第19話 幻の初期装備
「魔法剣士」基礎コースを無事修了し教会に戻って来たら、門扉の所でソニアが立っていた。待っててくれたのかな?
「ただいまソニア!」
「おかえりなさい、あらその鎧と剣は?」
やっぱり気付くよなー
「マスターから貰ったんだ「魔法剣士」基礎コース修了記念みたいな?」
「あ~これが噂の幻の初期装備ですか」
「幻の初期装備?」
なんか「幻の」とか付くとかっこいいな。
「はい、冒険者を目指してここに来る人はあちこちから旅をしてきます、そのため大体武器防具で武装して自衛します」
「ウンウン」
「ぶっちゃけ、その装備のほうが訓練所で貰う初期装備よりも性能いいので、初期装備を使う人はほとんど居ません」
「ウンウン。あれ?」
「なのでくれると言われても貰いません。売れないし……そのため初期装備は幻と呼ばれています」
なんか悲しくなってきた……
「でも俺は武器防具持ってないからこれ使うしかないんだよね……」
「そうですね、無いよりはマシですしね」
そのレベルなのかぁでも確かに無いよりはマシだもんなぁ
「そうそう神父さまが帰ってきたら執務室に来なさいって」
「りょーかい」
神父さまの執務室のドアをノックする。すぐに入室を促され2人で入室する。
「おかえりなさいトーイくん」
「はいただいま帰りました」
「「魔法剣士」基礎コース修了お疲れさまでした。これで多少安心してダンジョンに送り出せます」
「はぁ多少ですか?」
「ダンジョンに絶対はありませんよ?熟練のパーティでも浅層で命を落とすことはありえます。2人ともダンジョンに入るなら油断だけは絶対にしてはいけませんよ?」
「「はい」」
「おっとこんな話をするために呼んだのではありません。トーイくんに渡したいものが有ります」
「俺にですか?」
「はい、これです」
神父さまが手渡してきたのは一振りの剣だった。
「これは?」
「教会の倉庫で眠っていたものを研ぎ直しました。私達聖職者は剣の使用は出来ませんので、あなたに差し上げます」
「え?良いんですか?」
「今も言いましたが私達には使えないものです。なので使える人に使ってもらうだけですよ。それに初期装備を使うより幾分はマシでしょう」
「あーやっぱり初期装備ではきついですか?」
「そうですね」
断言しちゃったよ。哀れなり初期装備……
「鑑定も終わらせてます「駆け出しの剣」ですね。性能的には初期装備の二段階上です。なのでそれほどの品ではありませんが初陣の武具としてはちょうど良いでしょう」
「ありがたく使わせていただきます」
さらばだ初期装備の剣よ、1度も使ってやれなかったけどありがとう……
「それで、2人はギルドにはいつ行くつもりですか?」
「はい、トーイが良ければ明日にでもと思っています。パーティ登録もしておきたいですし」
おお!ギルドにパーティ登録!ファンタジーの定番だな!
「俺は明日でもいいぞ。それにパーティ組んでくれるんだ?」
「私たち相性いいと思いますよ?前衛後衛別れてますし魔術師系と僧侶系でも別れてます。あとは斥候を入れれば形にはなりますね」
あれ?まだメンバー入れるんだ。
「質問いいか?そもそもパーティって何人くらいで組むもんなんだ?」
「そうですね……まずその質問に答える前に1つ前提として、ダンジョンの道幅って何故かどこもほぼ一定なんです」
ソニアに聞いたのに神父さまが答えてくれるようだ。
「へー不思議ですね何ででしょうね?」
ソニアも知らなかったらしい……
「さあ?理由は不明です、いろいろと学説はあるようですがどれも決め手に欠けますね。なのでアースガルド七不思議の1つに数えられています。っと話が逸れました、道幅がほぼ一定というのが前提です。それを前提と考えた場合パーティの最大人数は前衛3人後衛3人の6人ですね。これ以上だとお互いの行動が阻害されて上手く戦闘が出来ないですから。6人を最大にしてあとは結構自由ですよ?2人のパーティもあればフルメンバーのパーティもあります」
「なるほど、つまりソニアは俺たち2人と斥候を加えた3人パーティを考えてるわけか?」
「そういう事!上手く体が空いてる斥候が居ればね?結構斥候って人気なんですって」
「適性検査のときにじいさんが、斥候はパーティに欠かせないって言ってたからな」
そりゃあ人気にもなるよな。宝箱が有ってもカギ開け出来ないと中身取り出せないんだから。
「人数不足のところに紛れ込むとかどうだろう?」
「そのパターンも良くありますよ。そのまま固定パーティになったりしますね」
神父さまが教えてくれた。そりゃあみんな同じ事を考えるかぁ。
「基本方針はそんなもんとして、あとは行ってみて考えようよ?」
「そうですね」
パーティかぁ、そうだパーティ名考えとこう!ここは厨二チックにいってみようか?
◇◆◇◆◇◆
お読みいただきありがとうございます。
やっと……やっとギルドに行きます!
ギルドに行くのに20話もかかってしまいました……
次回はギルドです!多分……
次回も読んでいただけると嬉しいです。
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