第5話

 痩せてイケメンになってきた元キモデブブサイクが男性恐怖症マドンナの心を徐々に溶かしていくRTAはーじまーるよー。


 学校も始まって一週間が経ちました。今のところ、あの正義女こと上町零の好感度をそこそこあげること、そして表情筋トレーニング、ダイエットをすることしかしていません。ですが、明日から授業内で反活動が始まり一週間後の発表まで強制的に話し合う機会があるので隣の性格最悪男性恐怖症の見た目だけで僕の事を貶めた隣の女の攻略を徐々に進めていきます。あと一人の僕の純情踏みにじり最低ギャルの攻略も並行して進めていきますが、ここでは苛め厄介女にフォーカスを当てます。

 

 まずは、この厄介女攻略の概要を説明しましょうか。

 

 この厄介女の攻略は徐々にそして慎重にしていかないといけないのでかなり面倒くさいですが根気強くやっていかなければなりません。でもそれを乗り越えれば心を開きあの女の攻略はかなり楽になるため面倒臭さを我慢しつつ鍛えた表情筋を駆使して爽やかな笑顔を見せましょう。


 班活動では無理にあの女に話しを振ったりすることなく話の流れを汲み取りながら、あの女の意見を尊重しつつ、班の内容を纏める役を務めます。グイグイいってしまえば好感度がマイナスまで行くので注意をしましょう。


 何事もあせっては意味がありません。早く女神様に望みを叶えて貰って来世でのんびり悠々自適に暮らしたいからと言って焦れば普通に嫌われ、リセット問題ですからね()。


 班活動を終え、ほんの少し、一ミリでもいいので僕が他の男とは違うという印象をあの女に与えることができればこの時点では十分です。それからは、牛歩並みのスピードで話す機会を増やしていく事。そして、あの女が偶然、見ているところで人助けをしているところ、花壇の水やり、そして先生の手伝いをしている所などを見せたりすることができれば完璧です。


 そして二か月後にあの女がナンパされ男に強引に腕を掴まれている所を助ければ、やっとあの女から話しかけてくれるようになりますのでそれまでの辛抱です。


 ですが、まだあの厄介女の面倒臭い攻略はそれでは終わりません。むしろここからがこの女の面倒臭さの真骨頂と言えるでしょう。


 彼女の家庭内の事情に突っ込まなければ彼女の心を動かすことができないからですね。


 あの厄介男性迫害主義女の家庭内事情は少々複雑なのです。彼女の男性恐怖症は家庭内事情が関係しており、今は改善されているが面倒臭いことこの上ないのです。


 その家庭内事情のせいで僕は苛めを受けることになったので彼女の父親には死んでもらいたいですが、容姿がただ似ているというだけで僕の事を険悪して苛めを主導するこの女にも非がありまくりなので別に彼女の事を本気で好きになったりだとかは絶対にありえないので、心を無にして笑顔を絶やさず攻略をすることにしましょう。


 まぁ、こんな感じでこの女の攻略をすることができます。面倒臭い。


 まぁ、今はその話は置いておくとして今始まった班活動をすることに専念しましょう。仏頂面で明らかに僕ともう一人班内にいる男の事を敵視していますが気にしてはいけません。


 穏やかな表情と落ち着いた雰囲気、そして笑顔。これが重要です。何事もあせらず対処しましょう。試走通り順調にことを進め、班活動を円滑にし、発表を終えることが重要ですので。


 一日、一日を積み重ね、あの女の意見を尊重しつつかといって他の意見をぞんざいには扱わず班内をまとめ上げます。そして、やっとの思いで一週間が経ち問題なく発表を終えることができました。


 ですが、発表を終えたからと言って気を抜いてはいけません。ここから、あの女の前で偶然を装っていいところを見せなければいけませんから。不自然さがないよう細心の注意を払って、おばあちゃんの荷物を持ってあげたり、電車内で席を譲ったり、教室の花壇の水やりをしたり、先生のお手伝いをします。


 このイベントはランダムなのでかなり運がいい方ですね。イベントが色々重なってくれたおかげであの女の好感度を少しだけ上乗せすることができます。ゲームでもないのにランダム性を持たせるんじゃねぇよと言いたいですが、今回の場合ありがたいですね。


 きっと女神さまのお導きでしょう。感謝します。


 そして、ターニングポイントであるナンパ男から救う場面まで来ることに成功しました。ここで焦って飛び出してはいけません。腕を掴まれてあの女が嫌々と首を振っているタイミングで出ます。そうしなければ、好感度の上昇が低くなってしまい後に影響が出てきますので。


 ナンパ男から颯爽と救い、彼女の事を言葉を選びながら慰めます。決して要らない言葉を出してはいけませんので注意しましょう。


 これが成功していなかった場合、「あなた」とか「君」とか言われるのでここでリセットかリセットじゃないかを判断します。今回の場合は成功していたようで苗字に君付けで呼んでくれるようになりました。

 

 これでやっと一息付けますね。まぁ、先ほど説明した通りこれからが本番と言っても過言ではないですが一先ずは大丈夫ですね。


 切もいいので今日の所はここまで、それでは。

 





 

 


 


 


 


 

 

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る