第9話 冒険者ギルド

 朝、俺達、襲撃之反逆レイドレジスタンスは、集落を出て、ティモワールの冒険者ギルドに来ていた。ギルドでは長い茶髪の青目の令嬢が受付をしていた。


「次の方達、どうぞ」

「冒険者ギルドの登録に来たんですが」

「分かりました。少々お待ちください」


 冒険者ギルドへの登録。俺達が冒険者としてやっていくために必要なことだが、ここには屈強な冒険者が集まっていた。筋骨堂々としたモヒカンの男や、金色の鎧を纏った戦士など、見るからに戦いに行くような恰好の人間が朝から集まっていた。


「ここに貴方たちの名前とクラン名を書いてください」

「「「「分かりました」」」」


 受付令嬢の持っていた書類の一つにサインする。これで冒険者として登録されるようだ。


襲撃之反逆レイドレジスタンスさんですね。分かりましたこれから冒険者としてよろしくお願いします」

「ちょっと待てお兄ちゃんたち。冒険者を甘く見てるんじゃねえぞ」


 モヒカンの筋骨堂々とした男が絡んできた。その赤毛と赤目は血のように真っ赤で好戦的な様子だった。


「甘くなど見てません」

「はん、子どもの遊びじゃねえんだ。ガキはママのおっぱいでも吸ってな」


 そう言ってモヒカンの男は背中にかけた斧を構えた。


「どうする、誰が行く」

「私で行こう。こてんぱんにしてくる」

「ふん、竜人族だからと言って俺には_」

「はっ」

「何⁉」


 モヒカンの男がアルマの斧を当たりそうになったところを何とか自分の斧で流す。実力はあるようだ。


「どうする、まだやるか」

「いや、俺が悪かった。俺はフレイ・ゴルドラン。シルバーランク冒険者だ」

「私はアルマ・ネフィリム。私たちの邪魔はさせない」

「良かった。荒事にならなくて。フレイさん、冒険者で死ぬ人が多いのは分かりますが騒ぎを起こさないでください」

「すまんすまん。ガキが無謀に死ぬのは嫌だからよ」


 フレイは頭を掻きながら受付令嬢に謝っていた。その間に現在の依頼を確認する。熊の魔物レッドベアの討伐の依頼が目についた。


「すいません。この依頼受けられますか」

「ああ、はい。その魔物はブロンズランクの貴方達でも討伐ができます。よろしければその依頼にしますか?」

「どうするみんな」

「やろうぜクリフ。割りと金にもなるみたいだしよ」

「レッドベアがブロンズランクで受けられるんですか。通常は文字通りブロンズランクだとてこずりますが私達なら大丈夫だと思います」

「私も、それでいいと思う」

「決まりだな。お願いします」

「分かりました。レッドベアは凶暴な魔物なので気を付けて行ってくださいね」


 こうして、俺達はレッドベアを討伐に行くことになった。


「ついて行こうか兄ちゃんたち、一応は新米だし、この依頼はシルバーランク以上の人間がついて行くことになってるんだ」


 モヒカンのフレイがついてきていいか尋ねてきた。


「彼はこう見えて冒険者として信頼が厚いです。彼でいいのならついて行ってもらうことをお勧めします」


 受付令嬢がフレイに続く。


「どうする、みんな」

「俺はいいぜ。こいつなら、俺達が戦って勝てる気がするしよ」

「おい聞こえてるぞ」

「私はついて行ってもらってもいいと思います。受付の人も信頼してるみたいだし」

「私も構わないぞ」

「分かった。ついて行ってもらいます」

「よし、ガキども竜人族の嬢ちゃん以外、名前は何て言うんだ」

「俺はクリフ・サンドワームです」

「俺はボッツ・ライガ」

「私はネル・リリムです」


 こうして、初めての依頼、レッドベアの討伐はモヒカンの男フレイと共に行くことになった。

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