Blue Rose 第2話
《登場人物》
男1×女1
マスター Barのマスター。男性。
女性 客。いつも決まって青いカクテルを注文する。
《概要》
とあるBar。初めて訪れた女性が注文したのは「青いカクテル」。
名前のわからない青いカクテルが何なのか?
女性はなぜ青いカクテルを注文するのか?
3話完結の第2話。
《目安》7分程度
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『Blue Rose〜第2話』
ここはお客様に、お酒と安らげる時間を提供する空間。
お客様にとって、それは思い出の味かもしれない。
心を込めて、この一杯を。
ー「Blue Rose」(タイトルコール)ー
(入店SE)
女性「こんばんは」
マスター「いらっしゃいませ。あ…いつものお席にどうぞ」
女性「ありがとうございます。覚えててくれたんですね」
マスター「それはもちろん。いつも奥の席に座ってらっしゃいますから」
女性「ふふ。そうですね。その方が落ち着く気がして」
マスター「そうですよね。ゆっくりしていってください。本日もいつものでよろしいでしょうか?」
女性「はい。今日も青いカクテルをお願いします」
マスター「かしこまりました。少々お待ちください」
(カクテルSE)
マスター「本日はこちらをどうぞ。ブルーレディでございます。ブルーキュラソーとジン、レモンジュース、それと卵白を合わせたものです」
女性「かわいいですね!いただきます…。(一口飲んで)思ったよりも優しい味!ふわふわの卵白が不思議な感じですね。初めて飲みました!」
マスター「これも違いましたか…すみません」
女性「…や…!こちらこそ、いつもすみません!(間) そういえば…グラス…!あの、こういうグラスじゃなく、細長いグラスでした!」
マスター「そうでしたか。なるほど。グラスの違いってご存知でしたか?」
女性「いえ…。どんな違いなんですか?」
マスター「このように細長いグラスをロンググラスと言いまして、ロングは氷が入っているもの。ショートは氷は入っていないんですよ。なので、ショートはぬるくならないうちに飲んでいただくので、お酒の弱い方にはロングのものがおすすめです」
女性「そういう違いだったんですね!それなら当然ロングですね。そのカクテル、私が初めて飲んだカクテルなんです」
マスター「初めてのカクテル…!それは思い出深いですね。どうしてそのカクテルを選ばれたんでしょう?」
女性「どれが良いとかわからなくて…おまかせで選んでいただいたんですよ」
マスター「そうでしたか。その方はお酒に詳しかったんでしょうか?」
女性「どうなんでしょう?高校の時の同級生なんですけどね、久々に会って飲みに行ったんですよ。その時に」
マスター「お友達、でしたか。良いですね」
女性「そういえば、この前、ミスチル(言いづらければMr.Children)流れてたでしょう?」
マスター「はい。そうでしたね。あの曲に思い出でも?」
女性「えぇ。あの曲、卒業式で歌うはずだったんですよ。でも私、卒業式に出られなくて…。みんなと一緒に卒業式したかったなぁって思って帰ろうとしたら、歌が聴こえてきて…。なんとね、みんなが待っててくれて…あの歌を歌ってくれたんです…!」
マスター「え…。そんなサプライズが…!」(ちょっと驚いている様子で)
女性「はい!だから、クラスメートのことは今でも大切な友達です。青いカクテルを選んでくれたのもその時の友達でした」
マスター「そうでしたか…。それは素敵な思い出ですね。あの、お客様、もう一杯いかがでしょう?別のものを」
女性「え…?えぇ。お願いします」
(カクテルSE)
マスター「こちら、ブルーラグーンでございます。ウォッカとブルーキュラソー、レモンジュースを合わせたものです」
女性「いただきます…。(一口飲んで)爽やか!飲みやすいですね!色もきれい!…でも…味が違うかも…」
マスター「そうですか…。カクテルにはカクテル言葉と呼ばれるものがありまして、ブルーラグーンには「誠実な愛」という意味がありますので、もしかしたら…と思ったんですが…」
女性「まぁ! 違いますよ。その子、女性ですもの。それに、そんなシャレたこと知ってるような人じゃなかったし」
マスター「そうでしたか。てっきり男性かと…」
女性「久々に会った異性と勢いで飲みに行くような女に見えます?私」
マスター「それは…おきれいですから、そんな出会いもあったのかなと…」
女性「まぁ! お上手! そんな素敵な出会いがあったら、今こうして1人で飲みに来たりしてませんよ。
(間)あの…。この色…。きれいな色ですよね。もしかしたら青というより、この青緑に近い色だったかもしれません」
マスター「青ではなく、青緑…。次回までに考えておきますね」
女性「はい。またよろしくお願いします。今日はもう帰りますね」
マスター「かしこまりました」
女性「ごちそうさまでした。おやすみなさい」
マスター「ありがとうございました。お気をつけてお帰りください」
(ドアSE)
マスター「そっか…。覚えててくれてたんだ…」
ー3話に続くー
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