無能な女子高生に生まれ変わった私が【運命の神】と呼ばれる？~堕ちて黒くなるはずのヒロインたちが、命をかけて私を守り、私と恋に落ちる、なんで？～

第27話 翔太の告白

「さっきのジェットコースターは楽しかった？」

　爱乃は手についたソーセージを食べながら、全身がだるく血気のない翔太と円沢香をジョークのように爱ている。

「あなたにはまだ私に聞く顔があるの……私はあなたたち二人で遊べばいいと言ったのに……私を連れて行くなんて…吐きそう…」

　翔太は愛乃に苦瓜の顔をして、酒に酔ったおじさんのようによろめいた。愛乃は「ちぇっ」と口をつぐんで翔太に軽蔑のまなざしを返した。

「まだ顔があるのか。さっきは自分でどれだけすごいか自慢していたのに、今はどうしてこんなに狼狽しているようになったのか？」

　樟馳はすぐにぎこちなく笑い始め、大声で言った。

「よし、次の乗り物に乗ろう！」

　円沢香は翔太を密かにのぞき込んだが、翔太の無邪気な姿が本当に自分の兄に似ているようだった。

　翔太は後頭部を掻いて、にっこり笑って円沢香を向て、急いでついてくる手振りをした。円沢香の頬はすぐ赤くなった。

　夜が更けるにつれて美しい遊園地の景色を眺めながら、円沢香は足を止めた。

「どうしたの？なぜ急に泣いたの？」

「いいえ、ただ嬉しいだけです…」

　円沢香は頭をもたげて感激の涙を浮かべた。

「あなたたちとは全く関係のない人として、あなたたちは私を助けて、私の住まいを与えて、私においしい食べ物を提供して、甚だしきに至っては私をこんな高級な遊園地に連れてきて……

　あなたたちがこのようにして全く報われないのに……感謝しています！ありがとうございます！私は幸せです！」

　円沢香は素早くお辞儀をし、愛乃は急いで彼女を起こした。

「何でもない！可愛いから私たちが手伝ってあげるよ!家族だから、私たちにそんな丁寧な言葉をしなくてもいいじゃないですか」

「もし私が永遠に帰れなかったら？」

　翔太は微笑みながら手を伸ばして円沢香の額を触った。

「じゃあずっと私たちと一緒に住んでいて、たとえ他の人があなたを受け入れたくなくても、私はあなたを受け入れます！」

　円沢香は翔太の鹿のようなみずみずしく優しい目を見上げ、心がほっこりした。

「よし！もう遅いから、円沢香を最後の場所に連れて行こう！」

　愛乃は笑いながら 2 人を連れて小道を走り、ホタルと鳥の言葉が美しい楽章を織り成す小林を通り抜け、今の美しい光景は円沢香の心の片隅に永遠に刻まれている。

　3 人は徐々に疎らになった人の流れに従い、石で舗装された小道を踏みしめ、ハリーポッターの魔法の城を経て、夜に映える大きな観覧車に向かった。

　摩天輪には多くの色とりどりの小さなランプが飾られており、夜空の片隅を明るく照らしている。それは巡礼の天国のようで運命のルーレットのようだ。

　列を作って翔太と円沢香が摩天輪に乗り込み、爱乃は外で二人を待っていた。翔太と円沢香は何度も彼女を招待したが、結局愛乃は断って翔太に目つきを示唆した。

　翔太は何かを悟り、単身円沢香を連れて観覧車に乗り込んだ。愛乃は翔太が円沢香に興味を持っていることを発見したようだ。

「来て！きれいだ！」

　円沢香さんはガラス張りに駆けつけて座り、ガラスに顔を当て、足元に光り輝く夜の大都市の姿を感激の表情で眺めていた。

　円形の観覧車のバルコニーが回転し、窓の外の景色が随時変わる。記憶の破片が円沢香の頭の中に絶えずぶつかり、強烈な既視感が再び胸の中に押し寄せた。

　円沢香と翔太が向かい合って座ると、空の果てに残った夕日の残光が二人の頬を照らし、濃い赤紫色調を帯びている。

　翔太の目は、円沢香の愛らしい頬に注がれていた。 彼女の甘い微笑みを味わうのは、まるで蜂蜜の入ったまろやかな蜂蜜茶を味わうようで、心が躍る。

「円沢香、きみ……」

　翔太はとても緊張して顔が赤くなって燃え上がるほどだった。

「うん？」

　円沢香は横を向いてにっこり笑った。

「どうしたの？翔太兄さん」

　幻想的な摩天輪の中で二人きりでいるだけなのに、翔太はもっと緊張している。

「……私が好きなの？！」

　脳がオーバーヒートしていたせいで、翔太は自分が発した行き過ぎた発言を後悔した。円沢香に笑われるのを待っていた矢先、円沢香の反応が自分の予想と違っていたことに気づいた。

「急にどうしてこんな質問を……」

　円沢香は突然顔を赤らめ、彼女の淡い青色の長い髪は熱い顔で赤く染まっていた。

「すみませんが、わざわざ聞いてみたのではないですが……」

　翔太はあわてて、彼は今まで好きな女の子を経験したことがなく、どんな告白も経験しなかったので、この唐突な状況を彼はなすすべがなかった。

　円沢香はためらった後、頭を下げ、前髪は彼女の目を隠した。

「実は、翔太兄さんのことは嫌いじゃないんだけど……」

　円沢香は突然顔を上げて、興奮して口を開いた。

「翔太兄はあんなに親切で、普段の話し方も優しくて、私の兄と同じくらい思いやりがあって……」

　円沢香は目を閉じ、次の言葉はほとんど吼えて言った。

「翔太兄さんが好き！！！」

　翔太はあっけにとられて、円沢香は突然席を立ち去り、自分を抱きしめた。

「どうしようもない、愛がそんなに簡単ではないのに……そんなに初対面の男が好きになるとは……これが一目惚れじゃないですか」

　翔太は緊張した笑みを浮かべながら、手を伸ばして円沢香の頭頂を撫でた。

「翔太兄さん……」

　円沢香は翔太に顔を近づけ、2 人の体はぴったりと寄り添った。

「あなたは私が最初に好きになった男の子で、私もあなたが私が好きになる価値があると思っています！」

　円沢香さんの笑顔を圆ていると、翔太さんの心も甘かった。それが誰かを好きになった感じです……思ったよりずっと良かったです。

　翔太はとてもハンサムで性格もクラスの女の子たちに愛されている。

　普段は一人でいるが、ほのかな香りが漂う白い封筒に包まれた精巧なラブレターをよく受ける。

　このような色彩豊かな手紙を彼は気にせず、誰かを好きになったり、好きになったりするのはとてもつらいことだと思った。

　愛と慕いは、その人の頭の中を占め、その人がそのために自分のすべての精力を傾けて自分の心を消耗させる。しかし、彼が円沢香が好きだと気づいたとき、彼の考えは完全に変わりました。

　人を好きになったのは思ったより好きになったし、その人を追求するために自分の多くが改善されるはずなのに……

「これはあなたへの贈り物ですが、円沢香はここの新しいものが大好きではありませんか？現代文明を紹介する本ですが…これを女性に贈るのはよくないけど、でも私も本気だよ……」

　翔が緊張している姿を翔て、円沢香は「くすくす」と笑い、手を伸ばして慎重に本を受け取り、しばらくじっくりと详て、幸せそうな表情を浮かべた。

「翔太兄さんのプレゼントありがとうございます。私は本を読むのが一番好きです」

「それはよかった。君が気に入ったらいいのに」

　観覧車は最後の一周を回ってホームで止まったが、円沢香と翔太の心はまだ胸の中で回転していて、澎湃としていた。この瞬間、2 人の間の告白は永遠に胸の間に刻まれていた。