第8話 ロズウェル事件
「と、ここまでは、いいかな健一」
「えっ!あ、はい・・・」
「そのあと、うちのじいちゃんは結婚して、あたしの父ちゃんが生まれて、そのあと私と兄が生まれたんだけど・・・ちょっと酒とメシ食っていいかな、疲れてきた」
「署長、ムービーで見せれば早いかもです」ビール片手にミキが言った。
「んー、ここまで話したらムービーにするか・・・でもムービーじゃ
全然足りないけどね、その間にメシ食うか、ナーさん飲んでる?」
「あ、ありがとうございます、日本酒もらえますか」
グレイ・ナーさんの見ているTV画面では盲目の中年男が悪い奴らを居合の技で刀を振り回し切りまくっている。
「日本酒、了解」慌てて健一は立ち上がった。
ムービーとは、表向き仕事も通常の警察署となっているが影の姿を持つ
正式名称
日本国・内閣府付国家公安部・国際特務警察・函館南警察署に配属になった
新人研修向けの簡単な南警察署と関係各省庁の役割と権力図。
民間の「きたいち興信所」とアメリカのFBI協力機関やNASAとペンタゴンの説明。
UFO問題の各国対応と事件。
テロ組織の近代化と過去の事件、気象兵器や人身売買・麻薬と偽札分布。
そして南署・各部署の役割や署独特のルール説明が記録された部外秘の重要映像集だった。
そしてムービーの最後には、部外者に警察署の秘密や情報を話したり暴露しようとしても無駄だと言うことも説明がされた。
なお函館南警察署・署員は民間「きたいち興信所」により調べ上げられた後に北条一凜が厳選した者達をスカウトした、独断と偏見と言っても過言ではない面々で構成されている。
それだけ使命感と正義の心が、人並み外れた人間でないと務まらない。
いじめを受けて育った者や恵まれない環境に育った者を
一凜署長は率先してスカウトし
「一緒に働いてくれないか」どんなに年下であろうと丁寧に説明し
「信念の継承」を掲げ、頭を下げて頼み込んだ。
一凜署長はタイムマシンで新人署員の前世やアガルタの神々の招きで霊界での死後裁判を見ていたと思われる。
南署の敵は地球人類だけでは、無いのだから・・・
南署の署員が家族も含め仕事の話を漏らそうとすると
急に強烈な頭痛が起きるとか
南署を移動になった警察官は移動後、南署で経験したすべての記憶がスッポリと消えてしまい、何も憶えていないのだという。
署長の説明では先ほど健一が頭の良くなる薬だと言われて飲んだカプセルの中身はアガルタのナノテクロボットで粒子状態で思考のモニターリンクを扱い頭痛を発生させたり記憶を消したりする事ができるという。
一凜署長が口を開いた
「健一、ちょっと面白い話、教えてあげよっか」ニヤリと笑う。
「1947年アメリカの片田舎にUFOが墜落して新聞沙汰の大騒ぎになった事件知ってる?」
「えっとあの、ロズウェル事件ですか?」
「そうそう、知ってんじゃん健一」
「TVか、なんかで見たことがあるだけです」
「ああ、で、あの事件の犯人、ここにいるナムサンの三人なのよ
アハハハッ、うけるでしょwwwww」
「えー、まじっすか、えっー!、そうなんだ・・・・」
ナーさんは無視してTVに見入っている。
「あのね、瀕死の大日本帝国軍人逃亡兵から急にグレイに生まれ変わった三人は、だんだんアガルタの生活に慣れてきて『UFOに乗りたいっ』て言ったら操縦方法教えてくれて、世界見学の許可が出てたんだって・・・ま、免許取りたての若者ってところね」
「へぇー、よく許可が降りましたね」
「まぁ、タイムマシン機能の使用は封印されてたけど浮船としての使用はOKされたんだって・・・」
「えっ、ちょっと待ってください、あのUFOはタイムマシン機能もあるんですか?」
「あ、言ってなかったか、そ、タイムマシンでもあるの」
そこでナーさんが話に入ってきた。
「ああ、あの時は、うれしくってなあ、すっかり天下とったような気分であちこち飛び回って遊んでたんだよ」
ソ連では堂々と
そもそもアガルタの神々は、皆、寛大で陽気だ、笑って、やんちゃな三人の新人グレイの行動をモニターしていた。
観光気分の三人に怒ったわけではなく、かわいい三人に対しアガルタの神がいたずら心を起こし
「雷」で三人の乗る浮船を破壊して脅かした。
初心者マークの三人は慌てたが遅かった。
墜落したのが、アメリカ合衆国ニューメキシコ州ロズウェルだった。
ナムサンの三人は、噂に聞いたトリニティ実験場に向かっていたのだが、どうも本当は「それ」を
その後、仮死状態のサンさんとムーさんを連れ抱えて
ナーさんがテレポートしてアガルタに戻り仮死状態の二人に蘇生処置が施され現在の三人がいる。
UFO墜落現場対処にあたったアメリカ軍人たちは、生き残ったグレイが日本語を話すので大層驚いていた。
「いーや、まいったよ実際、あとで誰かに怒られるだろうし、サンとムが死んだからな・・・・まじビビった」とナーさんが言った。
その後アメリカにエリア51が建造されたのは有名だ。
だが、それはアガルタの亡命したグレイが協力したのではなく、月の住人たちとの作業らしかった。
そして健一は先日の十字街UFO事件の真相を聞きたいと思っていた。
一凜署長が言う
「あれは、警告を受けてたんだけど時間にズレがあってね、それとあの事件は健一、あなたを拉致誘拐する為に月の住人が起こした攻撃だったのよ」
「えー?なんで俺が・・・・っていうか、車とか建物破壊したのは?」
「あれは、ナムサンのバカ、二日酔いで・・・月の住人は、黒服の二人よ」
「えー・・・・グレイ・・アンドロイド二日酔い?」
「はい」署長の不機嫌な顔は、親近感がある。
「で、僕が狙われたんですか・・・・月・・・に・・・」
「それは、私と、ここの喫茶店・先代マスター安次郎の二人がタイムトラベルして戻ってくる際の『キーパーソン』に健一を指名したからなのよ、ごめんね」
「ごめんねって・・・キーパーソン?で、あんな事起きるんですか、あの黒い人たちは、やっぱり人形なんかじゃなかったんでしょ、っていうか安次郎さんも関係あるんですか?・・」
署長が言う
「ある、実は、彼はタイムトラベラーなの、今、健一の警護はこの建物ごとアガルタロックで大丈夫な上に、念には念をいれてナムサンの三人に健一の警護頼んだから、安心してね」
「えー!?い、いや、全然聞いてないよ、そんな・・・・だってさ、それだったら前もって、っていうか警察もマスターもひどいよ、騙されてたようなものじゃん、それと・・・」
「ガタガタ言わないっ!」突然、ナーさんと映画を見ていた
宮田ミキが勢い良く立ち上がった。
それを見た一凜署長は下を向き笑いを必死でこらえだした。
「あんた、私のこと、どう思ってんの、私は健一が好き、未来の旦那様として尊敬してるわ、だから、だからガタガタ言わないの!!」
突然な愛の告白、突然、怒鳴られて、すごく嬉しい気持ちの健一だった。
ナーさんは急に怒り出したミキに口を開け
『ポカン』としている。
幼馴染で気心知れたつもりだった目の前のミキは、美しかった。
怖い顔をしていて身長165センチ、胸のふくらみも十分で、体をよじって立つ姿もウェストが綺麗だ。
長い間モヤモヤした気持ちのあった
しょうもない自分のことを、こんなに熱く思ってくれているミキに対して
突然ながらもドキドキして健一は思った。
「ミキになら・・・あげてもいい・・・」
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