Blue Rose

ふわり

『Blue Rose〜第1話』

《登場人物》

男1×女1

マスター Barのマスター。男性。

女性 客。いつも決まって青いカクテルを注文する。

《概要》

とあるBar。初めて訪れた女性が注文したのは「青いカクテル」。

名前のわからない青いカクテルが何なのか?

女性はなぜ青いカクテルを注文するのか?

3話完結の第1話。

《目安》7分程度


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『Blue Rose〜第1話』


ここはお客様に、お酒と安らげる時間を提供する空間。


お客様にとって、それは思い出の味かもしれない。

心を込めて、この一杯を。

      

ー「Blue Rose」(タイトルコール)ー


(入店SE)


マスター「いらっしゃいませ。お好きな席にどうぞ」


女性「あ…はい」


マスター「メニューをどうぞ」


女性「ありがとうございます。(間) あの…青いカクテルって、どんなものがありますか?」


マスター「青いカクテルでございますか?そうですね…いくつかございますよ。ブルーハワイとかチャイナブルーとか…どんなお味のものがよろしいでしょうか?」


女性「あの…名前がわからなくて…ただ、青い色だけが記憶にあるんです」

マスター「そうですか…。かしこまりました。少々お待ちください」


(カクテルのSE)


マスター「どうぞ。こちら、ブルームーンでございます。ジンとバイオレットリキュールを合わせています」


女性「いただきます。(一口飲んで)おいしい…!でも…これじゃなかったみたいです」


マスター「それは…すみません」


女性「いえ、いいんです。こちらこそ、変な注文してすみません」


マスター「こちら、サービスでございます。初めてのお客様にお出ししております」


女性「わ…!いただきます」


マスター「どうぞ、ごゆっくりお召し上がりください」


女性「(一口食べて)…ん…!これ、イチゴ味かと思ったら、桃…?おいしい!」


マスター「お気に召していただけて良かったです」


女性「おいしいです。バーでアイスをいただけるなんて思ってなかったから…」


マスター「女性はアイス、お好きでしょう?」


女性「まぁ! そうですね、アイス嫌いな女性って見たことないですもんね」


マスター「ですよね」



女性「あの…もう1杯、別の青いカクテルをいただけますか?」


マスター「はい。かしこまりました。少々お待ちください」


(カクテルSE)


マスター「どうぞ。こちら、ブルーハワイでございます。ラムとブルーキュラソー、それにレモンジュース、パイナップルジュースを合わせたものです」


女性「わ…!見た目が華やか!(一口飲んで)…おいしい!トロピカルですね!飲みやすいし。…でも…これじゃなかったみたい…」


マスター「これも違いましたか…すみません」


女性「謝らないでください。私が無理な注文をしているんですから…」


マスター「他に何か覚えていることはありますか?」


女性「そうですね…チューインガムのような味がした気がします」


マスター「チューインガム…甘い香りのような?」

     

女性「そうかもしれません。あの…今日はこちらをいただいたら帰りますね。

また、来ても良いでしょうか?」


マスター「もちろんですよ。いつでもいらしてください」


女性「ありがとうございます」


マスター「ごゆっくりどうぞ」


(曲が変わる)(Mr.ChildrenのTomorrow never knowsのオルゴール曲)


女性「…!え…?この曲、ミスチルですか?」


マスター「えぇ、Mr.Childrenですよ。オルゴール曲なのでわかりづらいかもしれませんね」


女性「わかります!さっきまでジャズが流れていたのに、どうしてこの曲を…?」


マスター「特に意味はございません。たまにJポップも聴きたくなって変えるんですよ」


女性「バーでJポップって珍しいですね」


マスター「そうかもしれませんね。戻しましょうか?」


女性「いえ…!このままで!」


マスター「では、しばらくこのままで…」


(少しの間)


女性「あの…お会計お願いします」


マスター「かしこまりました。こちらでお願いします」


女性「ごちそうさまでした。また来ますね」


マスター「ありがとうございました。お気をつけてお帰りください。」


(ドアSE)


マスター「青いカクテルか…」


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第2話へ続く

      

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