第15話 思いもよらなかった汚点


 思いもよらない魔法を手に入れた事で数日のずれはでたものの、予定通り僕らは二人でお出かけすることとなり食べ歩きデートを楽しんだ。

 普通に食べていても日に日に痩せていくのをお互い実感しているので気にせず好きなだけ食べ歩けて、町並みも見て回れたのでとても有意義な一日を過ごせた。


 最後にレイヒムの薬屋に寄ったのだが、その時の雑談で驚くべき話を聞かされた。


『そんなに貧民の事を考えてくれているのになんで孤児院への支援は止めているんですか?』


 そう問われた時、僕は言葉を失った。

 リーエルなど『どういうことですか!?』と声を荒げたほどに予想外の言葉だった。


 そのまま彼に案内して貰い、孤児院へとやって来てみれば本当に酷いものだった。

 衣服はそこまでではないが、やせ細った子供たち。

 大人は一人。若い女性の院長だけ。彼女も不健康そうにやせ細っていた。

 ちょっとやそっとの絶食じゃならない程に骨がむき出しになった姿に強い痛々しさを感じる。


 これは真偽を確かめるまでもない、と謝罪と共に当面の生活費を渡し事情を聴取した。


 お金が支払われていた時はいつも衛兵が持ってきてくれていたらしいが、突然支援が打ち切りとなったと言われ、当時の院長は次の月には逃げ、もう一人もその次の月には居なくなったと言う。


 それから三年。実費を切ったり周囲の助けを得たりでやってきたが、三十人以上いる子供たちをまともに食べさせるには至らず、今に至ると語った。

 領主家からは金が出ていたが衛兵が横領していたのだろう、と現在衛兵の横領事件について取り調べをしていると話せば彼女は泣きながら歯を食いしばって聞いていた。


 これまでの給金の支払いと苦難の中で子供たちを助けた功績への褒美を出す事を約束し、これからは領主家の人間に届けさせると約束し孤児院を後にしたのだが、それでも後味の悪い事この上なかった。


 当然だ。

 衛兵は領主が雇い任命した組織。

 僕たちにも監督責任というものがある。


 これはハインフィード家の失態なのである。

 衛兵の弛み具合は昔から。家令が家を牛耳っていたことを考えても先代当主の適当さが招いた事態だが、それでも三年ほど領主を務めたリーエルにとっては自責の念に堪えないだろう。


「孤児の子供たちって、あんなに居たんですね……」

「いや、正確にはもっと居るだろうね。ここは生強なまじ高品質素材が出回る。

 それに引っ張られハンターが要求される技量も高くなるから、特に死に易い筈だ」


 デートの余韻など完全に吹き飛ばされて、馬車の中ぽつりぽつりと静かに言葉を交わす。


「どうしてあんな非道な行いを平然とできるのでしょうか……」

「さあね。そういう相手を理解したいとも思わなかったから」


 僕も孤児院の状況には大きく感情を揺さぶられ不快感を隠せなかった。

 仏頂面を見せていたからか「失望、されましたか……?」と青い顔で問うリーエル。


「やめてよ。僕だって人任せで調べさせ、知ろうともしなかった。

 発覚は偶然だったでしょ。今日二人で町に出たのだって遊ぶ為だよ?」


「これから知って二人で直していけばいいよ」と真っ直ぐ告げると彼女は小さく「ありがとうございます」と返すが表情は暗いまま。


 僕自身それをすれば許されるみたいな発言をするのは心苦しい。

 もうどうしようも無い話だが、僕らが気付くのが遅れた分彼らが辛い生活を強いられたのだ。

 もし院長が残ってくれていなかったらと考えるとゾッとする。


 けどリーエルに対しての憤りなど持っていないのにな……

 いや、僕も暗い顔をしているのだから暗くなるのは当然か。


 先ずは僕が気持ちを切り替えないと……


 そう思って大きく息を吐き「よし! 反省はここまでだ!」と彼女に強く告げる。


「えっ……?」と困惑した顔を見せる彼女に捲くし立てる。


「下を向いていても物事は好転しない。

 孤児も貧民も、僕らの力で良い暮らしに変えられる様にすればいい。

 その為には大勢が金を稼げる仕組みを作り上げる必要がある」


「その為に、全力で動くよ」と強い視線を突きつければ彼女の目にも火が灯る。


「わかりました! 街道の舗装事業の立ち上げを全力で急がせます!」

「ああ! 僕も薬の製造事業を立ち上げて、早期に町の薬屋に卸せる様にする!」


 立ち上げる商会の儲けは少しでも多く出したいが、貧民を救う為でも町から仕事を奪っては立場を入れ替えるだけ。そうなれば薬屋から無駄に恨みを買うだけに終わる。

 だから効能の上がった薬を多少安価で薬屋に卸す必要がある。


「あのう、あの魔法は研究からなのではないのですか?

 確か魔道具にすると仰っていたような……」

「うん。当初の予定より方向性はだいぶ変わったけど、ある程度は終わらせてあるよ。

 依頼した魔道具で作った瓶で何日持つか次第で物の価値が大きく変わってくるからそこら辺はまだだけど……」


 そう。依頼したのは瓶を作る魔道具。

 制作過程で魔力を遮断する素材を混ぜ、薬草に溜め込んだ魔法を封じ込めるという寸法だ。

 その実験は済ませないと魔道具の製作依頼を出せないので、実用可能かを知る程度には終わらせてある。

 たった一日なのでまだ確実とは言えないけど有効時間が伸びることは己の身で実証している。

 瓶ではなく魔力を遮断する箱に入れただけだが、それでも違いは見て取れた。


 手の平を軽く切った程度の傷だが、ルンもリーエルも怒るだろうから一人でやらせて貰ったのだ。


「もうそこまで……」と驚く彼女。流石にレイヒムに教わった魔法が有用過ぎただけだ。


 面白そうな魔法に興奮して気が急いていたから早々と確認したんだよ、と告げる。


 そうした説明をしながらも「潰した商会の倉庫をそのまま使おうと思うけどいいかな」と、実行に向けての会議を馬車の中で行う。


「ええ。勿論です。その様に書類を作っておきます。他も必要なら一言仰ってくだされば」

「なら次は魔道具完成を待ち、品質を調べることだけど待ち時間ばかりの作業になるね。

 もどかしいな。急ぎ足でやりたいのに。薬の効能を調べないと売りには出せないし……」


 売れるレベルなのはもう確定しているが魔法を掛けて魔力の漏れない瓶に入れ、どれだけの間効能を保つのかを調べる必要がある。

 それによって売値も大きく変われば運用方法も変わってくる。


 魔法そのものを魔道具に落とし込み薬屋に配るなら直ぐに出来るが、魔法技術を盗まれては堪らないし、働き口の大幅な増加にも繋がらないので意味が無いので方向転換は正しいのだが、掛かる時間がもどかしい。


「とはいえ、事を急いては仕損じるとも言うからね。

 はぁ……全く、自分の病を治す時よりも心が急くことになるとは。領地運営って大変だね」


 ふぅ……と息を吐きながらも苦笑していると「はい。正直ちょっと泣きそうです」とリーエルも悲しそうに苦笑する。

 好い顔とは言えないが、先ほどの様な諦め顔ではない事にほっとする。


「まあ僕らの汚点ではあるが、僕らの悪事ではない。

 あまり思い悩まず気持ちを切り替えて地道にやっていこう」


 自分にも言い聞かせる様に声を掛けると「はい!」と彼女は強い視線を返す。

 そうして僕らは詳細を詰める話し合いを続けハインフィード家の屋敷への帰路を進んだ。




 ハインフィードの屋敷に戻り、早速政務に携わる者たちを収集し会議の場を設けた。

 屋敷で政務に携わる主要な者たち全員だ。

 総勢三十名ほどが全員一つのテーブルに着いている。


 そうしてリーエルが『ハインフィード家のこれからの指針を決める話し合いを致しましょう』と告げて会議がスタートした。


 議題は衛兵内の腐敗をメインにし、中盤で道の舗装事業の話、終盤で僕がお抱え商会を作り町の活性化に貢献する旨を話した。


 衛兵が孤児院のお金を盗んできたことも出したが、それは聴取で出て来てなかったと声が上がった。長官たち以外の平の衛兵も捕まえてきて大半の聴取は取り終えているらしい。

 情状酌量の余地が無くなると考え黙っていたのかもしれないが、別口の可能性もゼロではない為、徹底的に調べる様にと厳命した。


 次に舗装事業の話だが、色々と罪人たちから徴収したお金が集まっていて大金貨千枚程度は即時に動かせる余力がある。

 予算を大金貨五百枚を当てることとすれば、話し合いはある程度余裕を持って行えた。

 部隊をいくつかに分け、街中へも同時に取り掛かれるだろうと言う。

 土建屋と石材屋を呼び寄せ見積もりを立てさせるところから始める様だ。


 ちなみに動かせる予算だが、僕の家から出された金は別と考えての千枚である。

 あれはハインフィード家の個人資産のものとしている。

 まあ領主なんて見栄を張る事も仕事となるからなんにでも使えてしまう。領地のお金と個人資産なんてそれほどの大差は無いのだけど。

 それでも大きな金額を動かす時は注目されるものだから、外聞の問題があるから個人資産の方が都合は良い。


 続いて僕が商会を立ち上げる話に移り変わる。

 当然、委託して商会に作らせるという話だが、ハインフィード家のお抱え商人じゃダメなのでしょうか、という疑問が飛んだ。

 既に大成している商会の方が時間短縮になるのでは、と。


 その声にリーエルから現在のお抱えとは分野が違うことや、活性化の場所が貧民街な事、僕が個人的に動かせる商会もあった方がいい事などの説明がなされる。


 そうして話し合いが終わる頃、ライアン騎士団長からの問いかけが行われた。


「あのう、もし金銭的に余裕があるなら神官を呼んで頂いたりとかはできやせんかね……?」

「いや、当然必要なら呼ぶが……何かあったのか?」


 そう問いかけるが何やら歯切れが悪い。

 言ってくれなくてはわからないよ、と視線を強めると事情を話してくれた。


「ええと、過去に体を欠損した仲間の治療を頼めたら、なんて思いまして……」

「そ、それは共に戦っていた兵が領地防衛で負った傷、ということだよね?」


「ええ、まあ……」と後ろ頭を掻くライアン騎士団長。


「そ、それならもっと早く言ってよ!

 家令が横領してた金欠時ならまだしも、今なら治療するに決まってるじゃないか!」

「えっ!? あっ……そう、なので?

 ……我らもブラウンの奴に毒されていたのやもしれませんな」


 どうやら家令に領地の金をそこに割く余裕がないと突っぱね続けられていたのだそうだ。

 領主様さえ節制しているのだぞ、と。


 それで横領の件で頼んだ時、真っ赤な顔してブチキレてたのか。

 そりゃ、怒るわ……


「わかった。その件は今から詰めよう。カールを残し他の皆は仕事に戻ってくれ」


 と、指示を出した時カールが小さく首を横に振り僕は『しまった』と心の中で呟いた。


 うちの奴らに指示を出しているつもりで話を〆てしまった。

 辺境伯の威を損なわない為にもリーエルにやって貰わなければいけないことだった。


「えっと、失礼しました。僕が取り仕切る場じゃありませんね。辺境伯、お願いします」


 僕がいきなり態度を変えたからか、驚いた顔を見せるハインフィード家の面々。

 彼らに家を治めるのはリーエルであり僕の行いは彼女の領分を犯す行いだった事を説明する。

 その時、数人から疑問の声が飛ぶ。リーエルからでさえも僕ならばいいのではないかと言うが、これを続けると領主が侮られる。

 トップを蔑ろにする組織は不安定になり遠い将来を想えば第二のブラウンを生みかねない。

 これから人は新たに入ってくるのだから、と注意を入れると皆納得してくれた。


「苦手なのは知ってるから代わってあげたいけど領主のキミじゃないとダメなんだ。

 だから家の中でも人が多く集まる場所では個人じゃなく領主として対応して欲しい」

「いいえ。もう嫌だからと引き籠る様な真似は私自身したくありません。

 必要なら前に出ますわ。たとえ辛い場所であろうとも」


 彼女はそう凛とした佇まいで返し、会議の終了を皆に告げた。

 そしてカールと騎士団長、僕ら二人で場所を移して話し合いが再開される。


「リヒト様、よくお気付きになられました。

 私から口にするのはお二人のお立場に宜しくない影響が出かねませんでしたので」

「いや……流石にあれは調子に乗り過ぎていた。他家で場を取り仕切ろうとするなんて」


 そう。今回は夕食時の雑談ではなくハインフィード家の指針を決める会議。

 それをやっていいのは皇族だけだ。

 どこまで高位の貴族であっても他家の取り仕切りを断りも無しに行うなど蛮行である。


「あっ! 感じていた違和感に気付きましたわ……」とリーエルが呟き彼女に視線が向かう。


「ふふ。私はリヒト様ともう結婚したつもりになっていたのですね。

 他家の者なんて意識はとうに飛んでおりましたわ」


 彼女がそう言うとライアン騎士団長まで「然り然り」と快活に笑う。

 しかしすぐさま二人にカールから叱責が飛ぶ。


「どんなに親しくとも籍を入れるまでは一線は守られませ。

 そこをあやふやにしてしまうと他家の付け入る隙となります」と。


 そうして各々身を正した後、話が怪我により退役した軍人の治療に切り替わる。


「まさか、彼らへの年金も横領されてたりしないよね?」


 領地を守る為に散った兵の家族や体の欠損などによって退役した兵たちには年金が出ている。

 毎年支払われる遺族年金や見舞い金というやつである。

 孤児院の件で不安になりライアン騎士団長に尋ねればそこは大丈夫だと返された。

 家令も衛兵長も流石に最強の騎士団に喧嘩を売る様な真似はしなかったようだ。


 その声に安堵しつつ、話の本題に入る。


「ええと、場を移したのは理由があってね。相談させて欲しいことがあるんだ」


 と、新たに入手した魔法技術を説明した。

 それは薬草の効能を魔法で引き上げて回復力を格段に高める、というもの。

 僅かながらも再生能力すら持つ為、量を確保すれば神官を呼ぶ必要が無い。

 だが、教会の対応がどうなるのかが心配だと懸念を表した。


「いくら回復魔法が教会の専売特許とはいえ、薬なら問題無いのでは?」と、騎士団長が言うがカールがそこに待ったを掛けた。


「いえ、公になれば懸念は生まれます。利権を犯されれば何かしらの形で抗議は来るでしょう。

 自分の生活基盤を侵害されたら正当なものでも許せないと思う者は多いですから」


 カールの声にライアン騎士団長とリーエルが「なるほど」と納得の意を示す。


 秘密にするなら知っている人が少ない方がいい。だからこそ、出来るだけ少数で先にどうするのかを決めなければならない。

 秘密裏の運用か、教会の敵になる可能性を受け入れ大々的に商売をするか、を。


 僕の心内では売り出したいと思っているのだが、一応カールに尋ねておきたかった。いざという時矢面に立つライアン騎士団長にも。

 だから丁度良いとどっちが領地にとって良いかを問いかけた。


「難しいですね。売るのが薬であれば正面から神の敵と民を扇動する様な真似はできません。

 ですが、教会は世界規模の組織です。色々な所に顔が利き軍すら有しています」


 しかし、欠損を治せるほどであれば利益も莫大となりましょう、とカールは言う。


 そんな彼に教会の軍は強いのか、と問えば強いとは聞くがわからないと返された。

 カールが知らないというのも珍しいが教会の総本山は他国にあり、主だった外敵など居ない為に力を誇示する必要性が低い。

 総本山が隣接国ですらないのだから仕方ないのかもしれない。


「むぅ……力があるのは遠い異国の教会なのですしそれほど気に病む必要も無いのでは?」

「うん。結局は薬の強化版だからね。僕もそう思ってる。多少の気遣いは必要だろうけど……

 教会の回復魔法よりは大分劣るから最悪な事にはならないと踏んでいる。

 けど、予想に反して軍を挙げられた場合の事も視野には入れないとダメでしょ?」


 まあ、教会の信徒とはいえ他国の軍が入ってくることなど普通に考えれば起こりえないことだが、そうした宣戦布告みたいな発言をされるだけでも僕らの国内での立場がとても悪くなる。

 だからやるなら黙らせられる何かしらの方策が必要だと三人に告げる。


「その、リヒト様……具体的にはどのように?」

「変わらないよ。領地改革で経済力を高めて軍拡や防衛機構の強化に金を回せる様にする。

 経済力を高める過程で色々な所に根を張りたいとも思ってる。けど……それはまだ先か」


 急成長を目論むか、一進一退しながらゆっくりと進んでいくかの違いだ。

 カールも言っていたが、回復魔法が独占された世界だからこそ上手くやれば莫大な利益が見込める。これほど莫大な利益が確定している事業はそうそう無い。


 まあ、大々的にやればやるほど教会も引けなくなる。

 だからこそ有用過ぎるが我慢する事になっても仕方が無いという想いもある。


「もし厳しそうなら薬は内々で使う程度に抑えるけど?」


 こんな危険な場所にある領地だ。

 どっちに転んでも軍でも使わないなんて事はしないので切り札にはなる。

 弱い家ならまだしも国内で有数の軍事力を持つ領地。ハインフィード家の中だけで使っているなら教会も派手に仕掛けてくることは無いだろう。


 そんな話をしつつも、どうしたいと思っているのかを三人に問う。


「……私はやりたいと思います。多くの民の助けになるでしょうし」

「お嬢がそう仰るなら異論はありませんな。いざとなれば我らが蹴散らしますぞ!」

「大変難しい問題です。上手く事を進めれば遠さも相まって穏便には済みそうですが……」


 と、最後にカールが色々と懸念を語った。


 まず僕が薬を商会に卸している状態だと明かさないと、商会が危ないという事。

 だが、それを明かせば教会から無理難題を押し付けられる可能性が高く、それに応えるのか突っ撥ねるのかも大きな問題となる。

 僕が卸している、となればグランデ公爵家の方にも話が行くだろうから相談も必要となる。

 後は国にも販売を止める様にと教会から話が行くはずだと言う。

 その時の国の判断がハインフィード家を守る形であればやりようもあるのだそうだが……


「そうか。僕の名前だとグランデが……ならハインフィードのお抱えにした方がいいのかな?」

「そうですわね。この問題はハインフィード家のものですもの。

 グランデ公爵家に負担を負わせる訳にはまいりませんわ」

「いえ、どちらにしてもリヒト様はまだグランデ公爵家の御方。

 利権関係でも話し合いは必要かと……」


 あっ……そうだった。

 不具合を押し付けるのはよくないと考えたが、利権の問題もあるのか。

 僕が魔法を弄ったのだからグランデの知識を使って作ったということにもなる。

 大本がハインフィード家で買い取った魔法としても父上にも話に噛む権利が生まれる。


「わかった。先ずは父上に手紙を書こう」

「はい。私では判断付きかねるところもございますので是非そうして頂ければ……」


 どっちにしてもまだ薬の研究で時間が掛かるから製造までは直ぐでも売り出すまでには暫く掛かるだろう。

 父上に止められなければいいけど、と思いつつも騎士団長に退役軍人の招集を頼み、会議の場は解散となった。




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