第6話 息子が飛び降り自殺を図る(母親サイド)

 麻美はまさか息子が自殺を図るとは思っても見なかった。中学三年生のときに、自分の部屋から飛び降り自殺を図ってしまう。


 隣の家の人が、音を聞き、すぐに発見して救急車を呼んだのと、部屋の高さも二階と低かったので、出血こそしたものの命に別状はないようだ。


 二~三時間、誰にも発見されなければ、低確率で危篤に陥る可能性もあったようだ。母の麻美は助かたと知ってほっとしている。


 せっかく産んだ息子に先立たれるのはすごく悲しいから。亀夫に電話したら、とんでもないことを言われた。


「助かったのか、心の底から残念だ」


 相変わらずの最低ぶりだ。息子のことをそんな風に思っていたなんて。

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