第11話 北条家の陰謀

 1948年

 北条一は財力にまかせ、自身の手を広げ未来に向けて

地盤を築きたかった。


会社の人事に関しては必ず自分の目で確かめ、細心の注意をはらい

それでも足りない場合は、アガルタの思考モニターを参考にして

人事を膨らませ、事業の拡大に忙しい日々を過ごした。


 事業は北条一国際貿易のほかに建築業、銀行業、不動産業、ホテル観光業、飲食業と伸ばしていった。

 

「じゃ、そっちの件、任せたぞ、あぁ、それと帰りにホテルに寄って人事部の田中に、この書類渡しておいてくれ・・・・」


一番の要は正義のための諜報・戦闘のプロ集団

「きたいち興信所」の設立だった。


しかも興信所のトップは北条一だったが

本部所長は、あの厳道こと柴崎巌しばさきいわお

上層部に柴崎千鶴子と厳道の弟子、力道・戒道の名前があった。


この興信所は、日本各地に無人の支所を有し、アガルタテクノロジーで人間の思考をモニターして、現場の証拠を押さえ、後に当人へ悪事の証拠を突きつけて、その意味を丁寧に説明し、日本の要人たちが興信所の行動に口出し出来ないようにする。


 いわば独立した日本の諜報機関設立が目的だった。

アメリカのFBIやCIAのようなもの・・・


何せ日本一の霊能巫女と日本一の阿闍梨仙人と弟子。


加えてアガルタの神々とテクノロジーのバックアップ。


そして前代未聞の生命体

「ナムサン」の三人が守護神として常に一緒だった。


 金はうなる程ある。


 怖いものナシとは、彼らの事だった。

 

 日本の政治家や各省庁のトップから裏の組織・大物のワイロ・性的スキャンダルなど黒幕の弱みを握り、北条一族が自由に活動する事を認めさせるためで私服を肥やそうなどという、小さい話では無い。


日本のお偉方や黒幕にとって、最も驚異だったのは

既にアメリカFBIやイギリス諜報部が、きたいち興信所に対して支持を表明している事だった。


恐らく各国首脳の前には、我らのナムサンのような亡命宇宙人たちが既に現れており、首脳を手玉に取って居るものと思われる。

 

 北条グループのやり方が強引な上に日本の有力者にとって正体不明の北条に対し、傲慢な、それを面白く思わず未だ戦争気分の抜けない軍人上がりの大物や政治家、裏社会の人間などが、時折、北条の館に殺し屋を差し向けてきた。


 館に火を付けようとする者、拳銃を所持し館に侵入しようとする者

カービン銃で狙撃しようとする者、いずれも先回りされ、

興信所の社員に捕まった。


 警察には通報せず、殺し屋まがいのヤサグレ者たちを、わざわざ尋問して雇い主を吐かせたあと、意外にも、その殺し屋まがいの半端者たちは、ひとり残らず、きたいち興信所にスカウトされ

全員綺麗に「きたいち興信所」社員となってしまった。


そして、社員となった半端モノたちは本物の諜報員の技を身に付け、

暗躍しはじめた。

社員たちは、自分たちの元雇い主に脅しをかけるため

彼らの枕元に「殺」と書かれた紙を、そっと置いて廻った。


周囲から

「あそこの興信所には多数の殺し屋が雇われている」

悪い連中の間で噂になった。

実際、グループ会社では武器を売るほど持っていたからだ。


 このあたりから北条グループに、国内の敵が出来始めた。


 諸外国の特に軍部とは国際貿易部門で日本国の認可がないまま

すでに自社製・武器製造・海外提供の実績があり。


日本のお偉方も裏組織も知らぬ間に日本のVIPは、きたいち興信所及び北条グループだと世界的財閥が発言したのは坂本龍馬、出現以来の新しいショックムーブメントだった。


 国としては北条の実力を認めた上でアメリカFBI組織のように

国家公安部あたりに籍を置かせたかったが

それを影の情報ファイルを盾に、北条は丁重に、お断りした過去があった。


 そして1955年、国の要請があれば協力は惜しまないという契約を交わし、内密に日本国内での武器の所持・使用を認可され、国内の武器製造も許可された。

 

もっとも国が許可しなかったとしても

北条グループの動きを止めることは難しいし


何よりアメリカ・イギリスが後押ししている以上

完全自己資金のみで活動している北条グループは、財政的に何ら

日本のマイナスには、ならなかったからだ。


 この時、もし日本国の決定会議が北条グループ排除に動いた場合は

実力で戦闘も考慮に入れ力ずくで認めさせても良かったが

それはアガルタの神々と住人に許される訳もなく、人員と施設まるごと

「アメリカのバークレイタウンに来い」と大統領の名前こそ何処にもなかったが

アメリカ大使館の人間が遣わされ正式な書面で北条は誘われていた。


 この頃の日本国首脳は、日本復興にばかり目がいっており、UFOや月の真実など頭の片隅にも無く世界観には、かなりの遅れがあった。


結局、雪崩のように発生する日本国首脳の逮捕劇や突然の死亡ニュースを止めることは

誰にも出来なかった。


 現代日本政府は、国民に大げさな説明は一切なく

いきなり将来に向け、人間らしく生きることを放棄するかのような

『仮想空間計画』を掲げ、

人員募集したが、国民のほとんどが、その募集も計画も知らず、

この計画の意味を日本国民は、もっと深く考え大々的に取り上げるべきだったのに、それが、なされなかった本当の意味は

北条グループの『アガルタ』日本政府の『月の住人』という対抗策を企てたのではとか

募集しているのは日本国民ではなく、日本在住のを募集していて、噂では造り過ぎた核施設が地殻変動によって崩壊する危険度が高くなり


その場合、ぐるぐると回っている地球の環境が日本の火山噴煙と高い放射能によって汚染される前に、世界の大国は人工地震を起こしてでも日本国を海溝に沈めるだろうとまで言われているので

月の住人たちに対して『サイン』を出し、各勢力に責められぬよう日本国家の計画として逆に、わかりやすく発表したというのが真実と噂があった。


 その後、アメリカ政府は、未知の飛行物体が地球の空を飛び回っていることを正式に認め、発表した。


 日本が未知の高度なテクノロジーで最新武器・兵器や爆薬、軍事車両やドローンなど製造し、自衛隊や国家公安に必要なだけ提供している事や

契約している国々に輸出している事と、きたいち興信所の存在は公になることはなく日本国民の間で真実を知る者は一部の関係者のみ。


2021年現在、きたいち興信所の実質トップは函館・南警察・署長


北条一凜ほうじょうかずり】だった。

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