好きな子いるんだけど、どうすればいい?

久石あまね

好きな子いるんだけど、どうすればいい?

 二人の男子高校生がベンチに達観したように座っていた。


 「好きな子いるんだけど、どうすればいい?」


 「キスしたら」


 「いきなり?面識もないよ」


 「そう。キスするんだ」


 「それはできないよ」


 「なんで?」


 「なんでって、なんでもだよ。いきなりキスしたらおかしいじゃん」


 「でもブラジル人は好きな子を見つけたらいきなりキスするらしいよ」


 「なんでそんなこと知ってんの?」


 「国籍診断っていう、性格診断サイトで、性格診断したらあなたはブラジル人です、っていう診断がくだされたんだよ。そこにブラジル人は好きな人ができたらいきなりキスするって書いてたんだ」


 「でも僕はそんなことできないよ」


 「やってみなよ。まだ未成年だから笑い話ですむよ」


 「工エエェェ(´д`)ェェエエ工」


 「やってみなって」


 「昔、幼稚園のとき、終わりの会がすんだときに急に先生のところへ走っていったやつがいて、急に先生にキスしたやつがいたよ。そのときは初めて同年代のやつがキスするところを見たからある意味衝撃だったよ」


 「僕もそういう話あるよ」


 「話してみて」


 「昔ね、小学校のプールの授業のとき、25メートルのテストがあったんだけど、順番を待っているとき女の子が隣に座っていたんだ。それでね、その子がずっと僕の股を見ているんだ。それでね僕が自分の股を見たとき、水着からはみ出ていたんだ、自分のが。僕はなんでもなかったようにそのままの状態でいたんだ。それでね、女の子はずっとそのまま僕の股を見ていたよ。小学校三年生のときだね。僕も見られたかったし、女の子も見たかったんだね。」


 「で、その後どうなったの?」


 「僕の股はぐんぐん大きくなっていったんだ」


 「そういう話好きだよ」


 「そういうシチュエーションってもう体験できないよね」


 「たしかにそうだね。大人になったらできないね、そういう初々しいのは…」


 「この話には続きがあってね」


 「えっ何?」


 「その隣にいた女の子は、いつの間にか、僕の初恋の人になっていたんだ」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

好きな子いるんだけど、どうすればいい? 久石あまね @amane11

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ