材料探しの旅へ!!
俺の不眠が一晩ごとに酷くなるのはさておき、
「魔法陣に必要な材料を探しに行くぞ。」
俺はそう言い、ミスリにスマホの画面を見せる。
画面には材料表を表示させている。
「どれどれ…」
読んでいくにつれ顔がぽかーんとしていく。
「兄さん…これは無理だよ!!」
ミスリがこんなことを言うのもわかる。
わからない読者諸君に説明すると…
1.龍の爪_龍自体を見ることがなく、更には龍は短気で、爪などくれるはずがなく、ほぼ無理と言っても過言ではない。
2.妖精の羽_妖精はとある森にしか出現する、可愛らしい小さな女の子だ。一年に一回の羽交換までに待たないと貰えないものだ。ちなみに今の時期は羽交換の季節の真逆の季節だ。
3.魚人の鱗_魚人はとてもおっとりして、上2つと比べれば出現率も高い。だが、鱗は命の次に大事なものという認識なので、簡単にくれるはずがなく、深海に潜って岩の隙間に時々落ちているのを拾ったほうが現実的。
人生で一回でも見ればラッキーくらいの強者たちの材料だ。
「んなことわかってるけど…。目標に必要なもn」
「目標目標って…そんなに大事?」
「目標を達成して死にたいんだ。勿論ミスリの目標も。だからさっさと目標を達成して肩の荷をおろしたい…ってのが本音」
「…あっそ。」
プイとそっぽを向き、満面の笑顔を浮かべていたずらっ子のような笑い声を上げてこちらを振り返ってこう言った。
「兄さんはバカだからとんでもなく天才なこの僕がついていってあげよう!!」
俺はどうしようもないエルフにため息を吐いて
「…おいていかれるなよ」
「もちのろん!!」
人類一桁の世界でスキルを使って生き延びます! 美澪久瑠 @mireikuru
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