第7話 不思議な声 その弐

 そんなある日のことである。

 言い出しっぺは自分だったかもしれないが、今度は直接目に見えないモノに、語りかけてみてはどうだろうか、という方法を実践することになり、放課後いつもの連中と、世界史の教師である同好会の顧問をかって出てくれた物好きな女性の先生が、「製図室」に集まった。

 これはラウディブ・ヴォイスといわれる実験で、アメリカなどでは霊の声が入ったなどと(今から思うと作りものだったかもしれないが)、昔はそういうテレビ番組で紹介されてもいた。

 問いかけ役は私が行うことになった。机の上にカセットデッキを置き、録音状態にする。そして、

「あなたは誰ですか?」

「どこから来たのですか?」

「あなたはこの世に未練があるのですか?」

 といったことを、誰もいない空間に向かって語りかけた。皆私の周りに陣どり、まんじりともせずにその様子を見守っていた。時間にして二、三分ほどだったと思う。

 そして、今録音したテープを再生してみると…。

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