森のほとりでジャムを煮る
ツキシロ
第1話
森の中にある小さな洋菓子店を営むアリスは、毎日ジャムを煮ていた。彼女はジャム作りが大好きで、色とりどりの果物を使って様々な味を作り出していた。しかし、彼女は自分の作ったジャムを人に食べてもらうことができなかった。店にはお客さんがほとんど来ず、売れ残ったジャムは森の動物たちに与えられていた。アリスは自分のジャムが美味しいと信じていたが、人に褒められたり感謝されたりすることがなく、寂しく思っていた。
ある日、アリスは森の中で一人の少年と出会った。彼はユウという名前で、森の中に住む魔法使いの弟子だった。ユウはアリスの作ったジャムを食べて、とても美味しいと言ってくれた。アリスは初めて自分のジャムを褒めてもらって嬉しくなり、ユウにもっと食べてもらおうと思った。ユウはアリスのジャムが大好きになり、毎日店に来るようになった。アリスとユウはジャムを食べながら、お互いの話を聞いたり、笑ったりして、仲良くなった。
しかし、ある日ユウが店に来なくなった。アリスは心配して、ユウの住む森の奥へと向かった。そこで彼女は、ユウが魔法使いの師匠に連れられて、遠い国へ旅立ったということを知った。ユウはアリスに別れを告げることができなかったが、彼女に手紙を残していた。手紙には、アリスのジャムが大好きだったこと、アリスと出会えて幸せだったこと、いつかまた会いたいと思っていることが書かれていた。
アリスの生活は、ユウと出会う前に戻ってしまった。売れ残ったジャムを森の動物たちに与えながら、彼女はユウと話した日々のことを思い出していた。
しかし、ユウの手紙を読み返すうちに、彼女は自分のジャムをもっと多くの人に食べてもらいたいと思うようになった。彼女は店の看板を新しくして、森の外にも宣伝をした。すると、店には次第にお客さんが増えてきた。アリスはお客さんの反応を見て、ジャムの味を改良したり、新しいレシピを考えたりした。お客さんはアリスのジャムを美味しいと言って、感謝してくれた。彼女はユウに会える日を夢見ながら、ジャムを煮続けた。
森のほとりでジャムを煮る ツキシロ @tsukishiro10
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