2025年11月16日(日)北海道障害者卓球競技大会
2025年11月16日(日)北海道障害者卓球競技大会
結局、優勝はI、準優勝はD。まさかこの二人が最後まで殴り合う展開になるとは。
誰が、こんな“身内濃度ほぼ100%大会”になると予想した?
精神男子の部、9人中7人がなかまの杜、1人が元なかま、1人だけ札幌市外。
「参加者、そうはならんやろ?(なっとるやろがい)」と冊子を開いた瞬間につぶやいた。
大会前からバタバタしていた。
初参加組のユニフォーム問題、譲る譲らない、ゼッケンをどこで用意するのか、卓球ショップだ百均だと走り回る声。
そんな空気を抜けて、当日、私は応援として会場に入った。
A・B・C・D・E・F・G・H・I。
9つのラケット、9つの性格、9つの物語。
順番に火がついていく。
――1試合目。
前回優勝のAがシードなので、最初はB対C。二人とも初出場。
ブランク明けのBが、まさかの回転レシーブを見せてくる。
Cは過去ずっとサーブミスばかりだったのに、この日は1本も落とさない。
静かに仕込んでいた練習の成果がテーブルに乗っていた。
勝者、B。
――2試合目。
D対E。
久々の体育館スポーツとは思えないDの重さに、Eのサービスが刺さる局面もあったが、最終的に押し切ったのはD。
――3試合目。
Fが棄権し、Gの不戦勝。
去年、私も二度の不戦勝をもらったことを思い出す。
――4試合目。
H対I。Hは大会初出場。
いくつか得点したものの、Iが取りきった。
――5試合目。
A対B。
温まっているBでも、Aの壁は厚かった。勝者A。
――6試合目。
G対I。
相性はGにあるはずだったが、不戦勝のまま体が上がらなかったのか、Iが流れを握り勝利。
――7試合目。
A対D。
互角のぶつかり合い。フルゲームの果て、Dが勝ち切った。
――8試合目、決勝戦。
D対I。
序盤はIが走った。
しかし途中でDが球質に慣れ、点差が縮んでいき、会場の空気が熱く揺れた。
フルゲーム、最後の一本でIが勝つ。
優勝I。準優勝D。
D、汚名返上の激闘。胸を張れる準優勝。
大会の合間、私はアヒル屋の知り合いの試合を途中まで追いかけたり
(昼飯を買いに走って途中で抜けた、ごめん)
肢体男子の部や精神女子の部で、見覚えのある名前――すずらんピック上位常連の顔を見つけたりした。
応援に来てくれた仲間たちには、
各選手の得意技、用具、プレイスタイルを、求められたときにぽつりぽつりと解説していた。
昼はコンビニの弁当。
夕方にはローカルハンバーグチェーン店に集まり、
当事者研究ラジオの話、なかまらそん部の話、初出場の選手が自分のラケットを買う決意の話――
そんな小さな将来と熱がテーブルに並んだ。
最後にもう一度言う。
優勝はI。準優勝はD。
この日の結末は、誰も読み切れていなかった。
或日の卓球・乒乓球・tabletennis Thankyu @sikyuu
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