第8話 肉食系ヒロインって打たれ強いよね?多分


「そっか大変だね!ガンバレ!」


「おためごかしの応援なんて要らないんです!15歳にもなって彼氏が居たこともない女の苦悩なんて、トーイみたいな将来のある若い子には分からないですよ!」


 へ〜ソニア15歳なんだ。15であの胸か……てかケニーさん15歳で結婚って早いな!異世界ってそんなもんなんか?

 あと俺も若く見られてるっぽいし、これは訂正しとくか。


「あの〜、俺17歳なんですけど……」


「嘘です!」


「いや、ホントに17なんだって」


「さっき学生って言ってました!17で学生ってどんだけいいとこの坊っちゃんなんですか!あと見た目が幼すぎ「見た目に関してはお前が言うな!」ごめんなさい……」


 ちょっとキツく言い過ぎたか?ソニアがシュンとしてる。まあいいや……


「ウチの故郷では17歳はまだ子供扱いなんだ、それに事情が無ければ大体22歳くらいまでは学生でいる人が多いな」


 ソニアがポカンとした顔をしているな、これがカルチャーショックってやつか……


「22歳ってもういい大人じゃないですか……そんな歳まで学生でいてなにするんですか?」


 その質問は非常に危険だ!大概の大学生はちゃんと勉学に打ち込んでいると信じているが、何故かそうだとハッキリ口にできない……何故だ?


「ハッハッハ、俺はまだ17歳なのでその質問には答えられないな」


「しかも17歳が子供ってどんだけ過保護なんですか?」


「我が国の平均寿命は男性でも81歳だ」


「なんですかそれ81歳って長老ですか?」


「いや、だから平均だって。大体それくらいまで生きるってこと。だから17なんて子供子供!」


「ほえ〜平和でいいトコなんでしょうね〜」


「は?なんで?」


「だって、それだけ御長寿の方が多いって事は危険が少ない安全な場所ってことです。それに17歳を子供扱いできるってことは、しっかりと大人で社会を回しているということですよね」


 なるほど……そういう考え方が出来るのか……ちょっと恥ずかしいな……



「ということで俺は17歳!」


「認められません!」


「なんでだよ!?どうやったら認めんの?」


「私と付き合ってください!」


「分かったよ!それで認めんだな?……ん?なんて?」


 聞き間違いか?なんか付き合ってくれとか言ってなかった?


「今、分かったって言いましたよね?言質取りましたよ?よっしこれで私も彼氏持ち!メグちゃんのマウントを回避できる!」


 ちなみに「メグ」って「マーガレット」の愛称だね。異世界こっちでもそうなんだ……てかマウントって、


「何勝手なこと言ってんだ!」


「分かったって言いましたー!言ったもん!だから私と付き合うのー!」


「分かった、ちょっと落ち着け。冷静に話し合おう」


 とりあえずソニアこいつが何言ってんのか、どうしたいのか聞いてみよう……相手はこんなんでも年下の女の子だ無下にはできない。


「ソニアは俺と付き合いたいのか?」


「はい!そう言ってますよね?」


「何で急に?」


「トーイが私より年上って分かりましたし……やっぱり年下の未成年はちょっとねぇ?」


 どうもこの世界の成人は15歳みたいだな、それならケニーさんの結婚も早いとは言えないのか?いや早いか……それに微妙に答えになってないし。


「どういうことだよ?」


「女の子にそれを言わせますか……カッコいいのにそういうとこは鈍感ですね」


 今何て言った?誰がカッコいいって?平凡オブ平凡、日本中の高2男子の中で顔面推定偏差値50のこの俺がカッコいい?もしかしてゴブリンくんと聞き間違えたか?


「誰がカッコいいって?俺じゃないよね?ゴブリンくん?」


「何でゴブリンがカッコいいんですか!え?もしかして無自覚系ですか?それも良い……私色に染めて……じゅるり……あっヨダレが。いけないいけないシッカリと口説かないと……こんなチャンス滅多にないんだから!」


 どうもゴブリンくんではなかったらしい、では消去法で俺ということになる……


「トーイに一目惚れしました!でも年下だと思ってたので諦めてました……それで年上だと分かったら、居ても立っても居られなくなって」


「はあ……」


「私と結婚を前提に付き合ってください!」


「お断りします」


「えーーーー!?」









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