第41話 クエストの報告と貯金


 気絶したスキンヘッドをギルド職員がどこかへ連れていく、


「喧嘩は良いんだけどあの子剣を抜いちゃったでしょ?ちょっとお仕置きをしないといけないのよ」


 喧嘩はいいんかい!

 何でも喧嘩はしょっちゅう起きるので、ギルドとしては備品さえ壊さなければ関与しない方針だそうだ。


「ソニアとイヨーナは速攻逃げるし……仲間なのに」


「あはは、ごめんなさーい!ああいう筋肉でものを考えるタイプって苦手なんだよねぇ」


「私は単純に生理的に無理だっただけです」


 2人共悪びれてないな……


「まあ済んだことだし良いけど……」


「フフフ、カッコよかったわよトーイちゃん」


「儲けましたもんね?」


 ジト目で睨んでやるけど、暖簾に腕押し柳に風と受け流される……


「それで、今日はどうしたの?」


「クエストの報告と報酬の受け取りです。手続きをお願いできますか?」


 ギルドに来た目的を告げる。


「そういえば今日締切だったわね。達成したのね……出来ないと思ってたわ。だからペナルティのないクエストを斡旋したんだし」


「出来ないものなんですか?」


「ルーキーなら3~4人のパーティでギリギリ出来るかなーって感じで、クエストがどんなものかを覚えてもらうために斡旋しただけだしね。なにか攻略法でも見つけた?」


「頑張っただけですよ?」


 にっこり笑ってごまかす、ソニアの回避盾の適性は秘密だな。


「そう……まあ深くは聞かないけどね、稼げるのは良いことだわ。ギルド章出してね」


「はい、お願いします。次は同じクエストを全員で受けることは出来ますか?」


 ギルド章を渡しながら次のクエストの事を聞いてみる。今のペースなら全員達成できそうだしペナルティないし受けて損はないよな。


「できるわよ。1人で受けられるクエストは3つまでだから、もう1つ受けていく?おすすめはダンジョンドッグの討伐で3日で5匹討伐報酬は銀貨3枚。ペナルティは未達成で銅貨5枚ね。これもペナルティありの依頼の練習用にちょうどいいと思うわ」


「じゃあ俺だけ受けてみます。いいかな?」


「良いですよ、ダンジョンドッグとはまだ戦ったことないですしお試しという事で」


「私は戦ったことあるけど、今日の狩場よりもうちょっと奥に行けば当たると思うから、明日からの方針と合致してていいと思う。3日で5匹なら大丈夫でしょ多分」


 もう少し奥に行けばワンコと遊べるのか……まあそんなに可愛くないだろうけど。


「はい今回クエストの報酬金貨1枚よ。次のクエストは3人それぞれゴブリン、オークの討伐とトーイちゃんだけダンジョンドッグの討伐ね?明日からの3日間にしといたから頑張んなさい」


「それでお願いします。じゃあ銀貨3枚パーティ資金に入れるから」


「あらもうパーティ資金貯めてるのね……それならギルドで預かることも出来るわよ?」


 おお、貯金出来るんだ。盗難や紛失とかを考えたら預かってもらう方がいいよな。


「それってクエスト報酬から天引きってできます?」


「うーん報酬は一旦渡してから改めて預かる形になってるの。その代わりどの街のギルドでも預け入れと引き出しが出来るわよ?」


「それって個人でも預けることはできますか?」


「出来るわよ?ギルド章で管理してるから。でも冒険者って貯金はあまりしないわね」


 またギルド章かい!どんだけ便利なんだよ!


「じゃあお願いします……っとその前にソニアちょっといいか?」


「なんです?」


「鎧っていくら位するものなんだ?」


「そうですね……いくら位するんでしょうね?西門通りが道具屋街になってますので後で武器屋に行ってみます?」


 おお!武器屋!……まあ、1回行かないと目標金額とか分からないし行っとこうかな?


「そうだな後で行こう。ということでマーガレットさん、今回はパーティ資金だけ預けます」


「わかったわ、銀貨10枚に銅貨18枚ね確かに受け取りました。ギルド章貸してね手続きしちゃうから」


 これで少しは身軽になった。


「トーイたちは武器屋に行くんでしょ?私は帰るわね」


「そうかお疲れさま。また明日よろしく」


「お疲れさまー」


 イヨーナがそのまま帰宅。

 そういえば、イヨーナってどこに住んでんだ?今度聞いてみようっと。


 マーガレットさんからギルド章を返してもらって、カウンターから離れる。


「じゃあマーガレットさんまた今度」


「メグちゃんまたね〜」


「お疲れさま!いってらっしゃい、良い鎧があると良いわね!」


 なにげに異世界で初買い物だな……





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