俺のキャラがメタ発言し過ぎな件

碧海海月

第1話 俺は、平凡な高校生…なわけあるか!

「おはよう、春高。」


俺に声をかけてるのは俺の友達、秋月。俺等は、今日からこの白崎高校に入学した一年生だ。こいつとは、小学生からの腐れ縁だ。


そして、俺が春高だ。できたてホヤホヤの平凡な高校生…なわけあるか!


「秋月、お前と俺は小学生からの腐れ縁という設定らしい。今日からよろしく頼む。」


「あぁ、よろしくな。これから、この作品の最終回までよろしくな。」


そう、なんとこの作品の登場するもの全てが自身を作品の登場するものとわかっている。


「春高。まずは、おめでとう。主人公に選ばれたんだな。」


「最悪な役だよ。お前等は、いいよな。俺目線で語られるから、頭が疲れるんだよな。」


なんで俺なんだ!クソ!アホ作者!


はぁ、文句を言っても無駄か。とりあえず、この作品がなんのジャンルか確認するか。


「なぉ、秋月この作品どういうジャンルか分かるか?」


「あぁ、どうだろうな。まず学校で始まったから、バルト系ではなさそうだよな。」


「確かに、バルト系だったらすでに主人公が死んで転生するか、バルトシーンに入ってそうだしな。」


バルト系ではないのは助かる。あれ、痛そうなんだよな。演出凝ってるし。となると…


「恋愛系か、日常系だな。」


「恋愛系だったら、そろそろ攻略対象が…」


そんな事を考えていたら、後ろから馬鹿でかい声が聞こえていた。


「おっはよー!秋月、春高!」


そう、今俺等の名前をいったのは小学生からの腐れ縁。女友達の夏花だ。


「夏花。先に言うお前は幼馴染という、恋愛系においての一番のハズレをひいた。つまり…」


「残念、私春高の事好きじゃないから。たぶん、恋愛系ではないよ。」


なに!幼馴染が俺のことを好いてない!?となると恋愛系ではない?そして、さりげなく夏花は俺らの会話を把握していた。つまり、主人公が知っていることは他のキャラも知っていることになる。


「秋月どう思う?」


「まぁ日常系だろうな。」


「でも、私達の作者って厨二病患ってるよね…」


「「「とういことは……!」」」


気づいた時には遅かった!教室の下に魔法陣が現れた!これは、クラスみんなで異世界召喚されるタイプだったのか!異世界なんかに行ってたまるか!


「全員、この教室から急いで出ろ!この変態作者の思惑通りになってたまるかよ!」


声をはりあげ、皆を誘導したが体が動かない!


『馬鹿なキャラどもめ!キャラの分際で俺から逃れられると思うなよ!』


この声は……!


「作者!お前ガチでゴミだな!もっと俺らの事を大切にしろ!この変態が!」


俺につられて、クラスのみんなが作者の事をボロクソに言い始めた!


変態、馬鹿、アホ、マヌケ、ビビり、弱虫、中学テストの平均40点!


『ぐはっ!お前ら覚悟しとけよ!激ムズ異世界攻略できるまでここに帰って来られると思うな!』


それを、聞くと視界は暗闇になるのだった。



「春高、夏花、大丈夫か!起きろ!」


秋月の声が聞こえる。確か作者に異世界に飛ばされて……!


「はっ!ここは何処だ!今はどういう状況だ!」


辺りを見回す。するとそこは、広大な砂漠だった!


「は?何で砂漠?普通、草原とか城下町とかだろ?」


なんなんだ?俺の作者は定番という物を知らないのか?


「多分私達が作者をボロクソに言ったからイラついてるんじゃない?」


「おぉ!夏花目が覚めたか!クラスの奴らもみんな起きたし状況確認をしよう!」


そんな事をしようとしていたら……


『はっはっはー!目が覚めたようだな!君たちキャラクターには、この世界を攻略してもらう!つまり、魔王を倒してもらおう!』


聞きたくもない声がまた聞こえてきた。まじでうんざりする。もう無視しよ。


「よし、みんなまずは北に進んでみよう!これから頑張ろう!」


おおー!


みんなの事を主人公らしく率いて俺達は前に進むのだった!


『は?俺の事無視?おいおい、泣くぞ俺。え?まじで無視して行くん?えっ、ちょっ、あっ……』


「そういえば、春高。俺らさ春高、秋月、夏花ってあるのに、冬はないのか?」


『えっ、ガチで無視する流れ?』


「そういえばそうだな、もしかしたらクラスメートの中に紛れてるのかもな!」


『え?ガチで泣くよ?』


「よーし、名前予想してみよ!私の予想は冬犬!」


『お願いだから、話を聞いてぇ!』


「俺は、冬猫!」


『ぐすん、ぐすん』


「俺の予想は冬神かな。」


『……』


こうして、俺らの楽しい旅は始まるのだった。


『もういいもん!あんた達なんか知らないんだから。勝手にしたら!この異世界ガチで難しいから、俺の話聞かないと無理と思うんだけどな!馬鹿だな!あーあー!絶好のチャンス逃しちゃった!あーあー!今しか言わないのにな!あーあー!本当に聞かなくていいのかな?俺だったら絶対聞くな!本当に難しいんだけどな!もういいもん!うえーん!』


ガチでこいつうるせぇな!そしてキモっ!

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俺のキャラがメタ発言し過ぎな件 碧海海月 @ryomi_4649

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