1-8白の軍師

「さて、俺の条件も聞いて貰わないとな」

 軍師は俺に対して何か条件を言いそうにしていた。

「と言っても、単純なことだ。俺が力を貸してほしい時に来てくれたらいいだけだ。簡単だろう」

 軍師は少し笑いながら話した。何を考えているかわからない男だなと思えた。

「タカに悪いことさせるのか」

 テンは軍師に質問し始めた。

「ホーマの君には関係ない話だな。」

「ところで、ホーマってなんだ」

「ホールに住む種族のことだよ。それぞれの世界にはそれぞれの種族がいる。とりあえず、そのことは別としてどうかな?」

「戻れるなら戻りたいけども条件がよくわからない。第一そんないいかた怪しすぎる」

 俺がそういうと軍師は手をたたきながら笑った。

「そりゃーごもっともだな。じゃー興味持ったら俺に連絡してくれ、今日の所は顔合わせって事だけでいいかな?」

 そういうと軍師は俺に名刺を渡してきた。

「白の軍師って名刺に名前書かないっておかしくないか」

「そうだよね。」

「自分でそんな風に答えるなよ」

「まぁじゃーな。後、お前の宝石、周りに見せるなよ。あれは貴重な物だからな」

「待て、なんでお前が宝石のことを知っているんだ。」

「持つ者は集るってね」

 意味深なことを言い残して軍師は町を後にした。

  ******

「お前たちは早くこの町から出ていけ」

 軍師と対話の後、長からそう言われてしょうがなく歩いて町を出ることになった。

「それにしてもなんかひどい目にあったね」

「それにしてもいきなりこんな風になるなんてどうしてだろう?」

 ワタにどういう風に説明すればよいのか思いつつ歩いていたがあることを思いついた。

「そうだ。竜にの乗ればいいんじゃないか。」

 そう思い俺は宝石を出して見た。

「竜出てくれ」

 そう思い宝石を見てみたが何も反応がなかった。

「さっきも思ったけども、その石どうしたの?」

「テンには話していなかったか。」

 俺は、テンに化け物に襲われて竜に助けられたことを説明した。

「それってなんか竜伝説見たいだね」

「なんだその伝説って」

「この世界に伝わることだけども竜がこの世界を救ってくれたって話だよ」

テンが知っていることを話してくれた。

「でも、なんでさっきは出たんだろう?」

 俺は疑問に思いつつもう一度試して見た。

「出てこい」

 すると宝石は光を放った。

「なんか光始めたよ」すると2人の前に赤い竜が姿を表した。

「主、不必要に我を呼ぶな。だが困っているようだ。我に乗れ」

 そういい竜は背中に乗るように示してきた。俺とテンは竜に乗るとすぐに空に飛んだ。

「あの車うちのだよ」

「えーと竜、あの車も運んでくれる」

「よかろう」

 竜は車の方に急降下して車を抱えて空に飛び出した。

「なんだこの竜は」

 ワタは突然竜に連れ出されてかなり驚いていた。

「ワタ急にごめん」

「えーテンにタカこれはなんなんだ」

 ワタが驚く中、竜は町まで送ってくれた。

「主、重要な時だけにしてくれ」

 そう言い残すと竜は光を放つと姿を消した。

「最初は驚いたけども、タカそれは召喚石じゃないかどうしたんだ」

 ワタはこの石について何か知っている用であった。

「ワタさん召喚石ってなんですか」

「そうか。タカは何も知らずに使っていたんだな。それは召喚石と言って石に秘められたモンスターを出すことができる物なんだ」

「モンスターの召喚。確かにそうだな。異世界って感じだな」

「異世界って地球にはモンスターいないんだな。それにしても竜ってすごいんじゃないか」

「竜になんか理由ってあるんですか」

「この世界には七英竜っていう伝説があるんだ。その話だと、竜はこの世界に7体しかいないと言われていいるんだよ」

「そんなにすごいものなんですか」

「そうだよ」

 そう聞くと俺は本当に異世界なろう系主人公の設定にありそうな状態じゃないかと思ってしまった。

  ******

「もしもーし、どしたの」

 少女スマホを片手にしていた。

「ちょっとあってほしい子いるけどいいかな?」

「えー私のこと知っていてそんなこというの?」

「そうだね。でも、そのうち彼に会う事になるさ。情報だけ送っておく」 

 電話を切るとすぐに場所と彼についての情報が送られてきた。

「ドラゴン君、これどう思う?あいつ信じられないけど」

 少女は石に向かって話しかけていた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る