第3話 ここって異世界じゃね?
月がいつの間にか2つになってた?そんなニュースあったか?ニュースサイトなんか普段見ないから知らねーよ!
「コメリカのNASUが要らんことした?それとも北か?北がついにやらかしたか?」
いやいや、さすがにそのレベルのニュースなら、普段ニュース見ない俺でもどっかでニュースを目にしただろう。そんなの見てねぇし、聞いてもねぇから昨日以前に月が割れたってことはないはずだ……つーか月が割れたってなんだよ。笑っちまうわ!
それにあの月両方ともしっかり丸いんだよなぁ、割れた感じがない。最初っから2つありましたって感じ?ということは……
「そんな……まさかね……ありえないだろ」
俺だって今どきのチョイオタの高校生だよ?だから嗜み程度にはそういうものを読んだり観たりする機会があるにはある。
「でも、ここがそうだとは……ねぇ?」
信じられるか?ラノベやカク◯ムとかな◯うじゃないんだぞ?
「認めねぇよ、ここがそうだとはぜってぇ認めねぇ」
認めてしまったら、俺の中の常識がガラガラと音を立てて崩れてしまう。
「寝る!寝て起きたら現実に戻ってるはずだから!」
現実から逃げるように、大きめの木にもたれて眠りにつく……さっきまで感じていた寒さも感じなくなっていた。
日差しが顔に当たって目が覚める。ふぁ~よく寝た……何だかんだとしっかり眠れたってことは俺って結構図太いのかね?
さてと、寝て起きたわけだけど、周囲の状況はなにか変わっているのかな?って変わってないや……
昨夜は取り乱したけど、ここがそうだろうと違うかろうと、とりあえず水場を探さないといけない。昨日から水も飲んでいない……そろそろヤバイ気がする。
「腹減ったし喉乾いたし最悪だな……」
木の根に足を取られながら1時間ほど歩いて川を発見!やっと水が飲める!
「みっずだーー!」
「かーっ!うめーー!こんなに水が美味いの生まれて初めてだーーー!」
ふー生き返ったー!水が飲めないのがこんなにキツイとは……貴重な経験だったな、経験したくなかったけどな!
こうなると空腹も満たしたいけど、食べられるものを見分ける知識なんて持ってない。毒とか食いたくないからそこら辺のものは食べないほうが吉だよな……
飲み水さえあれば数日は生きていける……あとはこの川を下っていけば道に当たるだろ。そうして生き残れる希望を見つけたとき、上空からその鳴き声が聞こえてきた。
「グワッァァァ!」
茫然自失……そいつは初めて見る生き物だったけど、どういう名前かよく知っていた……
「ワイバーン?嘘だろ……」
そう、そいつは数多のファンタジー小説などで、序盤の中ボスだったり唐揚げの材料だったりする空飛ぶ爬虫類ワイバーンさんだった……
「あーこれはもう誤魔化せないな……ここ異世界だわ。ありがとうございます」
ついに認めるしかない証拠が圧倒的な存在感を持って俺に迫る……っえ?俺に迫る?やべぇロック・オンされてる!
慌てて森の中に飛び込んだあと、さっきまで俺がいた辺りにワイバーンさんが突撃!そのままフライアゲインそして空域離脱。えーと……何だったんだ?
「初手突撃ってワイバーンさん好戦的だな……」
なんとか寸前で回避出来て良かった……
とにかくここを離れよう……ちょうどワイバーンさんは上流方向へ行かれたので、当初の予定通り下流を目指そう……
周囲だけじゃなくて上空も警戒しながら歩くのは大変疲れます。でも今回は距離があったからワイバーンさんを躱せたけど、直前まで気付かなかったらあの突撃は躱せない……
ここが異世界なのは遺憾ながら認めることも吝かではない、認めたくないけどな!……ふぅ、
ここが異世界だとしても当面やることは変わらない、川を下って人里を目指す!
「でも……人居ても話出来るのかね?こちとら英語すらままならないぞ?」
まぁいいや……なんか面倒いし出会ってから考えよう。少し投げやりに考え始めた時……
「キャーーー!」
絹を裂くような女性の悲鳴が聞こえてきた。
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