第5話 本物です

 オサムさん歩道で意識なく寝転んでいます。

 とゆうか…顔面蒼白です。

 横向きにして窒息しないようにして…

 これはね…まずい状況です。



「119番するね…俺が呼ぶよ…」

 人生初の119番でした。



「すいません…飲ませ過ぎちゃって…」

 理由が理由ですからね…恥ずかしいものです。

 深夜だったので野次馬なんかいません。

 しばらくすると来ました、救急車。


 本物です。



「すいません…本当にすいません…」

 酔いがさめます。


「いっしょにお二人とも来ますか…」

 隊員さんが訊きます。



「エリ、金あるか…あるならタクシーで帰ってくれるか…。俺はオサムに付き合うから…」

 後輩は帰さないとね…



「はい…でも大丈夫ですか…」

「ああ、大丈夫だよ…それにさ…」



 僕は救急車に乗ってみたかったのです。

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