おまけに、人間の赤ちゃんはか弱すぎる

 さて、ここまで霊長類の苦難を綴ってきました。

 ここからは他の霊長類にはない、人間だけの苦難についてです。

 人間の苦難は産後も続きます。

 なぜって……赤ちゃんが弱すぎるから!


 馬は産まれて一時間で立って歩き、自分で母乳を飲みに行く。

 犬は生後10日は目が開かないけれど、自分で動いて母親を探し、乳房を咥える。

 サルは産まれて数時間で母ザルの背中にしがみつく。


 それに比べて、人間ときたら……!

 ヒトの新生児は、口元に乳房を触れさせて、ようやく口を開けて吸い付きます。自分で乳房を探しもしない(泣くだけ)。

 しかも首がぐらんぐらん。首を支えてないと、神経や血管が断線しかねない。

 そして3時間おきに空腹だとミーミー泣く。

 私は我が子を見下ろしながら、何度も思いました。

「お前、自然界ならとっくに食われておしまいだぞ……?」



 生き物達の出産戦略は、大きく分けると2つです。

 ①未熟に、たくさん産む

 ②体内で成熟させて、少し産む

 魚類や亀は①。馬や犬、サルは②です。


 でも、人間はどっちでもない。第三の道です。


 ③未熟に、少し産む


 これはパンダと人間の選択。そしてパンダは絶滅の危機です。

 なんで人間はこんな険しい道を? というと、脳が大きすぎて、成熟するまで母体に留まれなかったそうな。

 何を差し置いても、とにかく脳を優先! という生存戦略ですね。

 その戦略は成功し、人間は大繁栄してます。

 人間って、どんな動物よりも不思議な生き物だわぁ~



 ということで、霊長類の妊娠・出産はかなり無理ゲーな設計です。

 今日もイージーモードな犬猫達は、誰の助けも借りずに出産します。

 私はそれを横目に叫ぶわけです。

 「いいなぁー!!」


 




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霊長類の出産、無理ゲーすぎでしょ! 南部りんご @riogon

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