④外聞に蓋
「気は済んだかえ?」開口一番、
「上々よ」カカと笑う松吉朗が、
代田組の幹部である、
「
目に同意を宿し、瀧は小石と釘を受け取った。棺窓を開けたのは、瀧である。それを閉じるのも、もちろん瀧の役目であった。
「
二度目に触れた棺窓は、あっけないほどに軽かった。
力の入った釘と小石が、鷺山を彼岸へ連れて行く。瀧の目頭に、再び熱いものが込みあげる。されど瀧は、ひたむきな手を止めなかった。
一本目の釘は、謙虚に窓を縫いとめた。
瀧は黙って、松吉朗の手に小石を渡した。松吉朗は軽快に、要領よく釘を打った。
その次には鶴梅が担当し、力強く釘を刺した。
今度は白兼の手に渡り、実直な釘は埋もれていった。
せっかちな青葉が打った釘は、斜めに沈んでいった。
だが赫哉の釘はもっと不器用に、時間をかけて窓を閉じた。
そしてヰ千座は、誰よりも時間がかかった。最期の釘を打つまでに、彼は何度も鼻と目をこすっていた。葬儀の時間も間近に迫ったが、邪魔する者はいなかった。それでもヰ千座は、釘打ちを成し遂げた。
最後の大仕事として、仏間に棺を運び入れる必要があった。松吉朗を除いた六人が、棺を持ちあげたとき。
――ああ、なんて軽い体なのだろう。
そんな涙ぐましい努力によって、鷺山の葬儀は幕を閉じた。老いも若きも民人は、鷺山との別れを惜しんで涙を濡らしたという。
誰も、
誰も、姿をくらました
誰も、鷺山の死に様に疑いを抱かず。
鷺山の
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