第12話 取り調べ

 一緒に部屋に行ってくれたその人をCさんとする。Cさんは俺よりしっかりしていて、部屋に戻ってすぐに警察に電話をかけてくれた。


 しばらくして、警察がやって来た。その後はどうなったかよくわからない。俺自身、パニックを起こしていた。


 俺が退去したせいで、管理人さんを追い詰めてしまったんだ!

 俺は自分を責めた。俺はいたたまれなくなり、即日、荷物をまとめて、シェアハウスを出てしまった。頭の中は真っ白だった。


 警察から、数日後に電話がかかって来た。管理人さんが亡くなってすぐに退去したから、俺が何かしたのではないかと疑われてしまったようだ。


「たまたまですが、管理人さんが自〇した当日に退去の申し入れをしていたので、そのせいで、自〇なさったと思うと…自分のせいではないかと辛くて…」

 俺は弁解した。


「その日は、色々と考えてしまって、早く寝ました」

「どうして退去しようと思われたんですか?」

「仲良くしていたKさんという方がいたんですが、荷物を置いたまま、いきなりいなくなってしまって…」

「ああ。Kさんですか」

「はい。急にいなくなって気持ち悪いなと思ったんです…」

「その方とは連絡が取れてますが、親族の都合で急に転居したと言うことでした」

「え?そうだったんですか。でも、会社には病気で入院しているって言ってたようですが」

「個人のプライバシーがあるので、詳細は言えませんが…それも本当です」

 さすが。警察は調べるのが早い。

「でも、管理人さんが、Kさんのレコードを勝手にオークションで売っていたと聞きましたが」

「それはないでしょう。Kさんの私物は本人に送り返していたようですから」


 あのばばあ!


 俺は、おばさんから聞いていた話を洗いざらい警察に話した。


 そしたら、入居者に前科があるって話も嘘だとわかった。それに、入居者間のメーリングリストというのも存在しないということだった。いろいろな人の間で飛び交っていた会話もすべて女の自作自演だったのだ!


 女が入居者同士、話をさせないようにしていたのだ。


 

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