第6話
そうして倭文の敗北という形で交渉が幕を引いた時分、頃を見計らった様に検問所の扉が二度に渡って叩かれた。
隙間から外を覗くと、そこには腕を組んだまま扉に背を預ける志遠が佇んでいる。彼は目を丸くする2人から目を逸らして握り拳から立てた親指で己の横側を指差した。とはいえその仕草は格好をつけている訳ではなく、未だ麻痺の治らない身体で最も楽な体勢だっただけである。喋る事ができるならば志遠とて喋りたいだろう。
「あ?なんや?引っ叩かれたいんか?」少々不機嫌な倭文に詰められて彼は身を翻すと急激に慌て始めた。両手を前に突き出し手を振るう。「おや、もしかしてこの方が志遠さんですか。寡黙な方なんですね、ジェスチャーで何かを伝えようとしている様です」倭文は否定するのも面倒だったので、そのまま志遠を無視して契約書にサインを記入した。
その間も京介による志遠の身振り翻訳は続いている。「えぇ、あなた、志遠さん。向こうからやって来た。はい。はい。伝わっていますよ。向こうじゃない?あぁ、第七ですよね。おや違う。向こうが、大きい?」
「愉快か。指さしとるし見た方が速いんとちがう?」しかし志遠は扉から出て行く倭文と入れ違いで中へと入ってきた。そうしてハッチの上に立つと、ジャンプやら地面を叩くやらで暴れ始める。「だめですよ、蟻が取り憑いているので風車が動かないんです。中へ入るにしてもまずは外を殲滅してからにしましょう?」
その瞬間、戻ってきた倭文がわなわなと震えながら志遠の体を揺らした。「あばばばば、たたっ大軍が来とる!蟻!外!」
それは、半日以上も帰って来ない仲間を心配してやってきた援軍であった。その規模は砂漠の真ん中から唐突に石油が湧き出したかと錯覚する程。数は数千にも登る。どうやら外で固まっていた蟻達はサボっていた訳ではなく、来たる援軍と一緒に砦を攻めるべく力を温存していたらしい。
志遠はだから言ったじゃないかとうったえんばかりに側のデスクを引っ叩いた。「とりあえず一旦退避しましょう。今ならまだリザードで逃げ……」そこまで言って外へ出た京介は絶句した。「っもうおらへんねん。あいつめ一足先に逃げおったわ!!」デザートリザードとてパラライズアントの大軍に囲まれては抵抗も出来ない。誰よりも早く、二人を置いて一目散に逃げたからと言って、誰に責める事が出来るだろうか。
志遠はそう思う事で精神を平静に保つと、帰った時に仕返しをしてやろうと心に決めた。「どないする?ここにおっても風車塔が陥落されるんは目に見えとるで」蟻たちとの距離は既にそう遠くない。あまり長く考えている時間は無かった。
「逃げ場ならあるじゃありませんか。地下に」
「やとしても風車が無かったらハッチは開かへんのやろ?」
「そうなんですか?」
「自分で言うとったやん」
「私が言ったのは籠を昇降させるには風車を動かす必要があるという事だけですよ。消費電力の少ないハッチなら蓄電池だけでも賄う事が出来ます」
「……なるほど、ほなら風車を動かすために外の蟻を殲滅する必要があるって言うんはホンマやった訳や。でも誘導はしたな?ウチ等に倒させたモンスターの素材をウチ等の報酬へ充てる為に」
「そちらが勝手に勘違いした責任を私に追及しないでくださいね。人聞きが悪いですから」
「せやな、相手が誤解しやすい様に悪意をもって情報を隠しとっただけやもんな。嘘とは違うもんな」倭文はそう言って唇を尖らせたが、状況を察した志遠は無言のまま京介へ拍手を送った。静かなる喝采を背に浴びながら京介は基盤を操作する作業へと入っている。
蟻たちとの距離は更に縮み、もう目と鼻の先だ。凄まじい音を挙げながら開き始めたハッチを確認すると、京介は二人へ予備のパラシュートを渡した。
「あぁ……えっと。どうにかならん?やっぱり飛び降りなあかんの?」倭文はいやいやと首を横に振る志遠と共に涙の懇願を試みた。
「古代の日本にはこの様な格言がありました。習うより慣れろ。素敵な言葉ですよね」泣き落としは通じなかったらしい。京介はにっこりと笑い、無慈悲にも志遠と倭文の背を蹴っ飛ばした。
そうして二人は安全確認も動作確認も行われていない予備のパラシュートを手に、地下へと向かって落下し始めてしまったのである。
一瞬の内に気絶した志遠はどうやらすでにパラシュートを手放してしまったらしい。そこで最初に我へ帰ったのは倭文であった。彼女は宙舞うリュックを掴み取り、急転直下落ち行く志遠へ泳いで向かう。リュックを背負わせベルトを締めさせ、コードを引けば地底の空へとフライアウェイ。
小さな少女のおまけ付きである。
倭文は自分だけパラシュートを着用した志遠に両手両足でしがみ付き、耐えがたきGを耐え抜き、左右のレバーを操作しようと見上げた瞬間に全てを悟った。「届かん」現在の彼女は志遠の腹回りにくっついている状態である。空中で片手を放し、男の頭よりも上の位置にあるレバーを掴むなんてことは、到底できそうに無い。
「志遠よ、起きろ」暫くなすすべも無く落花生の様に真っ直ぐ滑空していると、途端に志遠が目を覚ました。「!!!??」眼下に広がる街を見て、自分がどこにいるかを察したらしい。彼は声にならない声を挙げながら慌てて何かに捕まろうと手足を動かすが、文字通り空を切るばかりだった。
「おい!じっとせえ」再三申すが、パラシュートを着けているのは志遠のみなのだ。彼が宙で藻がいた時、被害を被るのは彼ではなく倭文なのである。激しい揺れに、志遠は恐怖で再び気絶した。
「おい!しっかりせえ!!なんの為に起きて来たんや!!起きろ!!!!」だが被害はそれだけではない。大声を上げた事によって続々と蟻達が足元へ集まって来たのだ。奴等から逃げる為には、今こそ空中サーカスを繰り広げる時である。
倭文は志遠の脇に回していた腕を一本引き剥がし、それを首元へと持っていく。焦らず慌てず落ち着いて、それをもう一本。今度は腕の力で体を支えて、足を腹回りに持っていく。非力な腕はプルプルと震えるが、今は弱音を吐く時ではない。この様な状況に陥った時、本当に役に立つのは知識や理論ではなく純粋な筋力なのだ。
ようやくの思いで足を腹に回して固定すると、精一杯腕を伸ばして中を踊り狂うレバーのる紐を手繰り寄せた。しかしその体制で一度に掴めるのは片方のみだ。無駄に魂の籠った渾身の一掴みのせいで、パラシュートは大きく傾く羽目になった。
そして更に言うならば、レバーは左右が上部で繋がっている為に片方を引けばもう片方は上に上がってしまうのである。傾きに加えて無慈悲にも上昇するレバーは既に、倭文の腕では届かない距離にまで離れてしまった。
しかし、引っ張られたせいで紐の余白が無くなり、もう片方のレバーは動きを止めている。今しかない。と言うかもう時間がない。倭文は決断するや否や、志遠の腹に巻かれたハーネスを蹴り上げて一気にレバーを捕まえた。
「よっしゃおら見たかボケ!!」一瞬だけ宙に放り出された倭文が足で捕まえたのは志遠の頭。腹を蹴られて上昇した人間の全体重を首一本で支え切ったのは賞賛に値するが、代わりに彼の首は赤子の様に座らなくなってしまった。まぁ、不時着をして蟻の餌になることを考えれば、代償としては安いだろう。
そうして倭文がレバーを操作する事によりパラシュートは落ち着きを取り戻した。幸い京介は二人の後を付けて飛んでいるらしいので、地面へ着くなり知らない土地で二人ボッチという事態は免れたらしい。
余裕が生まれた事で倭文は足元に広がる風景を見渡した。一言で表すならば異様という表現に尽きてしまう。一面には蟻によって踏み荒らされた田園が広がり、普段は人が住んでいるのだろう、まばらに生える無機質なコンクリートの建物は無残にも崩されていた。そして、街灯の赤い光が田畑の水や家に反射して地獄の様相を作り出している。
葉や茎が形成される段階では青色光で照らす事も多いのだが、今は収穫前。実の形成に必要な赤色光での日照時間が長い。
これらのシステムは第七の産業地区でも同様に取り入れられているが、相違点で特筆すべきは、天井に細いホースが敷き詰められている事だろう。地下都市の大規模農園を管理する上で最も強固な障害となるのは水周りだ。地下水脈を汲み上げる事は容易だが、それを植物へ与える事は難しい。単純に考えるならば畑の中へ水やり用のホースを張り巡らせておけば良いのだが、田畑の規模的に収穫はトラクターで行う他になく。その度にホースを回収するのは費用対効果に欠ける。地下では雨乞いをする事すら許されないので、代わりにこうして天井から吊されたホースにポンプを使用して水を送り、天から降り注ぐ雨を再現しているのである。
「さて、そろそろか」目指す着地先は街の中でも特に長い道のある農業区中央。志遠の足先からは田舎の畦道からふわりと土埃が舞い上がった。倭文は志遠をスケートボードの要領で乗りこなしながら、ゆっくりとスピードを落としながら歩きへと移行する。停止した所で彼女はパラシュートを切り離して滑走路を振り返った。「停止距離は約15m。ウチに怪我はないし、志遠も首以外に傷は無しやな」倭文は己の事ながら見事な着地に感嘆を漏らした。実際のところ講習も演習も受けずに二人共が無傷だったのは彼女の知恵と勇気による賜物だろう。そして後ろからやって来た京介とも再会できた事で一先ず胸をなでおろした時、地面を舐めている志遠が目を覚ました。
「なんか、全身土まみれなんだけど」
「ようこそ地獄へクソニート」
「よく眠れましたか?」
辺りを見回して動揺する志遠をよそに、倭文は冷静な面持ちで話を始める。「早速やけど作戦会議がしたい。でもその前に……」彼らは息を飲むと、一斉に走り出した。「逃げるで!」どうやら呑気に空中のお散歩を楽しんでいた彼らに蟻達が追いついたらしい。やって来た蟻が残すフェロモンに当てられて、近くに居た凡そ100匹の大群が後ろからついて来ている。「どうするのこれ?」京介に蟻の体液が付着しているからか、気が付けば一行は周囲をグルリと取り囲まれていた。「とにかく走れ」
三人は走り出して近場にあった農園の倉庫に入った。殿を務めていた京介が重たい扉を必死に閉めて施錠をした瞬間、外から鉄を叩く音がした。どうにも長くは持たなさそうである。
「やけに物々しいものが多いな」
「超高振動ブレードとかないの?」
「目ぼしいものはドリルやツルハシくらいやなぁ」
「いや待て、これは……」そういった彼の手にはダイナマイトが握られていた。「近々牧場の拡張が行われる予定だったのです。もっとたくさんあれば良いのですが、農場にあると言うことは余ったものを保管しているだけなのでしょう」
「最悪入り口をそれで爆破したら倉庫からは出られるやろ。今はとにかく作戦の会議や」
◆
「ここまで蟻が多いのなら住民を連れて歩くのは危険だ。どうせ三人で一緒に動いても見つかりやすくなるだけだから別行動」
「救出斑と退路確保班に別れるぞ」
「奴らは自爆も厭わないが女王がいなくなれば話は別。姉妹の中から新しい女王が生まれるまでは統率力と士気を大きく削げるんじゃないか?」
「過去にそういった報告はあるのですか?」
「あればいいな」
「あればいいね」
「いや、私も女王がいなくなれば士気は落ちると思います。絶対に成功させたいので女王の討伐には私も同行しましょう」
「ほならウチも女王の暗殺に行くわ」
「僕は?」
「退路の確保でもしとけ。どうせアンタはまだ体が痺れとるんやろ」「だとしてももうちょっと言い方無かったの?」
「入れ違いしたら嫌やから退路が確保でき次第迎えにきてくれ」
「村長宅は西の通りの突き当たりです。無駄にでかいのですぐに分かると思いますよ」
「家屋に残っているかもしれない住民は?」
「悪いですが後回しですね。人質がいなくなればこちらも取れる手段が多くなりますし」
◆
その瞬間、扉が軋んだ。
京介は扉にダイナマイトを仕掛けて、導火線を引いていく。
「……せや、もしも不測の事態に陥ったら互いに自己責任って事で現地解散な」「自分で言うのもなんだけど、僕って一人で脱出できるほど強くないからね」
「ほなら幸運でも祈っとけ。逃走用意!!!発破!!!」
倭文がダイナマイトのレバーを押し込むと、倉庫の扉が近くに居る蟻を巻き込んで派手に爆発した。
◇
「よかったんですか?」芋類を育てる畑を横目に、壁沿いを時計回りで走る最中に京介は倭文に対してそう聞いた。
「志遠さんはまだ身体が痺れているんでしょう?そんな状態で退路の確保なんてできるのですか?」
「あいつって筋力も体力も俊敏も頭もたいした事無いけど、保身だけは評価に値するねん。無理なら助けを求めて逃げてくるやろ」そう言い放つ倭文に京介は首を傾げた。
「お二人は随分と仲が良さそうですけど恋人同士なのですか?」
「やめろやめろ気色の悪い。付き合い自体は長いけどそんな関係身震いがするわ。第一にウチみたいな小さい女が好きな奴は豚箱行きや」
「女性に対して失礼かもしれませんが、倭文さんって志遠さんと同じくらいの年齢だったりしませんよね?」
「一緒やで?18歳。幼馴染やし」
「あぁ、幼馴染。それで仲が良いのですね」
納得したように笑う京介を横に、倭文は掘立小屋の側に空いた穴を指さした。
「この街はモグラでも飼うとんの?」サイズは人の頭ほど。頑張っても人間が入れる様な大きさではない。
「蟻塚の出入り口でしょうか。確かにこの辺りからは静かに進んだ方が良さそうですね」この街自体が既にパラライズアント達のテリトリーではあるのだが、近くにいる痕跡を発見すると身が引き締まるのも当然である。暫くは慎重に進んでいたが、関西気質の強い倭文には喋らない事自体が苦痛で合ったらしい。直ぐに飽きて口を開いた。
「なぁ京介。あんた検問所でも結構蟻を暗殺しとったけど、実際に正々堂々戦った場合はどうなるんや?」
「そうですね。一対一ならまず負けません。誰かを守りながら、場所を動かず。という制約が付くなら5対が関の山だと思います」
「まるで1人やったらもっと多くを相手とれるっていう言い方なや。いや、当然やと思うで?ただ、救出だけならあんた1人の方が都合ええんと違うかって思っただけや」
◆
「そういう事でしたか。助けるまでなら確かに1人でも大丈夫ですが、その後は動ける人が多い方が良いですからね」
「そういえば倭文さんの耳に入れておきたいことがあるのでした……今向かっているのが村長宅だという事はご存知の通りだと思いますが、ただ、その村長というのが中々に、なんというか」
「クソ野郎って?」
「まぁ、そうですね。彼は高慢ちきな人間でして。輪採式農法や配給制度は地下都市において効果的ですが、為政者的には内容をちょろまかしやすいのも事実です」
配給をするなら食料は全て村長やそれに近しいものが分配を名分として一手に管理する事ができる。当然、毎年同じ物を育てていればその年の出来なんかが分かる様になる物だが、そこで輪裁が効いてくるのだ。
小作人達は毎年別の作物を育てなければならない事によって、配給時に与えられる食料が多いのか少ないのかという知見が溜まりづらいのである。
「これに関しては断言するけど、確実にやっとるやろうなぁ。屋敷は新しいし、なんか場違いな程に煌びやかやし」
なんとなくちょろまかされている事は理解できるのだろうが、その規模が分からなければ不満が出にくいのだ。徴収時には武装した村長の私兵が赴くのだろうし、不満が出た所で抵抗はできないだろう。
まぁ、その私兵等は村民からちょろまかした金で雇われているのだが。
血税が悪政を助長するのだから村民も哀れである。そんな京介の話を聞き流しつつ、倭文は村長からも金を徴収する方法について頭を捻り始めた。
そうこう話していると街のはずれにある村長の屋敷へ辿り着いた。
建物の材質は第七で見られるようなコンクリートではなくレンガ造りの建物だ。シェルター内でも異色を放つその大きな建物は随分と新しいようで、丹念に手入れされている事が分かる。
先に入口へ着いた京介はレディーファーストも気にせず扉を蹴り破り、警戒はしつつもズカズカと中へ入っていく。案内されるがまま屋敷へ入ると、随分と豪勢な内装が向かい入れてくれた。調度品だけではなく、壺や絵画などの芸術品にまで及ぶ全てに抜かりの無いよう手入れが行き届いており、一見するだけでもかなりの金が掛かっているらしい。
倭文は壁際に飾られた高価な物品を眺め指を弾きながら、ゆっくりと先導者の後ろをついて歩く。どうやらこの屋敷には随分と豊富に木材が使用されているらしい。先程ゴミのように蹴り破られた扉も、赤いカーペットの敷かれた床も正面にある階段も材質は樹木だ。
この世界では地面を掘れば無際限に出てくる石材とは違って、木材は地上にしか存在しない。モンスターの蔓延るこの地上で木材が使われているという異常性に気が付く村人はどれ程居たのだろうか。
そんなことを考える倭文の横で、京介は入り口の近くにある古めかしい扉を開けた。そこにあったのは太い柱を軸に、ひんやりと涼しい石材が連なった見事な螺旋階段だ。
未だに中二病を引きずっている倭文の琴線を擽るそれは、底が見えない程に深く暗い。コツコツと音を立てながら一段ずつ階段を降りていくに従って、その場の温度も一緒に下がっている事が実感できる。そうして最後の段に足をかけた瞬間、角の先から光が見え、同時に人間達のすえた匂いと熱気が漂ってきた。
「血…怪我人か?」
地面をそう赤い液体を伝って奥を見やると、屯する村人がいた。数は20に満たない程度。端にはプレートの装備を着込んだ騎士風の男達がゴミの様に捨てられており、人々は血まみれの男1人を覆い囲っていた。
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