第16話 「魔法剣士」基礎コース 2日目
「昨日メグちゃんにイケメンと一緒に住んでるって、マウント取ってきました!」
今朝マーガレットさん家から帰ってきたソニアが、開口一番そう宣った。
てか、昨夜食事時に居なかったからどうしたのかと思ったら、お友達の家にお泊りしてたんかい!おかげで話題探すのに苦労したんだぞ……神父さまが。
「まあ広義では一緒に住んでると言えるね……イケメンかどうかは置いといて」
「またそんな無自覚系な事を。まあそこもいいですけどね!それで、今日も魔法剣士マスターの所ですか?」
「そうだね、明日までみっちり行くつもりだから。ソニアはなにすんの?またマーガレットさん家?」
「いえ、今日は1日修行ですよ!トーイは知らないかもですが、修行で詠唱速度をあげることができるんです!魔法の出が早くなればそれだけ有利ですからね!」
お〜!ソニアの修行か……どんなのか見たい気もするけど次の機会だな。こっちはこっちのやれることをやろう。
職業訓練所のマスターの道場へ向かう、昨日と変わらず適性検査所には長蛇の列が出来ている。この中からどれぐらい適性検査をパス出来るもんなんだろう?
「大体1〜2割くらいだね結構狭き門だよ?」
マスターが教えてくれながら木剣を打ち込んでくる。あらら、ホントに狭き門だな……向こうに居たときの俺だとパスしなかったかな?ワンチャン魔法使いがいけるかもくらいか……
「そのうえダンジョン2層に行けるのが、そのルーキーの2〜3割ってところかな。ほとんど1層で死ぬか逃げ出す」
「うえ〜!マジですか?そんなレベルなのかよ」
「ははは、まあそうなるのは大体ダンジョンを舐めてかかってなんの準備もしなかったやつだよ。君はシッカリと基礎を学んで準備している。大丈夫さ」
逆になんの準備もしないでダンジョンに入るやつがそんなに居るってことか……俺もソニアから言われなかったらそうなっていたかもしれない。
午後の講義は魔法剣士の魔法運用の基礎を学ぶ。ちょっとウキウキしてる自分がいる。
「魔法剣士はレベル1では魔法を覚えない」
マスターがのっけから絶望をくれた……
「クククッ、そんなに落胆しなくてもいいじゃないか。まあ魔法を覚えるのはレベル3からだ、それからは基本的にレベル3上昇毎に1階梯ずつ覚えていく。ちなみに基本職のスペルユーザーはレベル1で第1階梯を覚えて以後レベル2上昇毎に1階梯ずつ覚えていく。そしてレベル13で第7階梯まで覚えるので、レベル13以上の事をマスタークラスと言うこともある。他の職業もそれに倣ってレベル13をマスタークラスと呼ぶようになった」
「なるほど……つまりレベル13で1人前って事ですか?」
「察しが良いねその通り。まあ1つの指標みたいなものさ。上級職はその辺りのレベルで極々稀に特殊ジョブが発現することもある。君はもう持っているけどね」
ほ〜そういう意味ではかなり先取りしてるってことか……
「魔法を見たことはあるかい?」
「僧侶系の魔法を駆け出しの子のものと、熟練者のものをそれぞれ1回ずつ見ました」
「なら違いは分かっているかな?単純な違いとしては詠唱の速度だね」
ソニアと神父さまでは全然違ったもんな。あれが攻撃魔法だったらソニアは神父さまに勝ち目がないことになる……
「あとはそうだな……集中力とでも言うのかな」
「集中力ですか?」
「そう、多分駆け出しの子はその場で立ち止まってでしか詠唱出来ないだろう、けど熟練者は動きながら……例えば攻撃を避けながらでも詠唱出来る」
「それって意味有りますか?」
「大有りだよ、動けるということは状況に即応出来るということだ。例えば前衛が倒れて自分が前に出なければならなくなった時、動きながら詠唱出来るのと出来ないのでは生き残れる確率が変わるからね」
「なるほど……ん?それって魔法剣士はどうなんですか?」
質問するとマスターはニヤリと嬉しそうに笑って、
「気付いたかい?ホントに優秀だね。そう魔法剣士や神官騎士などは基本的に前衛だ、動きながらの詠唱は出来てあたり前。魔法を使うたびに止まっていてはいい的だからね……」
これはおべっかじゃないな……本気で感心してくれている。ちょっと嬉しい。
「ということで、今から動きながら詠唱する訓練を行う。私の攻撃を捌きながら……そうだな君は落人だったね、君の国の物語を私に分かるように聞かせてくれ」
「え゙?避けながらッスか」
「では行くぞ!」
「うぎゃー!昔むかし、とぉ!あるところに!」
「ぜぇぜぇぜぇぜぇ……」
「本当にスジが良いな……明日いっぱいかかるかと思ったのに、もうこんなにこなしたか……それで、桃太郎くんはそのあとどうなったのかね?」
「ぜぇぜぇぜぇぜぇぜぇぜぇ……」
今は無理……無理だから……
「さすがに無理か、では明日の楽しみにしよう。今日はここまでだよ。明日で最後だ頑張り給え」
「ハァハァ……アザス」
体を引きずりながら教会まで辿り着いた……昨日よりボロボロだな……回復魔法が欲しい……ソニアにかけてもらおう……
「ソニア……回復魔法か「今開けないでください!」なんだって?回復魔法かけてくれ」
なんか焦っているソニアの声が聞こえたけど、そんな事より回復魔法が欲しくてソニアの部屋の扉を開けた。そこには急いでスカートのボタンを留めている、上半身裸のソニアが居た。あっピンク、
眼福、でもヤバイ……
真っ赤になってワナワナ震えているソニアが机の横に立て掛けてある、トゲが付いた球が先端にある棒を無言で掴んで振りかぶる。
あっ死んだ……
◇◆◇◆◇◆
お読みいただきありがとうございます。
なんかずっと説明回が続いてますね……
実はもうちょっと続くかもですゴメンナサイ!
次回も読んでいただけると嬉しいです!お願いします!
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