悪辣な金

てんの翔

第1話

        プロローグ


 金は、悪辣な場所を好む。

 望むべく者に集まるのではなく、悪辣な者に流れるのだ。

 久我たけるは、そのことを実感していた。二八にもなってフリーター……三十歳も近いというのに、将来の展望はなに一つない。

 大学には行っていない。高校すら中退だ。家は印刷工場をやっていたのだが、不況のあおりをくらって莫大な借金を背負ってしまった。猛が中学生のときだ。工場を手放せばよかったのに、両親は祖父から受け継いだものだからと、強情にしがみついた。給食費を捻出するのにも両親は困っていた。だから猛は、新聞配達をして家計を助けた。なんとか通いはじめた高校でもアルバイトを休むことなくこなし、家業の印刷工場の手伝いもした。本来ならバイトは校則で禁止されていたのだが、猛の家庭事情を学校側が考慮してくれたのだ。

 二年生に進級するまえに、猛は必死になって働かなくてもよくなった。

 家庭が無くなったのだ。

 両親は、まだ小学生だった妹を道連れに心中してしまった。

 猛だけが残された。

 高校を卒業すれば……いや、中退してでも、これから家族に楽をさせてあげられると思ったのに──猛は嘆いた。

 理由がわかった。ただでさえ借金に追われていたのに、両親は詐欺に引っかかり、二千万も負債を増やしてしまったのだ。それまでの借金と合わせると、三千万。しかも、暴力団まがいのところからも借りている。結果、両親は死を選んでしまった。

 自分のためだ。猛は思った。このままでは自分がその借金を背負わなくてはならなくなる。親が死ねば、相続さえしなければ、子供に支払いの義務は生じない。

 猛は、借金から逃れたものの、肉親を無くした。

 勉強意欲も失せ、学校もやめた。未成年だったから、十八歳までは施設の世話になったが、そこを出てからは、その日暮らしの生活を続けた。日雇いで必要なときにだけ稼げばよかった。若さだけはあったから、寝泊まりはどこでもいい。かろうじてボロアパートは借りていたが、ホームレスに近い状態だった。

 守るものがないのだから、気軽な人生だった。そのかわり張り合いがなく、生きていることに意味をみいだせなくなっていた。十年、そんな生活を続けた。夢も希望もなかった。

 そのくだらない人生が、一転した。

 ある日を境に──。

「うそだろ……」

 すきま風が自由に行き来する狭い室内で、猛は信じられないものを見ていた。

 公園に落ちていた新聞。

 なにげなく拾ったのだが、そこに宝くじの当選番号が載っていたから持ち帰ってみたのだ。普段、猛は宝くじなど買わない。そんなことに使う金はないし、運にまかせるなど、猛には興味がないことだった。

 それが、どういうわけか一枚だけ買っていたのだ。いまになって思い返してみても、どうして購入したのか覚えていない。

 一等当選番号が、自分の買った宝くじの番号と同じだった。信じられるわけもなかったが、何度確認しても番号は合致していた。

 当選金額は──。

「五億……」



 五億円を手にした猛の生活は、しかし変化のあるものではなかった。さすがにボロアパートからは引っ越したが、贅沢をするわけでもなく、普通の生活を続けた。金の使い方がよくわかっていなかったのだ。

 億万長者になってから三ヵ月が過ぎたころ、猛のもとに電話があった。再び、驚くことになった。海外の宝くじをあつかう企業からのものだった。片言の日本語が告げたのは、猛の買ったくじが当選したというものだった。そういえば、五億が手に入ったときに、まだツキが残っているかもしれないと思い、インターネットで海外のくじを購入していたのだ。すっかり忘れていた。

 正直、適当に買ったものだから、当選金額も知らない。

「いくらですか?」

 猛は、たずねた。

『二千万ドルです』

 最初、二千万円かと勘違いした。

 ドル。1ドルがいくらなのか、猛は気にしたこともない。たしか百円ぐらいのはずだ。そうだとすると……。

「二十億……!?」

 あいた口がふさがらなかった。

 多くの人が、一生のうちで手に入れることのできない金額だ。いや、世の中には一日にして簡単に稼いでしまう人種もいるだろう。が、猛にはありえない額だった。

 入金されると、一億程度のマンションを購入した。とはいえ、やはり生活レベルはさして変わらない。

 自分は、セレブにはなれない──猛は、自嘲ぎみにそう思った。

 それからさらに、二ヵ月あまりが過ぎた。これだけの金があのころ転がり込んでくれば、両親と妹は死ななくてすんだのだろう。虚しさも胸中をよぎっていた。そんなとき、ある人物が猛の部屋を訪れた。

 そう──猛の幸運は、こんなものではなかったのだ。



「久我猛さん、あなたに相続されることになりました」

 その人物は言った。中西、と名乗った五十代ほどの男だ。

「相続?」

「はい。会長の遺言です。黒神藤吾の全財産を相続する権利を、あなたは得たんです」

 意味がわからなかった。

「だれですか? おれには、そんな肉親はいない」

「それはそうでしょう。黒神藤吾に肉親はいないのですから」

 ますます意味不明だ。

「どういうことですか?」

「会長の遺言で、黒神藤吾の遺産を相続するのは、過去にうちの会社のせいで破産した人間──そのなかで、もっとも幸運を手にした者にせよ、と」

 中西は語った。

 猛の両親のやっていた印刷工場が経営難になっていたのは、黒神藤吾が会長を勤めるグループ会社が取り引きをやめたからだ。その後の詐欺は当然、黒神の責任ではないが、取り引きさえやめなければ、心中することもなかったかもしれない。

 残された猛には、条件の一つ──黒神藤吾のせいで破産した人間という部分がクリアされる。それに加えて、ここ最近の度を超えた幸運の数々。条件の二つ目もクリアしていることになる。しかし、その条件設定そのものへの疑問が強い。破産させたという部分は、なんとなくわかる。かつての罪滅ぼしのつもりなのだろう。が、そのなかで幸運を手にした者、という文言が謎なのだ。

「……」

「その顔は、信用していないということのようですね」

 そのとおりだった。

「あなたはこれから、一生かけても使い切れないほどの大金を相続することになります。それに相応しい天運をもっているかどうかが重要なのです。一枚しか購入していない宝くじで一等を当てた。さらに、海外のくじでも日本円にして二十億ほどを当選させたあなたは、まさしく天により選ばれた人間なのですよ」

 ペテンにかけられているようだった。

 まるで自分が、神によって宿命づけられた……いや、神そのものになってしまったような錯覚にとらわれた。

「それは……おれが、その黒神藤吾という人の会社を継ぐということですか?」

「いえ、そういうわけではありません。すでに会社は、適任のものが継いでいます。それに会長だったのですから、社長の椅子はだいぶまえに譲っているのですよ。あなたに与えられるのは、黒神藤吾の財産です」

「いくらぐらいなんですか?」

「ざっと二十兆円ほど」

「……?」

 最初、その数字がうまく頭のなかで変換されなかった。

 二十兆。それは、どれぐらいの大きさだっただろうか。

 兆? それは、どれほどの単位だっただろうか……。

「二十兆!?」

 ようやく、頭のなかで事の重大さが認識できた。日本の防衛費とくらべると、どっちが多いのだろう!?

 猛には、想像すらできないほどの金額だった。

「あなたは、それほどの金額を相続する権利を得たわけです。正確には、法定相続人ではないので遺贈ということになりますが……。不動産や証券などもすべて現金化してあるので、相続税で面倒なことにもなりません。もちろん、どう使おうと自由です。全額どこかに寄付しようと、一生をおもしろおかしく遊んで暮らすのもね」

 夢というレベルではない。幸運……いや、むしろ不幸を呼び込むかもしれないような事態だった。当然のことながら、その話が本当だったとしたら……だが。

「信用なさってないようですね」

 中西には、そう先回りされた。

「信じられるわけがありません」

「べつに信じてもらわなくてもかまいませんよ。相続さえしてもらえれば」

「ですから──」

 反論しようとする言葉を、手でさえぎられた。

「考えてみてください。あなたには、失うものはなにもない。たとえ、この話が嘘であったとしても、守るべき家族もいない。仕事だって失うこともない。幸運で得た金にしても、べつにあなたの能力で手に入れたものでもない」

 たしかに無いものを失うことなど、あるはずもない。

「私が犯罪者であっとしても、あなたのような方から詐欺で儲けようとはしませんよ。まあ、二十億に眼がくらむ人間はいるでしょうが、そこは信じてもらうしかない」

 道理は通っている。たとえ宝くじの金を奪われたとしても、所詮、労働で稼いだものではない。この嘘にのってみてもいいのではないか……猛は、そう思うようになっていた。

「……わかりました」

「そうですか。これでやっと私も、会社を離れられます。では、さっそく手続きを」

 それからとんとん拍子で、莫大な遺産を相続した。赤の他人が遺言で財産を受け取ることを『遺贈』というらしいが、そんなことはどうでもよかった。

 二十兆円。相続税を払っても、とてつもない額が残った。

 中西の話は、嘘でもペテンでもなかった。

 猛は、想像を絶するほどの大金持ちになったのだ──。




        1.月曜日午前11時


 竹宮翔子は、揉み手をしながら待っている編集長に呼ばれた。こういうときは、よからぬ相談があるときまっている。

 出版社としては中堅の芸新社、そのなかでも、そこそこしか売れてない週刊ポイントの編集部。翔子は、入社してまだ三年目の駆け出しだ。ようやく雑用から解放され、小さな記事をまかせてもらえるようになったばかり。

「竹宮、おいしい仕事をまわしてやるよ」

「は、はあ……」

 本当においしい仕事なら、もっと優秀な人間にやらせるだろう。

「おまえ、久我猛って知ってるか?」

「……いいえ」

 突然、名前を出されてもわからない。すくなくとも、だれでも知ってる有名人ではないはずだ。

「なんだよ、そんぐらい勉強しとけよ」

 そう言って編集長は、一冊の雑誌を机に放り出した。他社のもので、週刊ポイントよりも、ずっと多く売り上げている雑誌だった。編集長には、そのことに対するプライドはないようだ。付箋が貼ってあったので、翔子は雑誌を手に取り、ページを開いた。

 一人の男性の特集が載っていた。

「ああ……この人ですか」

 それで思い出すことができた。

 ある資産家の財産を相続して、一夜のうちに大金持ちになった人物だった。当時は、まだ二十代。ざっと記事に眼を通してみたら、二八歳のとき──と書かれていた。相続したのが五年ほど前になるから、現在では三十代半ばということになる。

「すごいですよね。夢物語もいいところですよ」

「おまえが突然、大金持ちになったら、どうする?」

「え? ないですよ、そんな幸運」

「だな。……それに、幸運ともかぎらねえしな」

「そうですね。逆に人生メチャクチャになっちゃったりして。でもこの人は、そういうわけでもないんですよね?」

「どうだろうな」

 編集長は、意味ありげに答えた。

 翔子の記憶では、久我という男は、両親が妹を道連れに無理心中をはかり、それまでがとても不幸な生い立ちだったはずだ。金を手にするまえに、もう人生はメチャクチャになっていたのだ。

「幸せじゃないかもしれませんけど、それまでの人生よりは、マシになったんじゃありませんか? きっと」

「竹宮、じゃあ、おまえがそれを確かめてこい」

「え?」

「密着してみろ」

「本気ですか!?」

 それには、自分にまかせていいものか、という意味と、本当にそんな企画を推し進めるのか、という二つが込められている。

 久我という人物は、とても幸運な男だと世間には知られている。が、それだけだ。莫大な遺産を相続する以前にも、日本の宝くじで五億を当て、また海外のくじでも二十億を手に入れている。ツキは類稀なものをもっているだろう。それはまちがいない。とはいえ、そういう取り上げ方は、この五年でやり尽くされている。所詮は運がなければ、ただの男だ。久我自身にカリスマ性があるわけでもなく、財力以外に、なにかを隠し持っているわけでもない。

「その記事にも、チラッと載ってるんだが、なんたら財団とかいうものを立ち上げるらしい」

 翔子は、記事を読んでみた。

「CC財団……ですね」

「なにをしようとしてんのか皆目見当もつかんが、なんかおもしろそうだろ?」

「金持ちの道楽じゃないですか?」

「かもしれんな。だが、取材してみる価値はある」

 編集長は、自信ありげに言った。

「久我本人には、許可を取ってある。とりあえず行ってこい」



 都心の一等地に、真新しいビルが建っていた。六本木ヒルズにも近い。そういえば、まだ工事中だったそのビルの前を通ったとき、観光客らしい一団が、そのビルをヒルズと勘違いしていたのを思い出した。ここが、CC財団の本拠地ということだ。

 得体の知れないものを感じながら、翔子は正面入口からなかへ入った。受付には、同性の翔子から見ても魅力的な女性二人がいた。

「あの……芸新社の竹宮というものなんですが……」

 名刺をかかげながら、翔子は恐る恐る声をかけた。

「はい。竹宮様ですね。承っております。最上階の代表室までお上がりください」

 とても丁寧な言葉で案内された。悪い気はしなかったが、落ち着きもしなかった。

 エントランスには、ほかに人の姿はなかった。ここは普通の会社ではない。行き来するサラリーマンの姿が恋しかった。エレベーターで最上階をめざす。当然のこと、同乗者はいない。

 孤独な鉄の箱での旅路は、とても長く、永遠を感じた。到着することはないのではないかと不安を抱いたころ、しかしエレベーターの扉は開いた。

 直接、代表室のなかにつながっている。

 広かった。最上階フロアが、すべてぶち抜きで代表室になっているようだ。もはや、部屋とはいえなかった。遠く向こうで、だれかが立っているのが見えた。人物の顔を確認するには、だいぶ近寄るか、双眼鏡を使うしかなさそうだった。

 そんなものを持っていない翔子は、足を動かすしかない。到着するまでに、ソファとテーブルのセットをいくつも見かけた。広すぎるために、インテリアの配置も意味不明だ。

「ど、どうも……芸新社の竹宮です……」

 声が届く距離になってから、翔子は名乗った。

「はじめまして、久我です」

 翔子は、眼を見張った。

 幸運を手にしただけの、ただの男ではなかった。良質のスーツ。髪形もキマっていて、上品だ。成り金、という感じはしなかった。まるで、生まれたときから上流階級の一員のように、立ち振る舞いも堂に入っている。

「話は聞いています。好きなように取材してくれて結構ですよ」

 表情も余裕に満ち、貧乏だったという過去は想像すらできない。もっとも、貧困だからといって、つねに切迫している人物像ということはないのだろうが……。

「よ、よろしくお願いします」

「こちらこそ」

「ひ、広い部屋ですね」

「せっかくなんで、広くしてみたんです。やりすぎましたね」

 そう言って、久我は笑った。その笑顔すら魅力的だった。完全に翔子の心は、彼にもっていかれた。

「どうぞ、座ってください」

 近くにあるソファをすすめられた。久我が座るのを待ってから、向かい合うように翔子も腰をおろした。

「ソファセットぐらいしか置くものが思いつかなかったもので、こんなヘンテコな部屋になっちゃいましたよ。観葉植物とかも考えたんですが、世話が大変そうだったんで」

「は、はあ……」

「なんでしたら、あっちのソファに行きますか? 窓からの見晴らしがいいですよ」

 久我が、手で指し示した。

「あ、いえ、ここで」

 どこに移動しようと、落ち着かないことにかわりはない。

「あの、早速なんですけど、CC財団というのを設立したということなんですが……いったいそれは……」

「そうでしょう。はたから見れば、得体が知れないですよね」

「い、いえ……そんなことは──」

 ──あったが、本音を言えるわけもない。

「『CC』とは、コールドケースを意味します」

 説明をうけても、理解はできなかった。

「コールドケース? ……なんですか、それは?」

 冷たい入れ物──のことだろうか?

「刑事ドラマなんかで聞いたことないですか? 『COLD CASE』──未解決事件のことをそう言うんですよ」

 そういえば、聞いたことがあるような気がする。

「未解決……コールドケース……財団、ということは……」

 やはり、よくわからない。

 未解決事件の財団とは、どういうことをするのだろうか? なにを目的に……。

「じつは明日にでも、正式に発表しようかと思ってたんですよ。よかったら、竹宮さんも来てくださいよ」

「は、はい! ぜひ取材させてください」

 久我は携帯を取り出すと、だれかと会話をはじめた。相手は、中西という人物のようだ。

「明日、発表しようと思います。段取りのほうをお願いできますか? はい、では──」

 すぐに切った。

「じゃあ、明日を楽しみにしていてくださいね。場所は、ここの二階です」

「あ、あの……いま、ちょっとだけ聞かせてもらうことは……」

「ふふ。そうですね。ヒントだけあげましょうか? 金は、悪辣な者に流れる──」

「はい?」

「これまでの、ぼくの人生経験で得た結論なんです」

 ヒントになっていなかった。

 お金は、悪辣な者──悪人に流れるものなのだ。そういうことを言いたいのだろうか?

 それに、未解決事件……。

 いったい……?


        * * *


 女性記者が帰ってから、三十分ほどが経っただろうか。猛は、最上階の窓から下界を眺めていた。

 足音が近づいてくる。すぐ背後で、そっと立ち止まった。

「ありがとうございました」

 猛は言った。振り返ることはしなかった。それでも、中西が笑みをたたえて、うなずいたのがわかった。

 中西は、遺産を相続したあとも、猛につき従ってくれている。本来なら、そんな義理はないはずなのに。ならば給料を、と相談したのだが、中西は受け取らなかった。黒神藤吾から、猛ほどでないにしろ、かなりの額を生前に渡されているそうだ。つまり中西がここにいるのは、金のためではない。

 あなたが、これからどう生きていくのか、それに興味があるのだ──と。

「明日、はじまるんですね」

 しばしの沈黙を、中西のつぶやくような声がかぶさった。

 そこではじめて、猛は振り返った。

「そうですね」

 最初のころ、私に敬語を使う必要はありません──と、中西には言われていたのだが、正式な雇用関係でもない彼を、自分の部下のようにあつかうことに、猛は抵抗があった。そういう地位についたこともなく、生き方もしてこなかったのだ。人間は、そんなに変わることはできない。

 変わったこともある。五年前が嘘のように、いまの現実を受け止めていることだ。少しまえに、中西に言われたことがある。

 ──ずいぶん様になってきましたね。

 自覚はなかったが、一番身近にいる人間にそう評されたのだから、この大金持ち生活にも慣れたということだろう。

「世間は、どう思いますかね?」

 中西からは、答えが返ってこなかった。

 これからやろうとしていることには、賛否両論あるはずだ。

 だが、猛の決意は固かった。

 正義感ではない。あの女性記者──竹宮に語ったように、金は悪辣な者に流れるのだ。その金を操る側もまた、悪辣な者なのだ。

 どうせこの資産は、もともと自分のものではない。大事に温めたとて、意味はない。

 使うなら、悪辣な使い方を──。

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