


「すみません。生徒の数を増やしたいんですけど依頼ありますか?」


「ん」


 事務長は引き出しから数枚のプリントを取り出すとこちらに無造作に放り投げてきた。

 適当だな…。顧客の情報なんだから大事にした方がいいと思うんだけど。普段通り過ぎて突っ込む気すら起きないけどね。


「ありがとうございます」


 僕は適当に選ぶと事務長に手渡す。


「ん」


「どうもです。失礼しますね」


 僕はそういって事務所を出ると大学へと向かった。

 なぜ講義が終わったのにわざわざ戻るのかって?それは忘れ物をしたからに決まっているじゃないか。


 講義中にさぼって読んでいたラノベをそのまま机の下に置きっぱなしにしてしまった。命よりも大事なラノベを忘れるなんて一生の不覚。二度としないように気を付けよう。







 忘れ物を取りに帰って自宅へと帰っているとふと背後から視線を感じた。おそるおそる振り返ってみると誰もいない。


 それにしても大学内で赤星さんとすれ違わなくてよかった。面倒くさいことは嫌いだ。

 嫌な予感がしていたけど当たらなくてよかった。杞憂だったぜ。


「あ、先生」


「え、琴乃ちゃん?」


 もう少しで家に到着しようとしていた時、後ろから話しかけられた。琴乃ちゃんだ。






 ~~~~~~~~~~


 すみません。登校遅れました。

 実は二日前から体調を崩しておりましてインフルエンザに感染しました笑

 治ったらまたどんどん投稿していきますね!

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