第27話


 学生の“進路先“は、主に3つの進路に分かれている。



 1つは外交関係。


 これは国際的な軍事支援や傭兵としての特殊技能取得者にあたる業務が一般的で、スイスが主導として行う貿易や商取引に関与することが多い。



 2つ目が金融関係。


 スイスは永世中立国家としての地位を確保しており、スイスに流通している『スイス・フラン』は、国際社会における永世中立国スイスの地位により、世界で最も安定した国際通貨として知られている。


 戦争などの有事や金融危機などの際には、日本円などと共に「安全資産」「避難貨」とも呼ばれ、フラン相場が上昇する。


 外国為替市場における取引量は、米ドル・ユーロ・日本円・英ポンドに次ぐ取引規模を有し、また国際決済通貨のひとつであるため、自国の通貨が不安定な国家では、世界との貿易に、米ドルに代わってスイス・フランが使われることも多い。


 スイスの大手金融グループUBSはクレディ・スイスの買収完了を内外の新聞に書簡で公表した。クレディ・スイスは独立した金融機関としての167年の歴史に幕を閉じた。2008年の金融危機以降で最大規模の銀行合併となり、ウェルスマネジメント主体の巨大金融機関がスイスに誕生した。

 

 資金洗浄の撲滅やテロ資金源対策、金融市場の安定を図るなど、税の取り扱いに関するグローバルスタンダードへの転換を行う中で、私たちもその市場整備の一端を担っている。



 そして3つ目が、建設や製造、農林水産などの産業関係だ。


 私たちの暮らしに必要な電気やガス、水道などの設備もこれらに含まれる。


 元々私たちが島に移り住む前から、バラムにはダジルやパラメキアと呼ばれるコミューンが存在した。


 航空や鉄道はすでに整備されており、私たちが島の住人として移り住むことになった際には、街の改革に伴う反対運動も起きた。


 けど、今となってはお互いに協力関係にあり、島の経済的な発展に向けて、学園が主体となった様々な取り組みが行われるようになっている。


 もっとも、イレギュラーに対する人種的な差別は、相変わらず…って感じだが。

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