第5話 オジさんがいる

 この手の話を投稿サイトに掲載し始めたら、読んでくれている姉からも、こんなことがあったと話を提供してくれた。

 姉の娘、私からすれば姪の体験談である。


 姪は神奈川県の新築マンションに居住していて、現在小学一年生になる娘がいる。その娘が二才半になった頃、

「玄関に知らないオジさんがいる」

 と突然言い出すようになって、怯えて姪にすがりつくようになった。もちろん姪には何も見えないし、玄関にそれらしき姿形は確認できない。

 単に子供の虚言だと思っていたそうだが、その後もたびたび怯えた様子を見せるので、困惑していたそうだ。

 それである日、娘の友達の子が自宅に遊びにきた折、姪は試しにその子に、

「ねえ○○ちゃん、玄関にオジさんっている?」

 と訊いてみたところ、その子は、

「うん、誰か知らない人がいる」

 と答えたという。

 マンションは新築で、思い当たるようないわくつきの話もないから、姪もどう気持ちを整理したらいいか、コワくもあり、戸惑ってしまったそうだ。

 さて、成長するにつれ娘がそのことを口にしなくなったのは良かったのだが、姪はというと、今でもそのことが気になっているのか、寝ている時、部屋の少し開いた襖から、誰かが覗いている気配を感じる時があるという。

 オジさんの正体は謎だが、子供の頃にだけ見える、感じる、ということがあるのだとすれば、気づかないだけで、案外誰しも子供の頃に、本当は見えないモノ、を見ているのかもしれない。

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