第3話 学校での日常





 スッ

 


 俺は学校に着き自分のクラス【2-D】に入ると自分の席についた。川島は隣のクラスだ






 ガヤガヤ






 周りは相変わらず騒がしい



 「」スッ スッ




 俺は席につくとゲームを始めようとしたが……




 「もしもしテツくーん?君は朝から何をしようとしてんのかなぁ〜?」



 

 この声に邪魔された




 「何だよ水瀬(みなせ)」





 この少し甲高い丁度いい声を掛けて来たのは黒髪のポニーテールで凛として引き締まった体型をし、ザ・体育会を思わせる人物、



 水瀬由花(みなせゆいか)



 俺の数少ない幼稚園児からの幼馴染の1人だ


 



 水瀬「何って何?ただの質問だけど?」



 「ゲームしようとしてる。はい、帰った帰った」



 水瀬「冷たくない?まぁいいや……後、一つ言いたいことがあるんだけど」



 「何?」



 水瀬「その制服の腕についてる白いのは何?」



 「ん?…………おぁ!」




 気づかなかった……歯磨き粉がべったりくっついていた



 


 




 










 それから、午前の授業が終わり昼休みになった





 「お前な、知ってたんだったら言えや」



 川島「いや、マジであれは笑いそうになったわ(笑)」



 調月「俺も見たかったわー、テツって見た目に反して馬鹿だもんな」



 「うっせ!!」



 俺は川島とケン(調月健太)と食堂に向かっていた。大体はこの3人で飯を食べることが多い。後、歯磨き粉の件は朝、俺が川島とあった時から知ってたらしい。



 「そういや数学の時間、お前寿也とポーカーしてたよな」



 ケン「えっ、だってつまんねーんだもん。吉原【数学の教師】の授業は何でも出来るんだからやらないだけ損だろ?」

  

 

 川島「まぁ、中澤も吉原の時間中、株の取引してたよ」



 ケン「ナカちゃんは俺たちより次元が数段上だからな」



 

 この中で出てきた名前を整理すると、一井こと、一井寿也。は俺とケンと同じクラスのサッカー部だ。ケンと並んでのトラブルメーカーだ


 そして中澤樹(なかざわいつき)は川島と同じクラスの天才だ。俺はあまり関わりはないが数学オリンピック優勝とか5ヶ国語が話せるとかなんとか………そんな噂がある。少なくとも東大理Ⅲを目指せる程の実力者らしい。何故、うちの学校に来たのかは分からない



 あー、そうだそうだ……うちの学校の説明をしてなかった。俺の通ってる学校、公立【政法高校】は偏差値70ないくらいの進学校だ(多分、ギリ自称か自称じゃないかの瀬戸際)。大学進学実績は3,4割ぐらいが最難関国立、最難関私立、医学部に行く。そして、大体が難関私立大学や地方国立大学に落ち着く。で、部活の強豪校でもある。特にフェンシング部と剣道部、サッカー部が全国常連だ。野球部も甲子園出場まで後、2,3歩と……他の部活もいろいろ実績を残してる



 やはり、この環境【だけ】で自分がただの一般庶民だとつくづく思い知らされる



 上には上がいる



 この学校より上だろうと下だろうと関係ない…



 俺みたいなのが【あの子】と釣り合うのか?








 調月「テツ?何、俯いてんの?」




 食堂に着いて券売機前に並んでる時、俺の顔を見たケンが言ってきた




 「何でもねーよ」




 俺は話を逸らした









 













 水瀬「肘にべったり歯磨き粉つけていて、朝からもう爆笑」クスクス



 元宮「ふふっ、可愛い」




 水瀬は元宮と一緒に学生ホールで昼ご飯を食べていた



 元宮も俺や水瀬、ケンと幼馴染だ








 で、俺が好きな子でもある…





 水瀬「テツって、見た目に反してほんとおっちょこちょい過ぎだよね」



 元宮「でも、そこが哲也君のいいとこでもあるけどね」



 水瀬「ま〜ね、なんて言うか……愛されキャラって感じ?」



 元宮「そうそう、ゆるキャラみたいなね」クス



 水瀬「えっ……あいつがゆるキャラ……気持ち悪っ」



 元宮「そっ、そんなことないでしょ!」



 水瀬「あんな根暗で他人がデスゲームに仕掛けられてる場面に遭遇しても見向きもしなさそうな奴がご当地キャラじゃあ、その街の資産も上がったりっしょ(笑)」







 ピクっ



 川島「どした?」ズルルル【→ラーメンを食べてる】



 「なんか、すげぇムカついた」


 

 ケン「いきなりだな」モグモグ



 「おい、俺のカツを取るな」












 元宮「ユイも相変わらず思ったことバシバシ言うよね……」



 水瀬「それが私の長所ですからっ」



 元宮「……………」



 プニィ



 元宮「ふぁっ!?」



 水瀬「ほら、そんなくらい顔しないの」




 水瀬は元宮の頬をつまんだ




 水瀬「可愛いお顔が台無しだぞ?」



 元宮「………ごめん……」



 水瀬「…………全く、【まぁちゃん】は【こいつ】の話になるといつも急に俯くよね」



 元宮「だ、だって……」



 水瀬「いいよ、分かってるから♡」ニヤリ



 元宮「うっ……」



 水瀬「だから言ってんじゃん、早く【言っちゃえ】って」



 元宮「でも……」



 水瀬「………






      私が取っちゃってもいいの?」




 元宮「!?」



 水瀬「私がアイツに思いを告げ……






 元宮「ダメ!!!!」ガタッ!!!







 生徒1「え、何?」



 生徒2「どうしたんだ?」



 生徒3「錯乱してるのか?」






 元宮の大声に他にいた生徒達は少し騒めいた





 元宮「………///」スッ



 水瀬「ご、ごめんごめん……冗談が過ぎたね…」



 元宮「で、でも今の話はほんと?」



 水瀬「違う違う、少しからかっちゃっただけ。私はアンタの恋を応援してるよ」



 元宮「そうだよね、だってユイにも【好きな人】がいるもんね」



 水瀬「言うな」



 元宮「でも、本当に私は大丈夫なのかな……」



 水瀬「何が?」







 元宮「テツくんに思いを告げられる……かな……」






 水瀬「大丈夫だよ……私は絶対上手くいくって信じてるから」ニッ



 元宮「ありがとう………」ニコ



 


 









 「この後、体育だっけ?」



 ケン「何だよ何だよ〜、元宮の体操着姿を見て〜の?」ニッ



 「ちげぇよ!!」

 









 続

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