意外な苦労人、長尾謙信

 長尾謙信



 まさか尾張の織田とも誼を通じていたとは、だが北条から見たら格下なんだがなぜ縁組をした?こういう事をするのは・・・・龍司しかいないな。


 龍司なりの思惑があるのだろうが、ここまで先の読めないやつは初めてだ。あやつがこれから何を成していくのか、卿が冷めることはなさそうだの。


 だが北条と織田が縁組した事で、こっちは少し厄介なことになっておる。後がない武田と今川が信濃を奪い合ってるせいで、守護の小笠原持長殿からの支援要請耐えない。ほぼ服従状態にあるから応えない訳にもいかんしのう。


 今は兵量で済んでいるが、兵を送る事になるのは時間の問題だろう。北条に相談してみるかの、また借りを作ることになるがやむを得まい。




 坂本龍司



 謙信さんから手紙が来た。信濃への支援か・・・土地的に兵量しか送れないけど大丈夫かな。


 今川が北条に巨従するって聞いてるけど今の所来てない。恐らく巨従に反対の勢力を信濃で武田にぶつけてるのだろう、こういう所は戦国時代ならではの残酷さがある。


「やっぱり甲斐はどこも欲しがらないよな〜」


「地方病(風土病)が猛威を振るっておりますので」


「謙信殿には兵量を届けるのと、戦働きが得意な幻影衆を百人くらい派遣しよう」


「了解しました」


「そう言えば光秀さんどんな感じ?」


 今日は智と近況を話し合ってるんだけど、話は明智光秀の様子に変わった。


「やはり秀才の持ち主かと、信綱の育成にかなり気合いを入れております」


「半兵衛君は文官として大成しつつあるし、本能寺の変は阻止できたし大丈夫だろう」


「清子に風土病の対策始めさせて、多少オーバーテクノロジーでも構わないから」


「畏まりました」


 近い内に甲斐も平定するだろう、今から対策をしておけばいいスタートが切れるはずだ。


「あ、それと木兎に豪華客船を作らせて!伊豆の領民も一緒にツアーやりたいから、スピードは無視。とにかく沢山乗せれる船がいいかな」


「相変わらず娯楽には手を抜きませんね」


「もちろんだよ、せめて俺の手が届くところは毎日を楽しく過ごして欲しい」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る