第3話


 さって、準備すっかねー


 今日の演習相手は誰だろうか?


 この前はお腹が痛かったのもそうだけど、単純に相性が悪かった。


 壁(リフレクター)とかいう受け身タイプのゴリラだった。


 物理攻撃が全く効かないし、仕方ないから室内で使用禁止の「重力弾(グラビティボール)」をぶつけてやろうとしたんだ。


 まさか弾かれると思わないじゃん?


 弾いたのはアイツなんだから私が失格になる理由がわからない。


 負けが込むと後期の授業に響くんだから勘弁してくれって思う。


 今日は絶対勝たなきゃなー


 えーっと、『ビショップ』の誰だ…?


 “Lenny(レニー)“


 フロアに掲示されてる電子パネルにそう書いてあった。


 誰だ…?


 絶対ニックネームでしょ。


 登録名簿に自分のあだ名を載せるやつがたくさんいるが、フルネームで書けよって毎回思う。


 演習自体は直前まで対戦相手の情報が開示されないが、入場間際に名前が発表されるから、そこで予測できる。


 けどニックネームじゃわかんないよ。


 こっちはフルネームで書いてるのに。



 「演習の準備ができましたので、エントリーNo.14の生徒は該当フロアに来てください」



 私の名前がアナウンスされる。


 軽く準備体操して、演習場に向かった。


 演習場は全部で12フロアあって、それぞれ広さと地形が異なる。


 今日のフロアは8。


 学園の外に、各フロアが建設してある。


 全てドーム型で、屋根は開閉式だ。


 ドームの中は観客席まで設置してあり、観客席を除くフィールドの直径は、それぞれ200mくらい。


 ワープポータルを利用してエリアに移った。


 ”Lenny(レニー)“はすでに入場してた。


 向かい側にある、選手用のベンチに腰掛け。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る