今川家臣従と長尾家のこれから

 北条氏康



 今川家当主自ら使者としてきた。一緒におるのは、公家の寿桂尼か?相当な覚悟を伺えるの。


「我ら今川は北条家に臣従いたしまする」


 長い歴史を持つ今川家当主が頭を下げ臣従を申し出ておる、この重さを然と受け取らなければ北条も足元を救われるの。


「あいわかった、今川には駿河を纏めてもらう。遠江は儂らが出向き三河への備えをしよう、北条は他家とは色々と勝手が違うのでの。慣れるまではゆっくり過ごして下され」


「はっ、畏まりました」




 今川義元



 この時が来てしまったか。臣従に反対だったものは粗方片付けたが、まだ完全に潰した訳では無い。家中を纏められず恥をかくのだけは勘弁だからの。


 それにしても駿河をそのまま渡すとはの、温情なのか情けなのか。これから駿河や遠江も発展するのじゃろう、亡き父上にはお叱りを受けるだろうよ。




 坂本龍司



 今川臣従の一報は日ノ本中に衝撃を与えた、九州勢力までもが驚いていると噂を聞いた。それだけの家を抱えることになったんだ、責任も重圧も半端じゃないだろう。


 氏康さん大丈夫だと思うけど少し心配だな。屋敷に呼んで一緒に宴をしよう、少し心を休める時も必要だ。


 これで史実でも有名な桶狭間の戦いが起きない事が確定した。今後も史実と違う出来事や人物が出てきて、先が読めなくなってくる。不安もあるが開き直って突き進むしかない、俺はもうこの時代に生きる一人の武士だ。


 謙信さんから手紙が来た。兵量と幻影衆ありがとう、北条のお酒は美味しくてついつい飲みすぎちゃう。今川家の事は驚いた、流石だな!纏めるとこんなことが書いてある、酒は本当に適量にしてくれ軍神よ・・・貴方には北条と一緒に東北と北海道を平定するつもりなんだ。


 酒を飲みすぎるなよ!今度そちらに出向いて家臣達に確認するからな!長尾家は越前を目指すの?それとも信濃で武田とぶつかるの?って感じで返事を書いた。


 長尾家からしたらこの先は少し面倒になるだろう。信濃に侵攻しても多くの国人衆と武田とぶつかり泥沼必須だし、越前には一向衆や朝倉宗滴がいてこちらも厄介。


 越中では既に寺社と小競り合いが始まっているらしい。長尾家には金山があるとはいえあそこも難儀な所だよな・・・謙信さんファイト!!

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