第10話その空間に男子1人は....①
「じゃーん!!どう?お兄ちゃん可愛い?」
「アー...ウン、カワイイヨー」
「感情こもってないし、せめてこっち見てから言って?」
「はい...すいません...ってかおい!」
「どーしたの〜?」
「なんで俺も水着買いに来てんだよ!!」
そう俺は今楓に無理やり連れてこられて水着を買いにきている。
なんでそうなったかと言うと——
◇
一時間前——
「いや〜結構食ったな」
「僕もうお腹いっぱいで動けない...」
「値段の割に量が多かったし、味も美味しかったね!」
「また今度ここにきてもいいくらいな店だな」
俺はテーブルに置いてあるコップに手を伸ばしながら言った。
「そうだね!僕もまたきたい!」
「そしたらまた今度この3人で一緒に行きましょうよ凛先輩!」
「僕はいいけど小林くんは?」
「俺もいいよ」
そう言うと楓は俺が賛成をすることを知ってたかのように話を進めようとした。
「じゃあ、決まりだね!早速来週──」
「流石に早いわ!あと来週からは定期テストだろ!」
「定期テスト?ナニソレオイシイノ?」
「現実を見ろ〜楓、あと一週間だぞ〜」
それを聞いた途端楓は机の上で顔を伏せてしまった。
「まぁ、お前ならはなんとかなるだろ」
「楓ちゃんって頭いいの?」
「頭いいって言うか...記憶力がいいって言う方が正しいよな」
「何それどうゆうこと??」
佐藤さんは話についていけていない顔をしていた。
「私、映像記憶ってやつらしくて一度見たことは忘れないんですよ!」
楓は胸を張りながらそう言った。
「え!何それずるくない?それだったら社会とか暗記科目満点取れちゃうじゃん!!」
「そんなことはないよ佐藤さん。だって記述問題とかがあるじゃん」
「あ、そっか」
「お兄ちゃんが言った通り記述問題とかがあると満点は取れないんですが、高得点は取ることができるんですよ〜」
「いいな〜楓ちゃん、可愛いのに映像記憶なんてすごいことできて。僕なんて一つもそうゆうすごい能力?なんて持ってないよ〜」
佐藤さんがそう言うと何やら俺の視界の隅でドヤっている人がいたが俺はあえてそれに触れず話の続きをした。
「そうゆうすごい能力?持ってないのが当たり前だし、佐藤さんには他にいいところがあるだろうから平気だよ」
「ひゅーお兄ちゃんかっこよいい〜」
「やめろ恥ずかしくなってきた」
「小林くんありがとうね」
そう言いながら佐藤さんは少し顔を赤くし、笑顔でこちらに向いた。
「と、とりあえず話戻すけどいつ行きたいんだ?」
「んー、僕は夏休みがいいかな」
「あ、確かにいいね、夏休みだったら遊びたい放題だし」
「じゃあ、私——」
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