ぽーちどえっぐ!かえだま

ノア

第1話 白昼夢の日常

「ん……んん……ぅん……。」


閉じたカーテンの隙間から陽の光が差す。

そんな朝をスマホのアラームが鳴らす。


「ふわ……寝坊しちゃった……眠……。」


一人の少女、”ノエイデス”は眠たげに時計を確認する。


午前9時30分。寝坊である。


_____第一話【閉じたカーテンの向こう側】


『ノエイデスへ、朝ごはん作っておきました。』

『冷めていたらチンして食べてね』


意識がボケボケする中、ノエイデスはリビングへと足を運ぶ。

そこにあったのは、亡き親代わりの親戚の叔母による朝ごはんと、メモ書き。


「あ、叔母さん朝ごはん作ってくれてたんだ。」

「ちょっと冷めてるから、温めてから食べよ。」


そう言い、ノエイデスは500ワットの箱へバタートーストを入れる。30秒。


「では、いただきまーす…。」

「ん……叔母さんの作るトースト、やっぱ美味しいな……。」


「では、ご馳走様でした。」


お皿を洗い終え、やるべき事は大体やったノエイデスはまるでぬいぐるみのようなリュックサックを背負い、外へ出る。


午前10時の港町。

眩しい程に照らされている。

しかし、陽の光の暑さは海風にかき消され程よい気候。


「さて…」


彼女はリュックサックから一冊の本を出し、読書をし始める。


「んー……やっぱ、風に当たりながら本を読むのって良いね…。」


_____凡そ一時間後。


ノエイデスは港町から自宅へ帰ろうとした時。

”謎の違和感”を世界に抱いていた。


_____


あれ?

今のもみじ谷ってこんなに平和だったっけ……?


創世軍団、月の世界、そして滅んだはずのもみじ谷……


あれ?

私はなんでここにいるんだろう?


そもそも……


パパもママも、なんで死んじゃったんだっけ?


_____


思考回路がグルグルと違和感で回される。

おかしいな、なんでだろう?


_____


考えても、考えても結論は出ない。


「まぁ、いいや。」


とりあえずこの一言でひとまず終わらせることに。


そんなこんなでもう時計の針は午後を指している。

とりあえず帰ろう。


_____


『カランコロン』


「ただいまぁー…って、え!?」


「あら、遅いわよノエイデス。お昼ご飯冷めちゃうよ。」


そう声をかけてきたのは、”亡くなった筈の母親”だった。


あれ?どういうこと?

さっきの違和感が再びノエイデスを襲う。


「どうしたの?嫌なことでもあった?」


「う、ううん!なんでもないよ。」

「お昼ご飯、食べるね。」


そういい、考えないように暗示しながらノエイデスは”非日常な日常”を過ごすことになった。

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ぽーちどえっぐ!かえだま ノア @noa_zarusoba

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