第4話 第1異世界人発見!
「キャーーー!」
絹を裂くような女性の悲鳴が聞こえてきた。結構近いぞ!どっちだ?
「いやーーー!」
「こっちか!」声のした方に走り出した。あれ?なんか違和感を感じるんだけど……まあいいや今は緊急事態だ、あの悲鳴はただ事じゃない!
「どうした!なにがあった!?」
悲鳴のした場所に到着、湖を背にした女の子と対峙した格好でその子を威嚇しているのは、全体的に薄汚れた人間の子供くらいの体格の奴が2体……こいつらもファンタジーでは有名人?だなゴブリンくんだ!
女の子にゴブリンくんの組み合わせは薄い本になってしまう!危険が危ない!全力阻止だ!
走るスピードを緩めずに接近、未だに捨てずに持っていた教科書とノート満載の鞄を振りかぶって、走るスピードと鞄の重さと俺の腕力を乗せた一撃を側頭部に叩きつける。ホームラン!
「グギャ!ギーーー!」……ドボン
カバンストラッシュ(俺命名)を喰らったゴブリンくん A は女の子を飛び越えて背後の湖へダイブ。うつ伏せでプカプカ浮いてる。あっ殺っちゃった……てか飛び過ぎじゃね?
「グギャ?ギャギャ?ギョギギャー」
仲間があっさりふっ飛ばされたのを見て怖気づいたのか、ゴブリンくん B は脇目も振らず逃げ出した。
「ふぅ〜逃げてくれたかぁ」
「助かった?良かったです……」
今、この子の言った言葉が理解出来たよな?よし、なんとか言葉が通じないという最悪の事態は回避出来た!
「大丈夫でし……た……か?」
女の子の方に振り向きながら声を掛けると、そこには一糸纏わぬ姿の美少女が居た……
襲われるまで水浴びでもしていたのか、全身を濡らしており。水滴を弾くキメ細かい肌が露わになっていた。
濡れた髪を両サイドから前に流して胸の尖端を……じゃなかった先端を隠しているが十分に育ったバストを全ては隠しきれていなかった。
そこから目線を下にやると縊れた腰と程よい太さの太もも、下着は履いておらず片手でかろうじて隠している状態。
つまり大変えっちぃお姿でお立ちになっておられます。「ゴクリ」あっ生唾飲んじゃった。ちなみに片手に棒切れを持っておりそれでゴブリンくん達から身を守っていた模様。
「はい、危ないところを助けていただきありがとうございま……す……」
お礼の言葉を言おうとしていたが、俺の目の動きと飲んだ生唾で自分がどういう格好をしているのか思い至ったのか、全身を硬直させて顔を紅潮させ……
「い……」
「い?」
「いやーーー!見ないでーーーー!!」
手に持ってた棒切れを滅多矢鱈に振り回し始めた。
「うわぁ、危ない!危ないって!」
「避けないでください!」
「無茶言わないでくれ!」
あれ何でだろう?凶器で攻撃されてるのに上手く避けられてる……そういえばさっきから俺変だよな?悲鳴を聞いてからここに来るまでのスピードも何気に速かったし、ゴブリンくんを殴り飛ばしたときもえらいパワーが出てた……
もしかして
これはもしかしてチートか?俺Tueeなのか?
「避ーけーなーいーでー!!」
「だから無茶言うな!あっ……」
彼女の振り回していた棒切れが計ったように俺のアゴ先にヒットする……そうなるとどうなるかは漫画とかアニメとかでよく知ってるよ!ハイ意識がトビますね。
くそっせっかく人と会えたのに、このチャンスをラッキースケベで潰すのか……でも悔いはない……良いもん見れた……
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