第5話 自己紹介で1話使い切るスタイル
目が覚めたら後頭部がなんか柔らかい、見上げると双丘の先に心配そうにこちらを覗き込む眼がある。
「あっ目が覚めました?大丈夫ですか吐き気とか有りませんか?」
「あっはい、大丈夫だと思います」
「立てますか?」
あっやっぱりこのまま太ももを堪能させてはくれないかー、残念だけどしかたないまた暴れられたら難儀だし……
「はい大丈夫、立てます。ふぅ、めまいも吐き気もないですね。ありがとうございます」
慣れない敬語を使って謝意を伝える。彼女は俺が気絶している間に着替えたのか服を着ている。チッ
「さっきはすみませんでした!助けていただいた方にとんでもない事しちゃいました……」
立ち上がってホントに申し訳無さそうに上体を90度に曲げて謝罪する。
「いやーあれは怖かったですね〜」
「あぅ、すみません……」
「ははは、嘘ですごめんなさい大丈夫ですよ?あんなの見られたら平静ではいられませんよね〜」
「あぅぅ……忘れてください」
あれを忘れるなんてとんでもない!一生の思い出にしますとも!言わないけど……
「分かりました忘れますね(嘘です)。だからあなたもさっきの蛮行は忘れてくださいね?」
「蛮行って……でもいきなりストンって倒れられたので、殺しちゃったかと思って心配しました」
縁起でもないな……しかしこんな女の子に、普通に殺しちゃったとか物騒なこと言われるのも違和感あるな。やっぱりワイバーンさんやゴブリンくんなんかが居る世界だから、殺し殺されって当たり前なのかな?
お互いにいろいろと忘れたりすることを約束して、改めて自己紹介することになった。
「私は「ソニア」っていいます。カレントの街で見習いシスターをやってます。よろしくお願いします」
「これはご丁寧にありがとうございます。俺……いえ僕は「
こんな説明を信じてくれるかな?まあ信じてくれなかったら冗談ということにしてごまかそう……
「トーイさんですか。しかしそれは難儀しましたね……大丈夫ですよ?助けていただいたご恩返しに故郷に帰る方法を一緒に探しましょう」
信じたよ……ありがたいけど大丈夫か?変なやつに騙されたりしないか不安になるな。
「ありがとうございますソニアさん。それでえーとカレントの街ってここから近いんですかね?」
「ソニアで良いですよ?あと敬語も不要です」
「そうですか……いや、そう?ありがとう。ならソニアも敬語いらないよ?」
「ありがとうございます、でもこの話し方で慣れちゃってるんですよね〜。では名前だけ、トーイよろしくね♪」
自己紹介も済んだので改めて質問をする、
「それで、そのカレントの街ってここから近いの?」
「そうですね〜微妙に遠いですよ?ここから半日位はかかります」
結構あるな……ソニアはなんでこんなところに来たんだろう。まあそのおかげでなんとか人里に行けるからありがたいけどね。
「私はこの湖に旅立ちの儀式に来たんですよ」
「旅立ちの儀式?」
「はい、といってもそんな大仰な事をするわけではなくて、ただこの湖で身を清めるだけですけどね」
「へー身を清めるねー。なるほど、だから……」
あんな姿で水浴びしていたと……
ついつい舐めるようにソニアの全身を見てしまったのがバレたのか、半身になり腕で胸を隠して俺の視線から逃れるようにする。
「トーイって結構スケベさんですか?」
「えっ?なんのこと?それより旅立ちって事はカレントの街を離れるの?」
「もう!ごまかして!でもそうですねそのための儀式だったんですが失敗しちゃいました」
「ああゴブリンくん達に襲われたから?」
「くん?まあそうですね……また日を改めて来なくちゃ」
あれ?日を改めて来るの?
「明日まで待って儀式して帰ったら駄目なん?」
「儀式には適した日があって、神父さまが星を読んで決めてくれるんです」
「ほうほう、なるほど。なのでまた改めて来なきゃいけないと。大変だね?」
「まあ仕方ありません……さてと、今から帰っても閉門に間に合いませんので夜営の準備をします。手伝ってもらっていいですか?」
「夜営?」
「そうです、手伝ってくれたらごはんもご馳走しちゃいますよ?」
「ごはん!!」
◇◆◇◆◇◆
お読みいただきありがとうございます。
やっと主人公の名前を出せました!
でも自己紹介で1話使いました!
展開遅いな〜、まあのんびりやりましょう!
次回も読んでいただけると嬉しいです。
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