登場人物紹介① 【水崎葵】

第18話



 ヴァレッタ学園理工学部普通科の第24期生。


 勝気な性格で好戦的。


 生まれながらに「イレギュラー」としての能力に顕現した過去を持ち、他の候補生や訓練生からは“天才肌”と呼ばれている。


 しかし恵まれた才能を持つ反面、昔から何でもできてしまう器用な性格から、真面目に勉強に励まないといった側面もある。


 後輩からよく慕われ、社交的で明るい性格のおかげもあり、学校生活には苦労していない様子。


 担任の長松からはちょくちょく職員室に呼び出され、生徒指導室で居残りをしていることもよくあるが、そのどれもが周りへの手助けから生じた間接的な非行への処遇である。


 恋愛感情には疎く、クラスの恋バナには基本興味が無い。


 というか大の男嫌い。


 理由は諸説あるが、子供の頃に同じクラスだった西園寺リョウと殴り合いの喧嘩になり、それ以来喧嘩が強いことが能力者としての価値であると息巻いている男子たちが鬱陶しくなった。


 ただし6つ上の兄貴分、特務連帯所属の「ロックス・クロフォード」には家族のような信頼感を寄せている。


 学園都市に住む生徒たちはそのほとんどが学生寮での生活を行うが、葵は元々内気な性格で、幼い頃は学園都市郊外の養成所、『星の家』に移り住んでいた。


 その施設で出会ったクロフォードに様々なことを教わり、とくに戦闘面での能力の訓練や、語学の勉強などの基礎を教わった。


 葵の一番好きな料理はクロフォードの作ったオムライス。


 通称クロライス。


 彼女は彼のことをクロ兄と呼んでいるが、将来彼のような立派な「卒業生」になりたいと夢見ている。


 現在は学園都市『バラム』の第17街区ヴァレッタ学園領に所属していて、クラスメイトのフレンと三ツ橋アカネの3人組で、楽しい学園生活を送っている。


 来年度に実施される特殊傭兵部隊(エリート)の入隊資格権を賭けた受験に向けて、日々、勉強に勤しみ。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【主な技一覧】



・重力弾(グラビティボール)…重力によって質量を高圧縮した物質を生成し、それを弾丸のように飛ばす。射程距離は大きさによってばらつきがあるが、約数百mの距離までは射程圏内としている。弾の大きさが小さければ小さいほど貫通力と発射速度が高まるが、範囲を大きくして命中率と精度を上げることも可能。ただし飛距離は落ちる。直径20センチ程度の重力弾が、今の所威力と精度を両立できる数値となっている。



・重力泡(グラビティボム)…重力弾と違い、質量の密度と物質の重量を一時的に増幅させる重力波の泡を形成する。精度があまりよくなく、使用条件にも限られるが、この重力泡と接触した物質は空気もろとも何倍もの重力に襲われ、重力へと働く方向へと押しつぶされる。質量との接触までの距離が長くなればなるほど威力が増し、かつ通過範囲の物質質量を加算しながら進行していくため、最終的にこの攻撃を食らった対象は、“重力泡が通過し接触した全ての物質の質量と重量の数値に収束される”。レザックとの戦いで地面が変形したのは、重力泡の球状の面積に沿って成長した物質同士の重量が結合=破裂したからであり、増幅した物体間のエネルギーが球形に爆発したからでもある。泡が破裂するまでの距離は約数十m。範囲を絞ればその限りではないが、いかんせん命中精度が悪い。※泡への物質的な干渉によって早期起爆することも可能



・重力壁(グラビティウォール)…別名断空。自身の周りに重力圏の壁を作り、外部からの物理的な接触を遮断する技。質量を持つものは基本的にこの壁を通過できないが(進入角度や速度によっては貫通可能)、光や質量の小さい原子などの素粒子に関しては、この壁を通過することが可能。例えば水平の位置からピストルをこの壁に向かって打てば、壁を通過することなく地面へと落下する。懐中電灯などを壁に向かって照らせば、光が屈折することなく通過できる。このように、対象によっては有効な防御力を誇る。電磁気力を利用した攻撃などには、時々一泡吹かせられる場面もあるが。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る