第2話 腹案のプロセス



   「無印良品」というのは従来からあるが、これもつまりどういう企業形態かとか販売ルートかとかは知らないので、それを調べたり、アパレル関係、ファッション関係をやはり主にしたいのだが、そういうことに特化する意味やらメリットやら、方法論その他もいろいろと文献を漁って調べてみたりした。




 3か月ほど休養したおかげで、体調も戻り、禁酒や節制で頭脳も冴えていた。




 起業プランはどんどんまとまって、…問題は資金調達だった。




 夢美の名前があらゆる金融機関のブラックリストに載っているのは確実で、やはり、クラウドファンディングというのが現実的な選択肢だった。




 企業の理念が、だいたい「GUTTU」の時とは180度転換していて、とことんアンチ・メジャー企業というような路線でまず行くしかない。




 ”庶民派”を気取る政治家みたいだが、庶民を舐め切っている?悪徳政治家とか大企業にはなりたくはないので、いろいろな意味でこのほうがいいなあ、と思わないではない。大量の読書で薫陶を受けて?考え方とか性格も変容しているかもしれない。


 ヴィルドウンクスロマンとかには主人公が部屋に籠って、ひたすら読書に耽るという期間があったり、逆に色欲に溺れたりという時期があったりする。それは「はしか」のような、或いは「さなぎ」のように個体としてより完成していくためのプロセスなのかもしれない…




 何事においてもプラスに受け取るという、そういう夢美の性向も、だいたい持続的な読書の習慣から涵養されたという、そういう面の裨益は大きかった。




 <続く>

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