第7話 電車×少女=??
「ふぅーなんとか電車に乗り組むことができた〜」
電車内を見渡すと多分部活に行くであろう学生や子供連れの家族が多く、混んでいるのが見られた。
(今日土曜だからこんなに人が多いのか)
人が多く、座ることができず立っていたがおしくらまんじゅう状態で、とても目的の位置まで自分の体力が持つとは思えなかった。
(やばい5月でも人が多いと蒸し暑いな...)
背中に汗が滴るのを感じながら自分の服の胸元をパタパタとさせる。
服が自分の肌にベッタリとくっついていることに不快感を覚えながら大人しく電車の吊革に掴まっていた。
当然周りの人も汗をかいていて電車内は学生の汗の匂いや少しいい匂いな香水などの匂いで充満していた。
(あーマジで暑すぎる...家帰ってクーラーの効いた部屋でゴロゴロしたい...)
そうこ心の中で思いながら少しでも涼しくなりたいため隙間から風が吹いてくるところやクーラーの場所を探すために背伸びをしながら少しあたりを見回した。
だが、クーラーの風があたり位置を見つけたとしてもこの人の多さじゃそこまでに辿り着くのは一苦労だろうし、隙間風も吹くには吹くが少しだけであった。
そして、クーラーを探している時に少し気になる人を見かけた。
その人は自分と同じように電車の降り口の近くにいて、フードをかぶっており、後ろの男性の人と異様に近かった。
(なんだろあれ..カップルか?)
最初はただただカップルかと思ったがずっと見ていると明らかにフード被っている人が後ろにいる男性から離れようとしてるのが見えた。
(すげえ気になるからもう少し近づいてみるか...)
こんな暑い中わざわざ通り道を作ってもらうことに申し訳なさを感じながら人々をかき分け、フードを被っている人の隣までなんとかくることができた。
(やっぱこのフード被ってる人明らかこの後ろの人嫌がってるよな?...)
事情を聞きたいがフードを被っていて表情や性別がわからないのでどのように接すればいいのかわからず俺は戸惑っていた。
「.....いよ.....れか....すけて....」
フードを被っていた人は何が喋っていたが電車の音がうるさくあまり聞くことが出来なかったが、微かに聞こえたのは女性の声であった。
(この女性....もしかして泣いてる?なんでだ?...)
数秒考えた後とある結論に至った。
(すいません!仕方がないんです!)
と心の中で謝罪をしながらフードを被った人のお尻らへんが見える位置に移動した。そして、ようやく全て理解した。
「すいません!!この人痴漢です!」
フードを被っていた人の後ろにいた男性の腕を掴みながらそう俺は電車内で叫んだ。
すると、当然電車内はざわつき始め、その男は顔色を悪くしながら俺の腕を振り払った。
「なんだこのクソガキが!!俺が痴漢した証拠でもあるのかよ!」
「持ってるわけじゃないですけどそこにいる少女が証言しますし、何よりあなたの指先の指紋と彼女の服についてる指紋を調べればわかりますけど?」
「お前....舐めやがって!....」
「うわ!」
その男は自分の置かれてるいる立場がわかり、逃げなければまずいという思いとこんな学生に人生を握られていることへのイラつきで正しい判断ができなくなったのか俺の顔へめがけて殴りかかってきた。
だが、俺は日頃ゲームで動体視力は鍛えられてるので余裕で躱せる——
はずもなくモロで顔にくらってしまった。
「っ!....」
「君!大丈夫か!?とりあえず誰か駅員呼べ!後あの男を次の駅まで取り押さえろ!」
「私、駅員呼んできます!」
流石に只事ではないことに気づいた周りの大人たちがパンチを食らった俺の心配をしてくれたり、痴漢していた男を取り押さえるなど連携プレイをしていた。
(いってえ....モロにくらったな...てか、俺かっこ悪すぎん?)
殴られたところを抑えながら俺は痴漢されていた女の子の方へ視線を向けた。
(あの女の子平気かな...ってあれ?あの人は..)
そこにいる女の子は見たことがあった。なぜならそこには今日遊ぶ予定であった学年一の美少女佐藤さんであった——
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