第35話「よし、いっしょに行ってもOKな者だけ、俺と一緒に行こう!」

ハンバーガーショップ作戦会議の翌日の朝……


私はまたまた気合十分に登校した。

そして、またも大きな声であいさつする。


「おっはよ~ございま~す!!」


「おはよう!」

「おっはよう!」

「おっはあ!」


「おはようっ!」

「おっはようっす!」

「おっはあ!」


「凛、おはよう!」

「山脇、おっはよう!」

「おっはあ! 凛ちゃん!」


「凛! おはよう!」


「おはよう! 遥!」


「おはよう! 凛ちゃん!」


「おはよう! 颯真君!」


朝のあいさつも、完全に慣れた。


自然に、スムーズに行える。


あいさつして、クラスメートたちから返事が戻って来るって、心地良くて最高!

シンプルな事だけど、本当に素敵! 素晴らしいよ!


遥、颯真君とも、しっかり、あいさつを交わした。


うん!

今日の昼休みは必ずうまく行く!


そんな予感がする。


そう!

決戦は昼休み……なんだ。


今日の昼休み、昨日ハンバーガーショップで打合せした作戦が始動するのだ。


やがて……授業が始まり、取り巻きのクラスメート女子が自分たちの席へ去り……

視界に入った颯真君とアイコンタクトで交信し合い、私は授業に臨んだ。


そんなこんなで、午前の授業が3つ終わり……


キ~ン、コ~ン、カ~ン、コ~ン!!


と、結構なボリュームでチャイムが鳴り、昼休みとなった。


ああ、チャイムと同時に颯真君ファンの女子たちが猛ダッシュ。


速攻で、こちらへ駆け寄って来た。

皆、良いポジションを取ろうと必死なんだ。


いつもなら、このまま私は何も出来ず、遥と教室を出て、海斗君と合流。

学食か、売店経由で屋上。

いずれかでランチをとるパターン。


一方、颯真君は、ファンの女子たちと、くっついて来る男子。

クラスの大人数でランチ……となる。


しかし!

今日は違う!

名付けて、パターン破り!


女子たちが集まったのを待って、颯真君が声を張り上げる。


「お~い! いっつも別だろぉ? たまには一緒に昼飯、食おうぜ! 凛ちゃん! 遥ちゃん!」


うん!

作戦通りだ!


対して私たちも作戦通りに、元気良く返事をする。


「は~い! 颯真君!」

「了解! 颯真君! いっくよお!」


私と遥が快くOKして、近寄って来たのを見て、

颯真君目当てなクラス女子たちの反応は様々だ。


いろいろな状況をかんがみて、「納得だ」というように大きく頷く子。


「何? うそぉ?」 と驚き、首を傾げる子。


「何で、山脇と田之上が来るのよぉ!」 と、敵意むき出しの子。


そして『完全無視』で、一方的に颯真君へ話しかける子。


ここで颯真君が、このカオス状態を収めようと姿勢を正した。


軽く息を吐き、真剣な表情で女子たちへ、


「おい、みんな! 忘れてないと思うが、前にも言った通り、俺、クラス全員と仲良くしたいんだ。凛ちゃんと遥ちゃんと、メシくらい一緒に食べてもOKだろ?」


と言い切った。


騒いでいた女子たちは颯真君の気迫に呑まれたかのように、しん!と静かになった。


取り巻き女子全員が、真っすぐに視線だけを向けている。


そして颯真君は、けじめをつけようという感じで、


「皆、転入して来たばかりの俺に、いろいろ親切にしてくれてありがとう。本当に感謝してる。でも、こんな俺の考え方が嫌ならば、無理してメシに付き合わなくて構わない。普通にクラスメートとして接しようぜ」


更に、


「それに俺、他のクラスの奴とも仲良くしたいんだ。遥ちゃんの友達の松本海斗君とかさ、彼にも入って貰って構わないぞ」


颯真君が海斗君の話をし、ここで遥が「待ってました!」とばかりに反応。


「海斗ぉ! 颯真君がさあ、一緒にランチ行こうって!」


と、手を振って呼んだのだ。


すかさず、海斗君が教室の入り口に出現。


「お~、颯真君、ぜひ俺も混ぜてくれ!」


と、教室の入り口から叫んだのだ。


よっし!

ここで間を置かず、電撃作戦!


私と遥の出番である。


「じゃあ、皆で一緒に行きましょう!」

「全員、学食へ、レッツラゴーよ!」


最後に締め!


という事で颯真君が、


「よし、いっしょに行ってもOKな者だけ、俺達と一緒に行こう!」


と、女子達だけでなく男子達にも呼びかけ、

私達は学食へと向かったのである。

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